にゃんこのいけにえ

両目洞窟人間さんが色々と書き殴ってるブログです。

『劇場版ほんとにあった!呪いのビデオ109』を見た。

『ほんとにあった!呪いのビデオ109』を見た。

 

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菊池宣秀さんが復活しての109巻、そして劇場版ということで、この辺りはアフター6ジャンクション2でのBASE BALL BEAR小出祐介さんの解説を聞いてください。

 

私自身は『ほんとにあった!呪いのビデオ』(以下、ほん呪)は弱者も弱者であるので、ほぼシリーズ門外漢からの一感想として捉えてもらえれば幸い。

そんでネタバレありですし、厳しい感想になってるので読みたくない人は避けてください。

 

 

 

正直今回の109だけども、個人的には微妙であった。

全体を通した禍々しい雰囲気は好きだった。開始早々の事故の映像から、お面をつけた人々の映像、口寄せの儀式とわくわくする要素が沢山あった。

しかし、どうしても、あの家に入ってからの展開は「無理」があるとしか思えなかった。

「ほん呪」はかなりリアリティラインが高い心霊ドキュメンタリーだからってのが悪い意味で制約となっていた気がする。

上手く言えないんだけども取材班側にしても対象者側にしても「そんな行動を取る?」というのが結構気になってしまった。

一度離れた家に何度も入る展開も無理があった。

もちろんあの女の子に呼び出されて…というのはあるけども、いわば敵の総本山に一度入って、出ていって、また入るは、ちょっと難しいんじゃないかって思ってしまった。

 

これは自分の理解力の問題でもあるけども、一ノ瀬マキさんは冒頭の事故の結局生き残ったお母さんってことだったんだよね?

それっぽい人が出てきたし、事故の話もしてるし、けどもそうじゃないんだろうな…と思っていたらやっぱりそうだったって展開、そんでその情報の開示もスムーズじゃなくて、余計に混乱してしまった。

で、これは『ほん呪』の作風の弊害でもあるのだけども、録音がよくなくて、何を言ってるかわからない部分が多い上に「ピー音」が多いから、結局今なんの話をしてるんだ?って瞬間が終盤になればなるほど増えたのも困った。

 

そんで、あの宗教団体(正確には宗教団体じゃないんだけども宗教団体ってさせてください)って結局何をしたかったのかがよくわからなかった。

特にあの教祖(正確には教祖じゃないんだけども、仮に教祖とさせてください)の襲ってきそうでなかなか襲ってこない感じもよくわかんなかったし、ラバーマスクの男とか一体なんだったの?という気持ち。

もちろん意味がわからない気持ち悪さって絶対あると思うんだけども、意味がわからないが怖さを上回ってる瞬間が何度かあった。

今、この時こそ、中村義洋ナレーションの使い所だろうと、ほん呪だからできることってそうだろう、とか思ってしまった。

教祖がやりたかったことは新たな「よろしろ」を欲していたってのが多分最後の展開を見る限りそういうことなんだろうと思うけども、ならばラストはもっと突き落として欲しかった。

振り返って「あれ、最悪じゃない?」ってなって、その後味の悪さ良かったのですが、もっと絶望したかった。

それこそ菊池さんだと67〜69巻の『禁忌』の後味の悪さが印象的だったので、最後あんなさらっと中身の変わった一ノ瀬マキさんを見送るんじゃなくて、もっと突き落としてほしい。

それこそ、今の見送ったオチでも、映像流したあとでも、一瞬スタッフルームが「えっ?じゃあ…」みたいなところ入れてほしい。

個人的、個人的っすよ、もちろん個人的なんだけども、ある程度の導線を敷かれた上で絶望したかったなーと思いました。

 

好きだったところはあまりreplay演出がなかったのが、怖かったですね。さらっと気持ち悪い映像が流れていくのが良かった。

ただこのほん呪的じゃない説明のなさがいい方に転がってる時と悪い方に転がってる時があったなーとは思います。

 

でも、映画館でほん呪を見れたっていうスペシャル感はめっちゃあったなと思う。

で、そのスペシャル感を出そうとしてるんだなとも思った。

ただ、上手く噛み合ってないのかも…と思ったりもした。

あの家に入っての展開も、もっと怖くなりそうというか、それこそ『禁忌』みたいなスリリングと禍々しさがありそうなのだけども、今何起きてるの?って瞬間がいちいちかき消してくるというか……

一ノ瀬マキさんが苦しんでる時間は記憶を刺激されてたから?それとも、呪術的なこと?それもわからなくてしんどかった。

あと、紹介制の口寄せ回なんだから、紹介してくれた人を置いて行ったらだめだろう。

あんな山奥で、どうやって帰るんだあの人。

 

一ノ瀬マキさんのキャラクターとか良かったんですけどもね。

あの思わずイジメを止めに入るところとか。

それこそGoproをずっとつけてるからこそのカメラアングルの違いや編集は面白いものがありました。

だからこそ、惜しいなーって気持ちに何度もなったのよー。

 

劇場版としても「55」と「100」には並ばなかったなーとは思う。

けども、全体的な重たさとか本当好きなんだけども…でもなーという印象。

 

『ほんとにあった!呪いのビデオ』続くか続かないかわからないそうですけども、結構この後こういう道もあるかもって指し示してる作品ではあったと思うので、どんどん作ってほしいなとは思った。

またほん呪が観ていきたいと思ったし、また映画館でかかるなら絶対に観にいきたいです。

 

 

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とりあえず菊池さん、相変わらずビジュは爆発してました。

 

 

短編小説『リヨン25を飛べ』(加筆修正版)

『リヨン25を飛べ』

*この物語は事実を元にしたフィクションである。

 アーロン・ホモキは深呼吸をした。そして途切れた道の先を見据えた。それは長さ6.7メートル、高さ4.49メートルの25段の階段。リヨン25。フランスのリヨンにあるスケートボード界で最も伝説的な階段。アーロンはリヨン25をスケートボードで飛ぼうとしていた。

 リヨン25をオーリー(ボードと一緒にジャンプをする技)で飛ぶ挑戦が始まったのは2002年、アリ・ボウララからだ。
 アリはリヨン25を飛んだが、着地に失敗し、地面に叩きつけられ、ボードは折れ、ズボンは破けた。
 4.49メートルからの落下。それはビル1・5階の高さから叩き落ちるのと同じ衝撃。
 アリはリヨン25を攻略できなかった。
アリは痛みと衝撃に呻きながら、階段に座る。
「これはやばい。今までで一番やばい衝撃だ。くそ。最悪な一日だ」この模様は録画されていて、スケートボードビデオ「Sorry」に収録された。
そのビデオを当時13歳のアーロンは見た。そして「今までで一番のやばい衝撃」を受けた。そして願う。いつか僕がリヨン25を攻略したい。


 アリの失敗から12年後の2014年6月20日。
 25歳になったアーロンはリヨン25からのオーリーに挑戦する。
 リヨン25の手前にあるスロープから滑り出して、何度もプッシュをし加速、そして階段の端でオーリーをする。ボードが階段の端を叩く音が響き、アーロンは空を飛んだ。
 結果は失敗だった。アーロンは地面に叩きつけられ、アリの時と同様にボードは折れた。
 アーロンは左膝の強い痛みに気がついた。
「ああ、くそ」
 左膝の内側側副靱帯は断裂していた。そしてアーロンは8ヶ月ボードに乗ることができなかった。


 それでも翌年の10月10日、アーロンはリヨン25に戻る。あれから何度もリヨン25のことを考えた。どうすれば攻略できるかを何度も研究した。
 そして今度はある男をリヨン25に連れてきた。
 アリ・ボウララ。
 アリは13年ぶりにリヨン25を眺めた。アリを痛めつけた長さ6.7メートル、高さ4.49メートルを。
 あれからアリにも様々なことがあった。いいことばかりではなかった。友人とバイクに乗っている最中、アリは事故に遭った。アリは大怪我を負い、友人は亡くなった。
 その怪我に、友人を亡くしたトラウマ、そして逃げるようにはまったドラッグから、アリのプロスケーターの道は閉ざされた。
 アリにはもうリヨン25を攻略することはできない。
 だからこそアーロンはリヨン25を攻略するのをアリに見せたかった。あの日、アリが叶えられなかった夢を叶えにきた。
 その気持ちを受け取ったアリはアーロンに伝える。13年前、リヨン25を飛んだからこそ言える技術的なアドバイスを。13年前、リヨン25を飛んだからこそ言える精神的なアドバイスを。
 それはアーロンの背中を押すには十分だった。


 アーロンは再度リヨン25に挑戦する。
 スロープから滑り出し、何度もプッシュ。そして階段の端でオーリー。ボードが階段を叩く。
 しかし、またもや失敗する。
 何度も。何度も。
 強い衝撃と痛みと成功しないもどかしさにアーロンは苦しんだ。
「大丈夫か?」アーロンの挑戦に応援に来た友人が言う。
「くそ痛いけど、まだ膝は大丈夫みたいだ」アーロンは膝を曲げてみる。友人は心配そうにそれを見る。
「何をしている!」この騒ぎに近隣の警備員がやってきた。警備員はアーロンたちに「この階段は使うな」と通告し、柵を立てた。
「くそ」
 その日はもう飛べない。明日、またここに来て飛べばいい。そう思ってアーロンたちはホテルに戻った。
 しかし次の日は大雨が降った。大雨の中、飛ぶわけにはいかない。飛べるわけがない。
 アーロン、応援に来た友人、そしてアリはもどかしい時間をホテルで過ごした。
 アーロンがフランスに滞在できる最終日の2015年10月12日月曜日。
 天気は快晴。
 柵は撤去されていた。
 アーロンはリヨン25にまた挑む。もう後はない。
 アーロンはリヨン25を睨む。そしてスロープから滑り出す。プッシュ。そして階段の端でオーリー。
 しかし、またしても着地に失敗する。
 何度も。何度も。
 いや、少しずつは進んではいる。けれども、着地までボードに立っていることができない。
 何度目かの挑戦で地面に叩きつけられた瞬間、何かが弾ける音がした。スケボーのウィールが着地の衝撃に耐えられず吹き飛んでいた。アーロンの友人は吹き飛んだウィールを掴んで言う。「こんなの初めて見たぜ」。アーロンは「俺もそうだよ」と呟いた。
 度重なる衝撃と痛み、そしてウィールの損壊に思わずアーロンはしゃがみこんだ。
 やはり、リヨン25を攻略するのは不可能なのか?
 しゃがみ込むアーロンにアリが近づく。
 そしてアーロンの目をじっと見て、そして伝える。
「お前ならいける。…俺の夢はお前なら叶えられる」それは根拠の無い言葉だ。しかしその根拠の無い言葉こそアーロンの不安を消し去るには充分だった。
「もう一度飛ぶ。これで最後にする」アーロンはウィールを交換し、ボードの滑り止めとして友人が使っていたデオドラント剤をボードに塗り込んだ。
「これが効果あるのか?」友人が言う。
「わからないよ。ただやるしかないんだ」アーロンは言う。
 ただやるしかないんだ。


 アーロンは階段を25段駆け上がる。
 ここを飛ぶ。やれる。俺ならやれる。
 アーロン・ホモキはリヨン25を睨む。長さ6.7メートル、高さ4.49メートルの25段の階段。
 友人が「アーロン!やれ!!」と叫ぶ。
 アリは腕を組んで、アーロンを見る。
 アーロンは目を閉じる。深呼吸。目を開ける。そしてスロープから滑り出す。何度もプッシュする。スピードは出ている。いける。いける。いける。猛スピードでリヨン25に突入したアーロンのボードが階段をパンッ!!!と叩くと「なんてかわいいのにゃ~!」と白ねこのにゃんみさんは鏡に写る真っ黒なゴスロリ服を着た自分の姿を見て思わず叫びました。
にゃんみさんはずっと着たかったロリータ服ブランド「ミホマツダ」のブラウス、コルセット、スカートをやっと手に入れたのです。総額約7万円。そのために郵便局で日夜働き、無駄なものは買わず、食費を浮かせてやっと買ったのです。
 大変だった日々。でもその苦労も今は過去。にゃんみさんは鏡の中の自分を見て「この服を着るために私は生まれてきたのにゃ」と思い、いくつかポーズをとり、くるっと回るとふわっとスカートがひるがえって「にゃーかわいいー!」となりました。
うっとりしたあと、ふと思いました。この服を着て、お散歩に出かけたいにゃ。
にゃんみさんは黒の日傘をさしてお散歩に出かけます。その服を着て、街を歩くと、とても優雅で強い気持ちになり、にゃんみさんはしばし自分が郵便局員であることを忘れていました。私はこの服を着ているときが私なのにゃ。
 ふいに、お腹が鳴りました。最近、この服を買うのに質素な食事ばかりでまともに食べてなかったのです。
そうにゃホテルのアフタヌーンティーにでも行くのにゃ!
 サイゼリヤが目に止まりました。
 にゃんみよ、耐えるのにゃ。服を汚す危険性のあるご飯なんてもってのほかなのにゃ。
 にゃんみさんのテーブルにボロネーゼパスタが運ばれてきました。にゃんみさんは、ボロネーゼパスタの中央にフォークを突き刺して、決してソースが飛んで服を汚さないように回し始めました。ゆっくり、そーっと。よしよし、ソースは飛び散らなかったにゃ。じゃあ食べるのにゃ。
 ロリータ服を汚さないことで頭がいっぱいになっているにゃんみさんが巻き取ったボロネーゼパスタ―――サイゼリヤ本部で作られ個包装され店舗配送用ケースに入れられ工場から各店舗に運ばれ注文が入ると電子レンジで熱せられ油分を含んでいるため130度まで沸騰したボロネーゼソースを店舗で茹で上げられたパスタにかけたもの―――がにゃんみさんの猫舌に触れた瞬間パンッ!!!と大きな音と強い衝撃がアーロンを襲った。
 地面に叩きつけられていない。アーロンはボードの上に立っている。着地に成功した。
 アーロン・ホモキはリヨン25を攻略した。
 アリの挑戦から数えて、13年越しの快挙だった。
「やりやがった!!ついにやりやがった!!」
 友人が叫び興奮し駆け寄り、アーロンを抱き締める。
 アリ・ボウララがアーロン・ホモキに近づく。
 アリは「ありがとう」と言った。その目はうるんでいるように見えた。
 その目と言葉に、アーロンが泣きそうになった瞬間、パンッ!!と音がした。友人がシャンパンが開けて、アーロンにかけてきたのだった。
「クソ!なにしてんだよ!」と笑いながら言うと、シャンパンが口に入った。
 その舌先はやけどしたように痛かった。


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ブンゲイファイトクラブ6のこと。

こんにちは、両目洞窟人間です。
今、はちゃめちゃに風邪をこじらせていまして、布団の上でこの文章を書いています。
急に寒くなりましたからね。皆様も体調にはお気をつけください。


ブンゲイファイトクラブ6(以下、BFC6)が終わりました。
私は本戦に出ることはできましたが、そこで勝ち上がることはできず敗退。
結果は藤崎ほつまさんの優勝となりました。
とてもおもしろい大会でしたので、興味がある方は本戦から読んでいくと楽しいです。

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また有志の方が落選作品をまとめられています。
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どの作品も、原稿用紙400字詰め6枚という制限の中で、濃密なものが書かれていてとても良いです。
濃密ゆえに一気に読むと疲れてしまうくらいでした。


BFCに出場したのはこれが初めてで、参加してみようと思ったきっかけは、今回もジャッジで参加されていた子鹿白介さんの存在でした。
子鹿白介さんが以前ジャッジで私の作品を取り上げてくださったことがあり、その時に私はこのBFCを知りました。
今年もBFCがあると知ったのも子鹿白介さんのツイートからでした。
それでなんか面白そうと思い、ファイターで参加してみることにしました。
子鹿白介さんがいなければBFCに参加するどころか、知る機会もなかったですから、本当に感謝でいっぱいです。


で、BFC6に参加した感想ですが、めっちゃ大変でした。
日頃、社会の端っこで趣味で小説を書いているだけなので、そんな人間がいきなり本戦というスポットライト当たるリングにあがることになり、そこで様々な殴り合いをしたわけですから、まあ大変でした。
ケビンスって漫才師の掴みの「こんだけ人がいるってことはさー!俺のこと嫌いなやつもいるんだろなー!」って言葉が頭をよぎったりしました。
自分のパンチ力のなさを知ったりもしました。
感想ツイートの「良かった作品」とまとめられてる中で、自分の作品がなくて「うっ!」となったりしました。
松本勝手口さんのジャッジで「モチーフ相互のギャップに頼った単調な大喜利的推進力」と自分の弱点をつかれて、膝から崩れ落ちたりもしました。
ササキリユウイチさんのジャッジで「この長さに対してのパンチラインの数が足りないと感じた。」と自分の弱点をつかれて、膝から崩れ落ちたりもしました。
そしてそれぞれの作品の強さにも圧倒されました。
特に吉田棒一さんの存在にびびりました。
吉田棒一さんと私の作風は違いますが、それでも「おもしろ」を小説でやりたい、やろうとしている、そしてやりきっている。
吉田棒一さんの繰り出すパンチ、キック、絞め技の数々に呆然としてしまったのでした。
そして一回戦敗退。
「やっぱりかー」と思いつつ、正直、めちゃくちゃ悔しかったです。


以下は敗退コメント。お笑い賞レースの芸人が負けて悔しいだろうに、こっちを楽しい気持ちにさせてくれる敗退コメントが好きなので、自分なりにやってみました。


じゃあ出場して嫌だったかと言われると、それは全然ありません。まじで。
それこそ敗退コメントでも書きましたが、大きな舞台で立たせてもらったという感覚がありました。
日頃、社会の端っこで、公募にも出さず趣味で書いてるだけですから、こんな大舞台に立てたのは嬉しかったです。
そして沢山の人に読んでもらえたこと、それにコメントをもらえたこと、それは肯定的であれ否定的であれ、とても嬉しいものでした。
実況していただけたのもいい思い出です。人の口から出る「◯◯だにゃ」って言葉がやわらかくかわいくていいなと思いました。

また小説を書いている多くの方々とこうやって相まみえたのも嬉しかったです。
みんなそれぞれが、それぞれの生活の中で書いている、そんな一端を見ることができて良かったです。
そんな方々と戦えたのは嬉しい限りでした。
というか、そもそもなんですけども、文芸ファイトって面白いですよね。本当は戦いようのないものをこう戦わせていくって。
本当スリリングで良かったな。ひりつくっていいですね。



BFC6の応募要項を見ていた時に、ふと頭の中で「デデッ!!」と音がしました。
BOOM BOOM SATELLITESのKICK IT OUTでした。
それを書きたいなと思いました。
「この小説をきっかけにBOOM BOOM SATELLITESを知りました」と言ってくださった方がいて、凄く嬉しかったです。
好きだったバンドに、ほんの少しだけですが恩返しのようなものができたのかもと思いました。


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改めてですが、BFC6に出場することができてとても良かったです。
ファイターの方々、ジャッジの方々、読んでくださった方々、本当にありがとうございました。
そしてなにより、このイベントを開いてくださった主催の惑星と口笛さん、本当にありがとうございました。


あとここからは宣伝。
両目洞窟人間が今年書いた小説だとこの『すなぎもちゃん387』が評判いいので、BFC6でご興味持たれた方はぜひ…

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それから中編小説『夕焼けパラレル団地城』も相変わらず販売中です。こちらは紙のみの販売です。こっちも評判いいです。喋るねこがでてこないので、喋るねこが出てこない両目洞窟人間の作品が気になる方はぜひ。
以下、試し読みのページです。

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それから、BFC6決勝戦用に書いた小説も公開しています。
『リヨン25を飛べ』って作品です。
こちらは実話を元にしたフィクションです。
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来年のBFCはどうしましょうね。喋るねこっていう手の内がバレてしまったからなあ。
でもそんな手の内がバレてしまったうえでも面白くて、強いものが書ければと思います。
そのためにまた日々をやっていきます。
お会いできた皆様ありがとうございました。またどこかでお会いしましょうね。

両目洞窟人間自選小説集(2024年版)

こんにちは、両目洞窟人間です。
2017年から小説を趣味で書いています。
なんだかんだで70作品くらい書きました。
良いのもあれば悪いのもありますけども、70作品ある中からそれを見つけてもらうのは難しいので、自選小説集を書きたいと思います。
自選集は2021年にも書いていますが、その最新版ということで、2021年~2024年に書いたものから選んでおります。
基本的には短編なので、どれもさくっと読めると思います。
ではよろしくお願いします。

両目洞窟人間自選小説集

1.中編小説『夕焼けパラレル団地城』

ryoume.booth.pm

さっそく有料の作品からの紹介で申し訳ないです……。
2024年夏に書いた中編小説です。
人生うまく行っていない23歳の女性「篠宮アヤメ」がひょんなことからパラレルワールドに迷い込んでしまい、超巨大で複雑怪奇な建物「団地城」でパラレルワールドのもう一人の自分「派手髪アヤメ」と共に生活することになり、その中で働き、自分にとって大事なものを見つけていく話です。

有料なもの勧められても買えるわけないよ!って方には以下に試し読みのページも貼っておきます。
もしよければぜひぜひ。


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2.『すなぎもちゃん387』

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noteのゲームメディア『令和ビデオゲームグラウンド・ゼロ』の「両目洞窟人間ビデオゲーム"感応"小説集」という連載で公開した小説。
この連載はゲームからインスパイアされた小説を書いていくというもので、この回は1999年のゲーム『どこでもいっしょ』からのインスパイアで書いた小説です。


内容は、すなぎもちゃんという、ねこともいぬとも言えない謎の生物が、家から出ていったと思ったら、何故か芸能界に進出して、挙句の果てにラジオスターになっていく……。そんなすなぎもちゃんと、そしてそのすなぎもちゃんが活躍するのを複雑な気持ちで見ているかつて一緒に暮らしていた少年の話です。
喋るねこ(いぬ?)、深夜ラジオ、2ちゃんねる、2008年くらいの空気が入った、楽しくてちょっと切ない話になっていると思います。
あと個人的には『アルコ&ピースオールナイトニッポン』を聞いていた人に届いたらいいなと思ったりもしています。

そしてこの小説は海猫沢めろん先生に褒められました!!めっちゃ嬉しかったです!!!


3.『恐怖!巨大花!!』

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3作品目は「恐怖!巨大花!!」。
こちらは喋るねこの宮本さんが買ったフリージアの花が、突然ある日喋るようになって、色んなことがおきる……とざっくりしたあらすじ。
読みどころは喋るフリージアこと「フリージやん」のキャラクターでしょうか。なかなか面倒くさくて好きです。
こちらはナレーターの深田あささんにイベントでニ度ほど朗読して頂きました。
5000字ほどで読みやすい作品となってます。ぜひぜひ。

4.『フランスパン同好会』

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かつて大学の友人たちと学食で「フランスパン同好会」をやっていた主人公。しかし時の流れは残酷で、どんどんその思い出から遠ざかっていく……。という話です。
しゃべるねこが一切出てこない、ちゃんと寂しい気持ちになる話です。
「しゅん……としちゃった」という感想をよく頂きました。
3000字ほどで読みやすいのでぜひ。

5.『ちゃん呪』

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幽霊が撮れると噂される駅のホームで動画を撮ったら、案の定幽霊が撮れてしまった挙げ句、神主からも「これはやばい動画です。私にはどうすることもできない」と言われ、紹介された霊能者は『ちゃんとあった!呪いのビデオ』を作っている会社の社長で……って話。
タイトルの読み方は「ちゃんのろ」。
とにかく勢いとカオスを作ろう!って思って詰めに詰め込んだ話になっています。
心霊ビデオから始まってますが、ホラーではないです、なんていうか、劇中の言葉で言えば私の無意識が裏返しになったような話です。
心霊ビデオ、東京フレンドパーク、ローション階段、くずパチ、Tommy february6、コワすぎ!、マインドゲーム……このどれかが好きな人にぜひ……。

6.『心霊ビデオ』

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あるAV女優の引退作品に映り込んだ心霊…をめぐる話。
ちょっとホラーです。
『ほんとにあった!呪いのビデオ』や『コワすぎ!』や『心霊玉手匣』が好きなので、心霊ビデオ系の話はまた書けたら……と思っています。



7.『ねこのまち子さん、市民税を払いに行く!!』

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二足歩行で歩いて喋るねこが、それ故に税金を払わなきゃいけなくなり、それで市民税を払いにコンビニに行ったら大変な目にあうお話です。
徹頭徹尾くだらないことしか起きない話をたまに書いていますが、今作はそれです。
朝まで生テレビ!やB'zやクリント・イーストウッドが出てきたりします。

8.『ねこ太郎、現代の鬼と戦う!!』

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京都は鴨川で本を読んでいると川上からどんぶらこと流れてきたギターケースには、喋る猫のねこ太郎が入っていました。ねこ太郎は現代の鬼を倒さなければいけないのです。そして現代の鬼は鴨川デルタにいるのです……って話。
これも徹頭徹尾くだらないことが起きるタイプの話……と言いながらも当時半グレのドキュメンタリーを見て、なんてことを!と思いつつ書いた話。まあ、でもくだらない話です。
これはイベントで自分で朗読しました。めっちゃ汗だくで朗読したのを覚えています。

9.『I saw a savior』

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ねこのまち子さんは「街中でカレーが食べたいにゃ!!!」と叫びだしそうになる。そんな発狂寸前状態になりながら、偶然見つけたカレー屋に入るのだが…って話。
メンタル不調の話もよく書いているのですが、これはそういう話。
そういえば、私はねこにまち子さんって名前をよくつけているのですが、これはいわゆるスターシステムみたいなものだと思ってください。
当時『Milk inside a bag of milk inside a bag of milk』ってゲームをやったのでその影響が凄く出ている小説です。

10.『ブリングザビート』

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ヒップホップの誕生日は1973年8月11日だ。あくまで地球における、だが。
無人惑星探査機ヴォイジャーに搭載されたゴールデンレコード。それは遠く遠く遠くの宇宙へたどり着く。
そこは猫の惑星だ。そこにビートが鳴り響いている。あの日、あのアパートの娯楽室で鳴り響いていたビートが……って話。

要するにヒップホップの誕生日とヴォイジャーに積まれたゴールデンレコードとねこの惑星でのヒップホップの誕生がつながっていくという話です。
ヒップホップの歴史はめっちゃ面白いです。Netflixにドキュメンタリーがあったり、書籍もいくつか出ています。

11.『アンダーグラウンド・ガールズ・ラフィング・エキセントリック・ジョーク』

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荒廃し、地下に住むことになった未来は、ただ絶滅を待つのみだけども、そんなときでもまだお笑いをやってる地下芸人はいたのでしたって話。
地下世界に住む人達の話もたまに書いているのですが、それの一本。
お笑いが好きなので、そのリスペクトも込めた話です。
タイトルはナンバーガールオマージュです。

12.『”ここ” と“終点”の日々』

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noteのゲームメディア『令和ビデオゲームグラウンド・ゼロ』の「両目洞窟人間ビデオゲーム"感応"小説集」という連載で公開した小説。
こちらは『Citizen Sleeper』という2022年のゲームからのインスパイア。
超巨大宇宙ステーション『パシフィック』のスラム街で中華料理屋を営むねこと、その常連客との交流を描いた小説です。
たまにスラム街であったり、治安の悪い地域の話を書いてしまいます。
あと中華料理屋も。
それにこの作品には昭和歌謡が沢山出てきます。

13.『失われたタンゴが聞こえてきたので』

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休日に散歩をしていると思わぬ発見がありますよね。失われたタンゴが聞こえてきたり、美味しい食べ物に出会えたり、献血をしたりなんかして。そんな皆様にもよくある休日の一日を描いた話です。

またもや終始くだらないことしか起きない話。
Dr.ハインリッヒさんの漫才が好きなので、そういう日常ファンタジー系作品が書きたかったやつです。
こちらもナレーターの深田あささんにイベントで朗読していただきました。

14.『ねえ、また三人で喋ろうよ』

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noteのゲームメディア『令和ビデオゲームグラウンド・ゼロ』の「両目洞窟人間ビデオゲーム"感応"小説集」という連載で公開した小説。
こちらは『ファミレスを享受せよ』からのインスパイア。
鬱で休職中の女性が深夜の国道沿いのファミレスで中学の同級生たちと再会し、なんてことない雑談を重ねていくって話です。
また喋るねこが出てきます。

15.『デッドマンズ・ギャラクシー・デイズ』

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軽音部のはぐれ者たちが、ミッシェル・ガン・エレファントの曲を練習する話です。
文化祭で演奏することもなく、ライブハウスに行くわけでもなく、ただ練習するだけの話です。
これも2008年くらいの話です。
いつ、自分が高校生だったとかバレてしまう……。

16.『夜のメロディ』

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喋るねこのにゃんみさんがフジロックの配信に影響を受けて、アコギを買ってみて練習していたら突如幽霊が出てきて大慌てしちゃう、そんなお話です。
サニーデイ・サービスが好きなので、その曲を演奏したりします。


っていう感じで16作品紹介しました。多いですね。
その他にも色んな作品を書き散らしています。
そのどれかでも面白いと思ってくださるものがあれば、これ以上に幸せなことはありません。
それでは。


gachahori.hatenadiary.jp

↑こちらは2021年に書いた自選集。
より初期作品が読みたい方はこちらの記事をどうぞ。

悔しい気持ちがうっすらある

・毎日うっすらと悔しいって気持ちになってる。

 

 

 

・書きたい小説があって、そのためには資料を読まなきゃなんだけども、その資料が分厚くでかい本なので、挫折しそうになってる。

 

・書きたい小説があって、それに関する映画もあるんだけども、家で映画を見るのがすっかり苦手になってしまったし、2〜3本くらいあるからなんか億劫になってる。

 

・書きたい小説があって、それに関するZINEっぽいものをネットで見つけたけども2000円くらいするらしくて二の足を踏んでる。

 

・書きたい小説があって、それに関する動画を観た方がいいって思ったんだけども、全部で5時間くらいあるから、どこまで観たらいいのかわからない。

 

・書きたい小説があって、主人公の一人称を「俺」か「僕」にするかで一週間悩んでいる。

 

・書きたい小説があるなら、一旦資料とか置いて、書き始めた方がいいのかもしれない。

 

 

 

・楽しかった日の後に体調を崩すと最悪な気持ちになる。最悪な気持ちになってる。

 

・週五、フルタイムで働けている人のことを心から尊敬している。

 

・体力が無いってずっと言ってるけども加齢でますます無くなっている。それでも年上にはまだ若いと言われる。この先、もっと年をとったら俺はどうなってしまうんだ。

 

・事務職につきたいと思ってるけども、事務職の仕事がしたいわけではなく、ただ障害者雇用で仕事を探した場合、比較的なんとか入れそうなのが事務職なので頑張ろうとしている。

 

・正直、事務は向いてないと思うけども、かと言って向いてる仕事がなにかわからない。

 

・向いてなくてもいいから、ご飯を食べることができるくらいのお金を稼げるようになりたい。

 

・闇バイトのニュースに他人事じゃないような恐怖を感じる。自分も何かの拍子で実行犯にされてしまうんじゃないかって恐れを感じている。

 

・芸人の九月さんがX(旧Twitter)でやられてる「読むラジオ」で「恋愛しやすい人がいる一方で、その人の魅力が恋愛という拡張子に変換されてない人もいる。だから、恋愛できてないってことは魅力がないってことじゃない(大意)」みたいなことを書いたポストにめちゃ感動してブックマークをつけた。

 

・恋愛という拡張子がないまま34歳になってしまった。寂しいけども、その拡張子がない割には、友達はいる方だと思う。今、繋がってくれてる人、もしくは過去に繋がってて今はそんなでもないけども、年に一回くらいは思い出してくれるような人がいるんだとしたら、その人のためにでも頑張って生きていたいと思った。

 

・とりあえず頑張らなきゃいけないと常々思ってる。

 

・現状維持をしたいけども、現状維持をするには少しは上がり続けなきゃいけないとも思うので、やっぱり頑張らなきゃいけない。

 

・頑張らなきゃいけないって言うけども、頑張ってなかった時もそんななかったなと思う。大きな結果に結びついてないだけで……

 

・でも腐らずにやっていきたい。ともすればすぐ腐りそうなほど、辛いことが多い。けれども幸せなこともある。どちらかといえば幸せな方に目を向けたい。というかそっちに目を向けてないと腐ってしまう。

 

 

 

・歩いていたらシャンパンのコルク栓が肩に当たって痛かった。ちょうど真上のビルの屋上でパーティをしていたらしく、そこで開けられたコルクが肩に当たったようだった。「当たったんですけどー!」って言ったら、大人が二人、私の顔を見て、消えていった。謝られなかった。凄く悔しかったけども、一緒に歩いていた母に当たらなかったのが唯一の救い。

 

・京都国立美術館でやっていた『LOVEファッション』でかっこいい服をたくさん見ることができて幸せだった。特にコムデギャルソンの服が沢山あるゾーンが最高だった。気分が浄化されていった。特に直前に起こったコルク栓が肩に当たったこととか……。

 

・人に嫌われた。

 

・人に嫌われて、めちゃくちゃに辛い気持ちになった日にキングオブコントラブレターズのコント「光」を見て、泣いてたら、涙を流したことで感情が爆発して、膝から崩れ落ちてしまった。

 

・見に行きたかった映画がはちゃめちゃレイトショーでしか上映していない。

 

・1ヶ月半で精神科、眼科、皮膚科、整形外科、歯医者に行った。引くくらいお金が飛んだ。

 

緑内障の初期の初期と言われた。

 

・夏場にビーチサンダルで歩き回っていたら膝を痛めた。秋になっても膝が治らない。

 

・歯医者の定期検診でそこそこのお金が飛んだ。次に行く時はレントゲンを撮るので更に飛びますと言われて、もう行きたくないと思った。

 

・うっすらと胃が痛い。

 

・笑ってしまうくらいの量の薬を毎日飲んでる。

 

・おみくじで凶が出た。

 

・記憶が正しければ、おみくじの1番で大吉を引いた時も「待ち人は来ず」と書いてあった。

 

・親戚の子供に「デブでメガネ」のことをいじられた。

 

・家系的にハゲないと言われていたのに、少しハゲ始めている。

 

・飲み屋で無職なことを言ったら、39歳の男性にうっすらと説教された。

 

・自分のSNSを見返したら、ちゃんと躁と鬱を繰り返していた。

 

 

 

・凄く辛かった日に、小説の感想が届いて心の底から嬉しかった。

 

・「両目さんの小説好きです」と言われて泣いてしまった。

 

・小説を書いてなかったら腐ってたのかなと思う。

 

マヂカルラブリー野田クリスタルがくすぶっていた時、楽屋で野田ゲーを作っていたことが自分にとっての命綱だったと言っていた。

 

・自分にとっての命綱も小説を書くことなのかもしれない。

 

・掴めるうちは掴んでいたい。

 

・それはそれとして悔しい気持ちがうっすらとある。

 

・悔しいから、頑張っていきたい。

 

・腐らずに、一つ一つ、ちゃんと綱を握りながらやっていきたい。