にゃんこのいけにえ

両目洞窟人間さんが色々と書き殴ってるブログです。

ほんのりと悲しい

 ほんのりと悲しい。突然ほんのりと悲しくなってしまった。そりゃもう突然のことだった。全く意図せずだ。ふわっと吹いてくる風のように、帰り道に香るカレーの匂いのように、窓から差し込む光の中を踊るほこりのように、ほんのりと悲しくなってしまった。

 特に何があったというわけではない。今日の私はメンタルクリニックに行って、先生と話をして、昼ご飯にハンバーグを食べて、それから小説が書けなくて、本屋に行ってイ・ランの『悲しくてかっこいい人』を買って、保険組合から傷病手当金を貰う書類の不備の連絡があって、汗をいつものようにかいて、ドトールでコーヒーを飲んで、つまりは普通の日を送っている。だけども突然ほんのりと悲しくなってしまった。

 こんな時はどうすればいいだろう?私はいつもどうしたらいいかわからなくて、ただぼんやりとしてしまう。音楽もそれほど楽しくなくて、映画を見る元気もなくて、テレビもただただうるさくて、できることと言えばラジオを聞くくらい。それもコーナーのまとめを聞くぐらいしかできなくなる。もう聞き過ぎて面白いかどうかもわからなくなったコーナーのまとめ。それをただ垂れ流す。

 思えば働いていた頃もよくほんのりと悲しくなることがあった。仕事中にほんのりと悲しくなって、どうしたらいいかわからなくなったことも度々あった。時にはそのまま悲しみに飲み込まれて、がっつりと悲しくなることもあった。

 無職になった今、逃げられるかと思ったけども、そうではないみたいだ。働いていてもいなくてもほんのりと悲しくなるときは悲しくなるのだ。

 私はこのほんのりと悲しくなるのが嫌で人と会おうと思うのかもしれない。もしくは何かに没頭していたいと思うのかもしれない。でも、人と会えない時、何にも没頭できない時、そんなときにほんのりと悲しくなってしまう。そしてどうしようもない気持ちになるのだ。

 ずっと楽しい気持ちでいれたらなと思う。悲しい気持ちになんて一切ならず、ずっとずっと楽しい気持ちでいれたら。でもそんなことは絶対にないんだろう。生きている限り、多分このほんのりと悲しい瞬間はやってくる。理由も、タイミングもわからず、やってくるのだろう。

 これは病気なのだろうか?ほんのり悲しくなってしまうのは病気だからなのだろうか。そうじゃなくて全人類全てが生きていく上で絶対に感じるものだとしたら、なんてシステムに欠陥があるんだ!と憤ってしまいそうだ。

 とにかく私はなんでほんのりと悲しくなってしまうのだろう。どうしたら逃れることができるんだろう。その方法を知っている方がいたら教えてください。私はほんのり悲しくなりたくないのです。

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