アラン・ムーア原作、エディ・キャンベル作画の『フロム・ヘル』を読み終えた。
この本買ったのが、浪人生の頃で、もう15年近く前のことになる。
その頃『ウォッチメン』にハマっていて、その流れで刊行された『フロム・ヘル』も買ったのだけども、全然読むことができなかった。
それは浪人生で勉強が大変だったからというわけではなく、ものすごく読むにはハードルが高い本だった。
早々に挫折し、いつか読みたいと思う一冊になっていた。
その本をやっと読み終えた。
何度も、チャレンジしては挫折してしまっていたのだけども、15年かかって、先日、突然読み終えることができた。
15年!
大変な年月が過ぎてしまった。
それくらい積んでいた本があなたにもありますでしょうか。
15年かかるって、と思いますが、良いように言えば、読み切るくらいの経験値が15年かかってやっとついていたのかもしれない!
とはいえ、読もうと思えば19歳の頃には読めていたとは思います。でも多分、やっぱ当時は読めなかったと思うんだよなー。
で、遅すぎた読書で『フロム・ヘル』を読んだ感想だけども、凄い本だった。
こんな凄い本あるんだってくらい凄い本だった。
で、同時にこの本のこと1割くらいしか理解していないのだと思う。
切り裂きジャック事件というよく知られている事件を扱いながらも、なんというか、それだけで済まないというか、もっと恐ろしいものを読んだ気がする。
気がするとしかいえない。
何を読まされたのだろうとも思う。
ひたすらに続く魔術的なことを語っている第4章なんて「もう勘弁してください」って気持ちになったし、殺人行為をひたすら描写する第10章は「うわあ……」と引きまくりだったし。
けども、終わってみると世界、そう世界をまるまる詰め込んだ本を読んだという感覚になっている。
世界を読んだ…としかいいようがない。
勿論、世界を本にすることは限りなく難しいことだと思う。
でも、世界というものを本にしたとしたら、それは『フロム・ヘル』の形をしているんじゃないかと思う。
あまりネタバレになることは書けないけども、終盤のあるシーン、ある怒りを表すシーン、このためにこの本はあったんじゃないかと思う。
切り裂きジャック事件という手垢が付きすぎた題材。同時にその手垢で蹂躙されてきた人もいる。
その人達を救済するシーンなんじゃないかと思う。
それができるのは物語で、それを描くにはこれほどまでの大きな物語が必要だったのだと思う。
というわけでやっとこさ『フロム・ヘル』を読みました。
『ウォッチメン』しか読んだことない弟には「より読みづらくなったけども同時に凄くなった『ウォッチメン』」と言って紹介しました。
いや、凄い一冊だと思う。
アラン・ムーア凄かったからこのあと『ネオノミコン』も読んだのですが、そちらもまた凄い一冊でした。
また元気あったら感想書くね。
それじゃあ、ほなほなね。