にゃんこのいけにえ

両目洞窟人間さんが色々と書き殴ってるブログです。

『千年女優』を見た!

千年女優』を見た!

あらすじ。
小さな映像制作会社の社長・立花は、かつて一世を風靡した昭和の大女優・藤原千代子のドキュメンタリーを作るため、人里離れた千代子の邸宅を訪れる。30年前に突如として銀幕から姿を消し、隠遁生活を送っていた千代子は、立花が持参した1本の鍵を見て、思い出を語りはじめる。千代子の語りは、いつしか現実と映画のエピソードが渾然一体となり、波乱万丈の物語へと発展していく。
(映画.comからの引用)


めちゃくちゃ面白かった!!!!
超好き!!!!
見ている最中、虚実と映画史と一人の女性の想いが入り混じる表現に興奮しっぱなしだった。
全然方向性の違う映画だけども『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』も思い出したな。特にごちゃごちゃ感!
20年前に今敏、エブエブやってたんだ…って震える。それを言ってしまえば、今敏は『ブラック・スワン』も『インセプション』もやってたわけだけども…。

本当凄かったなー。あまりにも面白すぎて頭かきむしりたくなった。
状況が一瞬で変化するのが楽しすぎて楽しすぎて。
それも一瞬で現実(回想)から映画の世界へ、映画の世界から映画の世界へ。そして映画の世界かと思えば、現実で。
それがくるくると次々と変わりゆく楽しさったら!!

物語の肝になっているのは「初恋」であるけども、それを躍動させる走りのシーンの良さったら!
走るって凄い!この映画はその都度で走るんですけども、その度にわくわくしていました。
よかったなー。

特にこの怪獣が出てくるシーンあたりのエモーショナルさが凄まじくてですね。
劇中のあらゆるシーンとその瞬間が絡み合うシーンの構築の気持ちよさというか、編集の良さったら!
ぞわぞわぞわっ!としました。
良かったなー。

にしても映像制作会社の社長の立花さんが泣かせる。
千代子さんが女優であり続けたのは、立花さんのようなファンがずっと忘れなかったからというのもあると思ったりした。
俳優さんは演じるから俳優さんなわけだけども、同時にファンがいるから俳優でもあるわけです。
千代子さんを劇中、女優たらしめていたのは立花さんのラブコールだったのかなと思ったりしました。
千代子さんが鍵の人を追いかけていたように、立花さんもまたずっと千代子さんを追いかけていたのだなあ。
それを怖く転換したのが『パーフェクトブルー』になるのだし、ポジティブに描いたのが今作だろう。
演出も虚実入り乱れる感じは『パーフェクトブルー』の発展系とも言える。
色々と対になってる作品だなと思うし、それを更に発展させると『パプリカ』になっていくのだな…と思う。



にしてもその上でのラストのセリフの切れ味よ!!
あまりのひっくり返しにめちゃくちゃ驚いてしまった。
あのセリフは怖く聞こえるかもしれないけども、個人的にはそれ故に千代子さんをより好きになった。
自分の人生を生きた人だったんだなと思ったな。
私はめっちゃ泣いてしまいました。
千代子さんの人生を駆け抜けたような感覚があったなあ。
いい映画だったなあ。
めちゃくちゃ大好きでした。
超好きです。


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