にゃんこのいけにえ

両目洞窟人間さんが色々と書き殴ってるブログです。

キャンディプロジェクト『星の王子とうたかたの日々』を見た!

キャンディプロジェクト『星の王子とうたかたの日々』を見た!
私が見たのは配信で、薔薇組の方を見ました。


タイトルのように『星の王子さま』と『うたかたの日々』をマッシュアップした作品。
とはいえ、私は両作品とも未読です。両作品とも買ってるのに読んでない……。まじで読んでおけばよかった…。
さて、まず書いておかなきゃいけないのは、友達が出てる舞台ってことなので、もうその目線はめっちゃあるんですけども、それはそれとして、見て凄く良かったです。
多分『うたかたの日々』の成分だと思うのですが、中盤からの怒涛の不幸の連続に「ひぃ~~~」と恐れおののきながら見ました。
あれほど幸せだった人々が不幸におちていくなんて……そりゃ幸せだった頃を見ていたときは「なんだよ~おい~」って見ていましたけども、とはいえ不幸になっていく様を見ているのは結構辛いものがありました。
主人公コランの妻クロエは肺にバラの花が咲くという奇病にかかってしまい、その病気を止めるため高価な花を買い足していく。
裕福だった主人公は徐々にお金を失い、人に嫌われる仕事をし、その果てにクロエは死んでしまうという血も涙もないようなストーリー。
しかもその過程で、友人たちも不幸になっていくというもう不幸の何掛けだよ!と思ったり。

でも、それを見ているのが星の王子さまというのがいいなあとおもった。
星の王子さまは恋愛というものを知りたくて、地球にやってきて、そしてコランとクロエの恋愛をみる。
幸せの絶頂から、不幸のどん底まで、恋愛のすべてを見る。
その中で星の王子さまは思うのだ。恋愛とは?幸せとは?不幸とは?死ぬとは?不幸のどん底で生きるとは?
同時に私も考える。
人はいつか死んでしまう。それを不幸と言ってしまうならばだけども、いつか不幸になってしまうのに、どうして幸せになろうとするのだろう。
そしてなんで恋愛なんてするのだろうか。恋愛ってそんなに幸せなんだろうか。
自分も星の王子さまのように考えたりする。
この物語に星の王子さまがいて良かったなあと思う。
コランとクロエの物語を最後まで見ていてくれる星の王子さまがいてくれてよかったと思う。
不幸な物語でも、誰かが見ていてくれるのは凄く幸せなことだと思うから。


不幸な物語でも、後味が悪くないというか、そこに美しさを感じるのは、舞台上に散った花束があり、バラが咲いた美しい死体があり、そこに人生と花の儚さがあり、そして最後の最後に幸せだった瞬間を思い出すからだろう。
もしかしたら人生の幸せな瞬間はとても短いのかもしれない。
それでも、その一瞬、たった一瞬だけでもあれば、それは凄く幸せなのかもしれない。


星の王子さまとうたかたの日々のマッシュアップだけじゃなく、その他も異常な量の色々がミックスされていて心地よかった。
特に序盤はm-floも流れるし、近大のキンコン西野もあるし、youtuber的なものもあるし、有名な言葉「きれいな女の子相手の恋愛、そしてニューオ ーリンズの音楽、つまりデュ ーク・エリントンの音楽。ほかのものは消えていい。なぜなら醜いから。」はものすごいテンションで叫ばれる。
その無節操さが楽しくて仕方なかったです。舞台を見ているな~と思ったりした。
同時に配信だと伝わりづらい楽しさの部分でもあったから、やっぱり生で見たかったなーと思ったりしました。


それとこれは友達の目線なんですけども星の王子さま役ののいさんとハツカネズミ役のフーさんのコンビが凄くいいなあと思った。
二人が出てくると一気にポップになって、楽しくなっちゃう感じ。
見ながら「この二人が探偵だったりトラブルシューターをするような舞台が見たいな~」と勝手なことを思ったりしました。
楽しそうだもの、見てみたいです。


とりあえず原作の『星の王子さま』と『うたかたの日々』が強烈に読みたくなる舞台でした。
今回、コロナウイルスの影響で全ステージをやりきることができなかったそうで、とても残念だと思いました。
コロナめ……。配信もぎりぎりで見てしまって本当にごめんなさい……。
それはそれとして、キャンディさんはどうやってマッシュアップする二作品を選んでるんでしょう。
毎回、よく思いつくなあ。
DJの二枚使いのように、この作品とこの作品のBPMは同じだ!と思ったりするのかなあ。
いつか機会があればそんなことも聞いてみたいです。