龍幸伸『ダンダダン』一巻を読んだ!
あらすじ
宇宙人を信じてないヤンキー女子と幽霊を信じてないオタク男子がそれぞれ宇宙人と幽霊に出会って大変なことになります。
感想
心霊、都市伝説、呪い、超能力、UFO……。
オカルトと一口に言っても、実はその守備範囲は結構広い。なのでオカルトもの、とくくったてもとりあげてるのは、そのオカルトの一部分だったりします。
しかしこの『ダンダダン』はそんなオカルトの言葉が指し示す、幅広い要素を全部盛りにし、スピード感ある展開とバトル要素で接着し、ガラの悪さとギャルでトッピングした愉快な漫画なのです!!
読んでる最中何度も「うわー!面白いなー!」と思ってしまうほど、面白いが山盛り。
凄まじいスピード感に圧倒されるし、とにかく色んなことがどんどん起きまくり。一巻の情報量っ!と思っちゃう。
しかしそれでいて、混乱しない。物語の興奮って意味での混乱はあるけども、読みづらさの混乱はない。
テクニカルな漫画だ…!凄い。
読みながら、なんかわかんないけども、悔しい!ってなりました。面白くて悔しい〜。こんな面白いものを作りたいよ。
漫画の超能力表現で有名なものに大友克洋の『童夢』で出てくる"ズン"描写があります。
超能力が出てくるこの『ダンダダン』でもこの"ズン"描写が出てくるのですが、それを使った応用があるのです。
素敵。かなり物理的な"ズン"でもあるんだけどもね。
オカルトというと、やっぱりうさんくさくて、なかなかオカルトを好きって言うのをはばかったりしてしまう。
でも『ダンダダン』にはオカルトに触れた時の、異様さと楽しさがぎゅっと詰まっていて「うわーオカルトってやっぱ楽しい〜!」ってなってしまいました。
『ダンダダン』をきっかけにまたオカルトブームがやってくるかも……。いや、実際ありえるよな、こんなに面白かったら…!
にしても主人公のギャルのガラの悪さが最高。私は数年くらい「ギャルになりてえんすよ…」と言うてるけども、なんだろなガラの悪いギャルになりたいよなーとダンダダンを読んで改めて思った。
でもそれは劇中に出てくる宇宙人や幽霊に出会うよりも難しそう。宇宙人と幽霊はどこかにおるかもしれんけども、ガラの悪いギャルの私はどこにもいないのだ。
というわけでなれないものに、憧れるって意味でもこういうキャラが暴れ回る作品を読むのは楽しいよねーと思うのでした。