にゃんこのいけにえ

映画と音楽と本を中心にいろいろと。

わたしが書いた小説

両目洞窟人間のおすすめ自作短編集。

どうも、みなさまこんにちは、両目洞窟人間です。 ↑両目洞窟人間近影。 私は短編小説を時折書いておりまして、時折このブログ「にゃんこのいけにえ」にアップしています。しかし、ブログの性質上、どんどん潜ってしまいせっかく書いたのに埋もれてしまってや…

短編小説『とうめいな、たましい』

むかし、というか、いつだったか忘れてしまったが正しいのだけども、多分ネットで私はある言葉を唐突に読んでしまった。 「透明な魂が救われることはない」 それを読んだ時は「透明な魂ってなんだよ。中2っぺえ~」と思って流した。でも、なんとなくその言葉…

短編小説『レジェンド・オブ・カリー・ブレッド〜カレーパンの伝説〜』

『レジェンド・オブ・カリー・ブレッド~カレーパンの伝説~』 カレーパンの伝説を知っているだろうか?私は知らない。しかしタケルが言うのだ。「カレーパンの伝説って知ってる?」って。 いや知らないよ。なんて言うと「あっそ」と返してきて、それっきり…

戯曲『向き合うために逃避する』

アケノヒ処女公演のために提供した『向き合うために逃避する』の戯曲を公開します。 大体尺は60分くらいです。 男3人、女1人で上演できるようになっています。 これをやりたいなんてそんな変わった人がいるかわかりませんがもし連絡を取りたい方は、こちらの…

短編小説『ニドマキは喋るのをやめない』

「結局さ、竹本さんは最後まで俺のことが好きだったと思うのよ。でも、あえて俺のことを思って振ったんだよ。そうだよ。絶対」と言いながらニドマキは俺の家の冷蔵庫から勝手に取った卵を割って、かちゃかちゃと箸でかき混ぜる。 ニドマキのこの勝手な振る舞…

短編小説『くまくんとしゃけくん』

くまくんとしゃけくん 両目洞窟人間 くまくんはげんきなおとこのこ。きょうもあそびにでかけています。 「よーし、きょうはしゃけくんとあそぼう」 くまくんはさかなのしゃけくんにあいにかわへやってきました。 「しゃけくん。しゃけくん。あそびましょー」…

進捗日記2019年5月2日『アラバマの楊貴妃』

早朝に目が覚めて、朝ごはんをぼんやり食べて、いつものように薬を飲んで、陽光を浴びつつ、sunn o)))を聞いたりしてみた。 初めて聞くsunn o)))は「音楽……?まるでリハを延々と録ってるみたい……」と思ってしまった。しかしドラマもメロディもない音楽を延々…

どてらねこのまち子さん『Also sprach Zarathustra』

どてらねこのまち子さん "Also sprach Zarathustra" どてらを着た二本足で歩いてさらに人の言葉を喋る猫のまち子さんは喫茶店に来ておりました。喫茶店と言っても街の小さな喫茶店ではありません。ドトールにです。ドトールに初めてまち子さんがやってきたと…

短編小説『私立探偵、パンダを見に行く』

どこか遠くの動物園でパンダの子供が生まれる。そのパンダを多くの家族連れが見に行って「きゃーぱんだちゃーん」と手をふる。パンダはよろけながら歩き回って、笹を食べて、そして寝返りをうつ。それを見て楽しがる家族連れ。俺はそんなものにはならないと…

超短編「パンはパンでも食べられないものはプロパン」

パンはパンでも食べられないパンはプロパン。ということで、プロパンガスは食べることができないのであった。プロパンガスが充満する部屋で火をつけると着火BOOMすることはDragon Ashのファンタジスタでも書かれていたことだけども、そんなことよりもレゲエ…

短編小説『そして赤ちゃんポストモダンは歌い始める』

1 ひよこのひよここはひよこのこ~と歌いながら歩く。夕方で辺りはオレンジ色で、田んぼも暖色系に染まってる。地面からちゅどんと生えたような鉄塔と入院患者の腕のように刺さった送電線も暖色系。どこから「ふぁいっおー!ふぁいっおー!」とバレー部のか…

短編小説『影を追う』

懐中電灯をニューヨーク市警のように顔の前で持ったことある奴全員友達。ってことで、俺は今、懐中電灯を顔の前で持って、地下道にある湿った階段を進んでいる。なんで地下道にある湿った階段を進んでいるかといえば、自分の影が盗まれたからで、なんで自分…

短編小説『黄身と海』

冬の寒い朝、私がバス停でバスを待っていたところ、そこに現れたのは巨大な鯖であった。巨大な鯖が口を開けてあーんと私が乗り込むのを待っていたので、私は鯖の口の中に入ることにした。鯖の口の中はシルバニアファミリーの家のようであった。私はプラスチ…

どてらねこのまち子さん『クリスマスをしようよ』

「クリスマスをしようよ」 どてらねこのまち子さんはクリスマスの前になるとそわそわしていました。まち子さんはどてらを着た二本足で歩く猫です。ついでに日本語も喋ります。 まち子さんは一年間いい子に過ごすことを心がけていました。サンタさんが来て欲…

どてらねこのまち子さん『identity』

『どてらねこのまち子さん』 "identity" 「にゃんにゃんにゃん」とまち子さんが呟きながら歩いています。まち子さんは猫です。どてらを着た二本足で歩く猫です。そして日本語を喋る不思議な猫でした。しかし普段はちゃんとした言葉使いなのです。あんまり「…

どてらねこのまち子さん『きょうのにゃんこ』

どてらねこのまち子さん "きょうのにゃんこ" どてらねこのまち子さんは今日のにゃんこに取材されていました。今日のにゃんこは朝の情報番組で流れるねこの動きに密着した1コーナーです。その1コーナーにまち子さんが出ることになったのでした。 まち子さんは…

短編小説『私じゃ、魔女になれない』

電車が走る度に揺れる喫茶店の中で、私はアイスコーヒーを飲んでいた。身体を冷やすのはよくないと言っていたのは誰だっけな、私の母か、それとも佐藤江梨子か。多分、佐藤江梨子だな。多分、そう。佐藤江梨子がなんかそんなことを言っていた気がする。 私の…

どてらねこのまち子さん『camera! camera! camera!』

どてらねこのまち子さん "camera! camera! camera!" 赤いペンキで塗られた三角形のランドマークを背にしてまち子さんは歩き始めました。まち子さんは猫です。でもどてらを着て、二本足で歩いて、言葉を喋る猫でした。まち子さんは不思議な猫でした。あんまり…

短編小説『アイム(ノット)ミー』

私、私、私。 私を三回繰り返したところで、それは「私」とはかけ離れているみたいな気がして気持ち悪い。とはいえ「私」は私に変わる一人称がないので、仕方なく私を使い続けている。 私は一体なんなのだろうか。と私は俗に言うアラサーにもなって、悩み続…

短編小説『フランスパン同好会』

フランスパン同好会 私はフランスパン同好会の会長だった。といってもフランスパンのこと、めちゃくちゃ好きだったわけじゃない。フランスパンに詳しいわけじゃない。ただなんとなくフランスパンが好きだと言っていたらフランスパン同好会の会長になっていた…

短編小説『ランプ・妖精・ミルクフランス』

ランプの中には妖精がいて、その妖精が光を放っているものだと私は子どもの頃信じていた。すべての光は妖精の光。私はそう思っていた。どのタイミングで真実を知ったのかは今となっては思い出せない。でも、どこかの瞬間にランプの中に妖精なんていないこと…

短編小説『はじめてのおつかい(ねこからの)』

休日。何も予定がない私はいつものように散歩をしている。齢が20数年以上生きてきて、未だに予定の組み方というものを理解していない私はどうしても一人行動が多くなってしまう。そのことに対してそんなに危機感を覚えていなかったけども、人は「そんな生活…

どてらねこのまち子さん『Tesseract』

どてらねこのまち子さん "Tesseract" 駅前のピンク色のビルの4階にあるリードボーカル養成所は気がついたら血まみれでした。隣で震えているのはどてらを着た二本足で歩き言葉を喋る猫のまち子さんです。 「うにゃにゃにゃにゃにゃ・・・」 まち子さんは想像を絶…

どてらねこのまち子さん『Eat you up』

『Eat you up』 私は家でアルコ&ピースのラジオを聞いていた。外はシルバーリングの黒さびのような暗さだった。雨がぱらついていて時折窓にぶつかりパーカッションのように部屋に響いていた。 私はアルコ&ピースのラジオが好きだった。特に好きだったのは…

どてらねこのまち子さん『Loveland,lsland』

山下達郎のカッティングギターが街を切り裂く。 「うぉ~」とハイトーンボイスがビルをなぎ倒す。 凶暴化した山下達郎は手がつけられない。 CDを棚から人つかみするように人々を掴んでは精神のイコライザーをかけて廃人に仕立て上げていた。 「うにゃにゃに…

どてらねこのまち子さん『Stayin' Alive』

ビージーズのステイン・アライブのBPMは103で、このリズムは心臓マッサージのリズムと同じだそうだ。 というわけで、今、私は頭の中で、ステイン・アライブを流しながら、道端で倒れた太った男に心臓マッサージをしている。 ふんにゃかふんにゃかステイン・…

短編小説『世界を鉄の藻屑にかえてやる』

塚本晋也監督の『鉄男』を見た私は感動のあまり椅子から立ち上がれなくなってしまった。椅子と言っても、 映画館の椅子なんかじゃなくて、勉強机を買ったときに付いてくる 固い椅子。私はまだ実家の子ども部屋にいる。 というか引きこもっている。会社にいけ…

どてらねこのまち子さん「素直なにゃんこ」

どてらねこのまち子さん 素直なにゃんこ。 「素直なにゃんこですー。素直なにゃんこですー!」 とどてらを着た二足歩行で喋るねこのまち子さんが街角で叫んでいた。 どうしたのだろうと思って、私は近づいてみた。 「どうしたんですか?まち子さん」 「あ、…

短編小説『ロマンティック消滅』

私のロマンティックは数年前に死んでしまった。音もなく死んでいったから、当分の間は気がつかなかった。私は気がつかぬ間にロマンティック未亡人になっていた。ロマンティックは私の元から去ったのだ。 「井上さん、彼氏いないんですか?」はいはいはいーき…

短編小説『愛なき世界』

私は私の地獄を生きている。という言葉を思いついてほえほえほえとなった私は、布団の中から動きたくなくて、布団というドリームホームから動きたくなくて、それでも朝はやってくるので動き出さなきゃいけない。 目覚めた45分後には電車に乗っている。イヤホ…