にゃんこのいけにえ

両目洞窟人間さんが色々と書き殴ってるブログです。

どてらねこのまち子さん『きょうのにゃんこ』

どてらねこのまち子さん

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"きょうのにゃんこ"

 

 どてらねこのまち子さんは今日のにゃんこに取材されていました。今日のにゃんこは朝の情報番組で流れるねこの動きに密着した1コーナーです。その1コーナーにまち子さんが出ることになったのでした。

 まち子さんはいつも通りアパートを出ます。

「カット!」と監督から声がかかります。

まち子さんは「うみゃみゃみゃみゃ・・・」と嘆きます。

「あのさ、猫なんだから、4足歩行で出てこないとさあ~」と監督は言います。でもまち子さんは二足歩行で歩く猫なのです。そしてどてらを着て、なんなら日本語を喋る猫なのです。それはどだい難しい話でした。

「あの・・・いつも通りって聞いたのですが・・・」

「それがまち子ちゃんのいつも通りなの?」

「はい・・・」

「やらせじゃない?」

「やらせじゃないです・・・」

「じゃあ、OK!」途端にOKになりました。テレビマンとはいい加減なものです。

 そしてまち子さんはいつものように商店街を歩いて行きます。すると、お肉屋さんに話しかけられました。

「あ、お肉屋さん」

「まち子ちゃん、いつものやつよ」とまち子さんはあつあつのコロッケをもらいました。すると「カット!!」と監督から声がかかります。

「うみゃみゃみゃみゃ・・・」

「まち子ちゃん、これ仕込んでない?」

「仕込んでないです・・・」

「あのさ、やらせとか今うるさいんだよね」

「仕込んでないです・・・」

「じゃあ、OK!!」途端にOKになりました。テレビマンとはいい加減なものです。

 まち子さんはそのまま河原に行って、先ほどのコロッケを食べ始めました。商店街から河原に向かっている途中でコロッケはいい感じに冷めていました。それをほくほくと食べていました。

「おいしい・・・」

「カット!!」と監督から声がかかります。

「うみゃみゃみゃみゃ・・・」

「そういえば、まち子ちゃん、ずっと語尾がにゃ、とかみゃじゃないね」

「あの、わたし、あんまり語尾がにゃとかみゃじゃないんですよ・・・」

「仕込んでない?」

「仕込んでないです・・・」

「今、やらせとかうるさいからね!」

「やらせじゃないです・・・」

「じゃあ、OK!!」途端にOKになりました。テレビマンとはいい加減なものです。

するとでした。河から、ざぱーんと巨大な半漁人が現れたのでした。

巨大な半漁人はずしーんずしーんと歩きながら、河原に向かってきます。

「うみゃみゃみゃみゃ・・・逃げなきゃ・・・」

「カット!!」

監督が声を巨大な半漁人にかけます。

「うが?」

「誰よ!巨大な半漁人仕込んだの!?」

監督がスタッフを見回しますが、スタッフは誰もうなずきません。そうです。巨大な半漁人は仕込みでもなんでもありませんでした。巨大な半漁人族はたまに人肉が食べたくなります。それが今日その日でした。

巨大な半漁人は監督を掴みます。監督は「カット!!カット-!カットだって言ってるだろー!」と叫びますが、巨大な半漁人には伝わりません。

そのまま、監督は巨大な半漁人に丸呑みされました。

まち子さんは「うみゃみゃみゃみゃみゃみゃ・・・」と恐れ戦いています。

その顔がドアップのまま、12月17日の今日のにゃんこは終わりました。

その日の放送はクレームの電話がしゃんしゃんとなったそうです。

内容は「やらせじゃないのか」ということでしたが、やらせは一切入ってなかったそうです。なんとも、世知辛い世の中ですね。

僕が今までに見たことのないものを見せてーーー『ANEMONE 交響詩篇エウレカセブンハイエボリューション』を見た!

『ANEMONE 交響詩篇エウレカセブンハイエボリューション』を見た!

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あらすじ

実験部隊「アシッド」が実行する作戦の要として、7年前に父が散った戦場でもある東京に降り立ったアネモネ。そこで彼女は、人類の敵である「7番目のエウレカエウレカセブン」と戦わなければならなかった。エウレカセブンによって追い詰められた人類はアネモネに希望を託すしかなく、アネモネエウレカセブンの内部へと入り込むが・・・(引用元:映画.com)

 

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めちゃくちゃ面白かったー!!!

なんだこれめちゃくちゃ面白かったぞ!とにかく、それをまずは書きたい。もうめちゃくちゃ面白かったのです。もうそれが書けたら充分ってくらい。

しかしまあ、何がどう面白かったって書くのも楽しい作業なので、何がどう面白かったかを書いていこうと思います。しかしこの複雑な物語を全て理解しているわけでもないですし、エウレカはテレビシリーズをちょろっと見て、映画版は一応今のところ全て見ていますが、いわばエウレカ弱者だと思っているのでその辺の立ち位置の人間だと思って頂けると幸いです。つまりのところは物語解説等は全くない感想となってますのでご了承ください。

 


以下、ネタバレも含む感想になってます。

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当初は『ANEMONE』を見に行くつもりではなかったのです。前作に当たるハイエボリューション1を先日見たのですが、これが感想に困る作品でして。序盤のサマーオブラブのシーンやそこで鳴り響くHARDFLOORの音楽、そしてGet It By Your Handsのアレンジと随所に上がるポイントはあったものの、とても変わった総集編の作りというか、入り乱れた時系列や膨大な量の字幕と情報量過多なトリッキーな作りでとても面白い試みをしている作品であることは間違いないのですが、一本の作品として捉えると消化不良というか、判断が困る作品だったのは間違いないと思います。

しかしこのハイエボリューション1は壮大な助走だったことが『ANEMONE』で明かされるというか、『ANEMONE』でハイエボリューション1で描いていたことが全てがらっと変わってしまったというか、もっと言うとTVシリーズやポケットが虹でいっぱいもがらっと変わってしまったというか、なんていうかなんていうか・・・(まだ飲み込めていない部分)

つまりはエウレカセブンというものを「多元宇宙物」として捉え直すというのが、この『ANEMONE』でやろうとしたことみたいなのです。またトリッキーなことをやってるよ!と僕は客席で驚いてしまったのですが、それが効果的になっていたのが、アネモネエウレカセブン内に突入すると画面のフレームが4対3の所謂昔のテレビのサイズに切り替わるのです。そして前回のTVシリーズの映像が使われるわけですが、その作りにめちゃくちゃ感心してしまった。今回登場するアネモネもTV版のアネモネではなく、石井・風花・アネモネになってるわけだけども、TV版のアネモネの戦闘の映像を流用しながら、エウレカセブン内での戦闘であると意味をまた変えて利用しているのです。またいうけども、トリッキーな作りだなあ。

このTV版の映像を再編集しながらも意味を全く変えるというのはポケットが虹でいっぱいやハイエボリューション1でもやっていましたが、今作が一番うまくいっていたのではないでしょうか。

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そのうまくいっていた理由はなんだと考えると、今作のタイトルに戻りたいと思います。

今作のタイトルは「交響詩篇エウレカセブンハイエボリューション2」ではなく『ANEMONE 交響詩篇エウレカセブンハイエボリューション』と意図的に2という言葉を取り除き、そしてタイトルの先頭に立つのは『ANEMONE』であるわけです。

つまりはタイトルからして「アネモネ」の話であること、そして単独としても成立する一本の映画であるとも示唆しているわけです。

冒頭は幼少期のアネモネが街を駆け抜けていくシーンから始まります。(途中軍の扉を開くコードがTRー909で早速テクノ好きの心を揺さぶってくるのが佐藤大脚本のエウレカセブンだなーと思いながら)そして次に描かれるのはお父さんとのエピソードです。アネモネにはお母さんがおらず(死別したことが示唆される)、お父さんと二人暮らししていたことが携帯の映像で映し出されます。(ガリバーの着ぐるみに抱きついて、倒してしまうアネモネがめっちゃ良い)しかし、お父さんも亡くなってしまったことも判明し、次のシーンではアネモネは先ほどのあらすじにもあった作戦に参加しています。

そして早速始まる怪獣映画のような国連軍VSエウレカセブン板野サーカス。そして、そしてですよ!そこに鳴り響く音楽がkagamiさんのTiger Trackなのです!!

Tiger Track

Tiger Track

  • KAGAMI
  • エレクトロニック
  • ¥153

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ここでテンションばり高、最高、感謝。

Tiger Trackといえば、TVシリーズでも流れていた名曲ですけども、まさかここでも流れるなんて思わなかった!!劇場の大音量で聞くkagamiさんのTiger Trackたまんないものがありました。kagamiさんは2010年に亡くなっているのもあるので、ここで聞けるのがまた格別の思いがありました。

そしてアネモネがいよいよエウレカセブン内に入るわけだけども、入った瞬間に出てくるのが、ドミニク!はいきたードミニクきたー!あざます-!

しかし今作のドミニクは人工知能。つまりAIということになっています。それにめちゃくちゃ驚いたね。ドミニクのアシストの元、戦闘をこなしていくアネモネ。そしてついに人類は7年間続いた戦争で初めて勝利をおさめるのです。

 


しかしこの後提示されるのが様々な謎。アネモネエウレカセブンの中で見る青髪の女の子の正体とは?ドミニクの正体とは?そしてそもそもエウレカセブンが東京に現れた理由とは?そしてレントンとは?

様々な謎が矢継ぎ早に提示されていきます。この辺のテンポ感や情報過多な感じがまた最高なのですが、疲れてきたので割愛。とりあえず情報量の多い台詞って最高だよねってことだけは言っておきたい。あと藤原啓治がデューイ・ノヴァク役で復帰しているのも見所の1つ。

で、アネモネは何度も出撃するのですが、その時にドミニクが自分のスマホに入っているコンシェルジュアプリのAIではないことに気がついてしまうのですが、その瞬間、攻撃にあってしまい、ドミニクはアネモネを救うために自爆してしまいます。

 

この瞬間、俺は絶望の淵にたたき落とされたし、そしてエウレカが登場するわけだけども、エウレカエウレカでどうやらレントンが死んでしまった世界を回避するために様々な世界を作り上げているらしく、その過程でアネモネにもお父さんが亡くなった瞬間の世界を見せるのです。そして突きつけるのは「世界かお父さんの命どっちかを選べ」と。

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そして東京には大怪獣が出現。もうどうなっちゃうの~と俺はなっていたら、画面上のアネモネも「どっちを選べばいいかなんてわからない・・・」と泣き叫ぶわけです。そりゃそうだよ!アネモネ元気いっぱいな子とはいえ、子供だよ!その子に世界と最愛の父の命の天秤って重すぎるぜ!

そのとき、アネモネは叫びます。多分、お父さんがアネモネに教えた秘密の暗号を。アネモネが子供の時にお父さんから教えてもらった、どうしようもなくなったときにそれを叫べば駆けつけると教えてくれた秘密の暗号。

その瞬間です。空に扉が出現して、そこから出てきたのはドミニクだ---!!!!

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はい、俺この瞬間、号泣ーーー!!!!ドミニクが現実世界にも現れた瞬間号泣ーーー!!!

正直、理屈とかどうとかわかってないです。

でも、この瞬間、道理を超えた瞬間、つまり超越した瞬間に、もう涙腺はぼろぼろに崩壊してしまいました。

そうなのだよ!どうしようもなくなった時に駆けつけるといったお父さんの言葉は嘘じゃなかったのだ!そして駆けつけたのだ!ドミニクーーー!!!!会いたかったよドミニクーーー!!!!

現れたドミニクはアネモネの呪いを解く。それは同時にお父さんの願いを叶えるもの。

お父さんの願い。それは死ぬ前に最後にアネモネの姿を見たかったというもの。

その瞬間に連れて行き、そしてお父さんにその姿を見せる。

同時に、アネモネは決心する。お父さんの命を救うことではなく、多くの人々が勝ち取ろうとした未来を守ることを。

そして舞台は現実世界にまた戻る。

現れた巨大怪獣との最終決戦のために、またもドアから出てきたのがガリバー・ジ・エンド!!!ガリバーとロボットが合体したような、正直ガメラっぽい見た目の奴が現れた!!そしてこのタイミングで鳴り響くバレエ・メカニック!!!!!!!

またもや涙腺が崩壊ヒアウィゴーアゲイン!!!!!!

正直今回の鑑賞理由がこのバレエ・メカニックでした。バレエ・メカニックといえば坂本龍一未来派野郎というアルバムに収録した名曲中の名曲ですけども、それを今回はやくしまるえつこ砂原良徳がカバー!!!!

そのニュースを聞いた瞬間、まじで叫びそうになった。なんだこの組み合わせは!!!

そしてそれが『ANEMONE』で流れると知って、慌てて見に来たのです。というか見に来るまでの間もずっとやくしまるえつこ砂原良徳版のバレエ・メカニックを聞き続けていた。多分、100回くらいは見るまでに聞いていたと思う。

それでも鳴り響いた瞬間、号泣した。

バレエ・メカニックがここで流れるのはTV版の名作エピソードとして名高い48話のサブタイトルがバレエ・メカニックで・・・とかはどうでもいい!

もう、とにかくここでこれを流すという演出に、そう演出にやられてしまったのだ!

ガリバー・ジ・エンドに乗り込んで、巨大怪獣と戦う。そのBGMがバレエ・メカニック!もうなんと素晴らしい組み合わせなんでしょうか。もうこの瞬間、思わず叫びそうになりました。「俺の好きな物しかない!!!」

放射されるビーム!それを板野サーカスで交わしていくガリバー・ジ・エンド!!鳴り響くやくしまるえつこの歌声!!!そして唸るギターソロ!!!

そして曲が最高潮の瞬間に、ついに決着がつきます。

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でもまだここで終わりじゃない。アネモネは巨大怪獣の中に侵入し、そして見ます。

アネモネが生まれ育った巨大団地の中でたたずむエウレカの姿を。そこはアネモネの記憶を元に作られた世界でした。

アネモネエウレカは対話をします。

「あんたなら救える気がする」とアネモネは言う。

「なんで」と返すエウレカアネモネは「勘よ!勘!」と答えます。その姿は幼き日にお父さんがアネモネに言った姿とそっくりです。

その瞬間、その世界の崩壊が始まります。大量のガリバーによって。巨大団地のあらゆる扉からガリバーが出てきて、世界を食べ始めるのです。(そういえばですが、巨大団地が話の最終局面に出てくるのさすが団地団の佐藤大って感じがする。しかし映画って複合的に作られるものだからここで団地を出そうってなったのは誰の案なのかはわからない)

アネモネは「逃げよう!」と言います。エウレカは「どうやって?」と言いますが「私の記憶で作られた世界なら道は知ってる!」というのです。

そうです。オープニングのあの走るアネモネの姿を思い出します。

あの時は遠く離れるお父さんにさよならを言うために走った道を、アネモネエウレカを連れて走って行きます。その後ろには無数の!というか山ほどのガリバー!!!

駆け抜けて、駆け抜けて、空とか飛んで、ガリバーに追いつかれそうになりながら、走って走って、そして重い扉を開いた瞬間・・・!

 

 

 

アネモネエウレカはなんとか現実世界に戻ることができました。

エウレカはアクペリエンスによって殺してしまったレントンを救うべく、何度も世界を作り直そうとしたと言います。それによって、現実世界(多元宇宙なのでどちらも現実世界ではあるけどもアネモネの目線から見れば)に干渉したというのが真相のようでした。

何度も夢を見た。と言うエウレカに、ここならもう夢を見ずにすむとアネモネは優しく答えます。

そしてレントンが生きている気がすると。

そう観客とアネモネは一瞬見ているのです、泣きながら走って行くレントンを。それは胚エボリューション1のラストのレントンを。その瞬間だけ、フレームが現実世界と同じだったあの映像を。つまりまだ生きている可能性がある。そう知っている。

そのときです。二人は見ます。

巨大な卵を。その割れ目から顔を出すニルヴァーシュの姿を。

そしてそのころ、遠い世界のどこかでアミタドライブを手に空に掲げるレントンの姿がありました。

そしてエンドクレジットへ。

 


果たして、ハイエヴォリューション3は一体どうなるのか!というか今回ハイエボリューションに2がついてなかったのには意味があるのか!3はどんなことが待っているのか!俺はとにかくアネモネには不幸になって欲しくないって気持ちでいっぱいです。

あらすじを追いながらどうのこうの言っている間に5000字超えてしまいました。最近書いた中でも一番の長文になってしまった。しかも読みづらいことこの上ないものを書いたけどもいいのだ!とにかく思いの丈を全部ぶちまけたものが出来上がったからいいのだ!

正直、僕は何度も「今年ベストやんけ」と言っちゃう癖があるのですが、今回も「今年ベストやんけ」と言ってしまいました。いやだって、今年の映画で板野サーカスの後ろにkagamiが流れる映画あった?巨大怪獣とロボットがバトルするシーンにバレエ・メカニックが流れる映画あった?お前、音楽好きなだけじゃねえかと言われたらそれまでですが、音楽と映画が大好きな者としては、これほど幸せな映像体験はなかったんですよ!

正直、賛否がわかれるのもわかるというか、もの凄く癖の強い映画だと思います。

全てのエウレカセブンを全部壊してゼロになれ・・・な作りをしていますし、なんならハイエボリューション1とのつながりもわかったようでわからないですし。

それでもこのエモーショナルさ!そして熱さ!それに僕は完全にやられてしまいました。見終わって1日しか経っていませんが、もう2回目見に行きたいですもの。早くもう一回見たい!近々2回目に行きそうな気しかしていません。

中学生の頃、エウレカセブンに衝撃を受けたわけですけども、それを同じぐらい、いやそれ以上の衝撃がこの作品にはありました。溢れる音楽用語。鳴り響くテクノミュージック。見る快楽のような作画。そしてキャラクター達の魅力。最初も書いたように僕はエウレカ弱者だけども、音楽と映画が好きで本当に良かった。そしてたどり着いた作品が『ANEMONE 交響詩篇エウレカセブンハイエボリューション』で良かったと心から思いました。

2018年いろんなことがあったけども、生きてこの作品にたどり着けて本当に良かったなー!

 


僕にははじめとおわりがあるんだ。こうして長い間を空を見てる。音楽、いつまでも続く音楽。踊っている僕を君は見ている。

―バレエ・メカニック

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本当心の底から大好きな作品!超大好き!!!

 

ゴアは人を救う『シャドー・オブ・ナイト』

 先日、大学時代の友人が東京にやってきたので、久しぶりにご飯を食べた。新宿の西部という喫茶店で食べた。オムライスを食べた。西部のオムライスはとても美味しいのだ。

 

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 で、久しぶりにあったのだ。どれくらい久しぶりなのか、前にあったのは『グリーン・インフェルノ』が公開したときにオールナイト上映を見に行ったぶりくらいで、そのときは『デビルスピーク』と『溶解人間』との三本立てだった。場所は京都のみなみ会館。凄く懐かしいなあ。高橋ヨシキさんと中原昌也さんのトークショーつきだった。僕はうとうとしながら三本見たのだった。そして朝方のマクドで延々とあの映画が見たい~とかそんな話をしたりしたのだった。それ以来、めっちゃ懐かしい。

 で、久しぶりに会って何を話したかと言うと、近況報告もそこそこに野蛮な映画についてだった。血がぶっしゃー!臓物どーん!な映画がいかに素晴らしいかについて延々と話した。それがめちゃくちゃ楽しかった。何年も会ってなかったのにいざ会うと趣味の話が延々とできるのが本当楽しかった。最近は野蛮な映画あんまり見れてなかったけども、友人と話していると野蛮な映画がどんどん見たくなった。

 友人がGEOで借りたDVD10本リストを見せてくれたのだけども、どれも本当に野蛮でもう心から素晴らしいと思った。趣味を貫徹しているのかっこええなあと思ってしまった。

 そんな友人がやってるブログがある。

 「ホラー映画罪人録」って言うんだけども、めっちゃ素晴らしいので、ぜひ一読して欲しい。ホラー映画で死んだ人の人数、どういった殺され方をしたか、そしてその「罪人」をランク付けするという映画ブログの中でも屈指の見方をしていて素晴らしいのだ。ぜひ一読して欲しい。

ホラー映画罪人録

 

 というわけで野蛮な映画を見ようということになりNetflixで配信中の映画『シャドー・オブ・ナイト』を見た。監督はイコ・ウワイス主演のアクション映画『ヘッドショット』を撮ったモー・ブラザーズの片割れティモ・ジャヤント。

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 あらすじは組織の掟を破り、ある少女を救った殺し屋が、組織に命を狙われるというもの。

 あらすじこそ聞いたことあるものであるけども、映像は見たことないというか、近年ここまで過剰なアクション映画はなかなかねえぞ!ってクラスのものだった。

 何がどう過剰かと言うと、もうそりゃゴア描写です。

 ゴア描写がとくにかく凄まじい。血が吹き出るのは当たり前。手首は切断され、足はショットガンで吹き飛び、頭は潰れ、牛骨で胸は突き刺され、誤射で蜂の巣になったりetc・・・と書き切れないほどゴア描写の量!

 血糊はおそらくプール一杯分くらい使っているのではないかというほどで、登場人物はとにかく血を吹き出す。登場人物の中で無傷だった人、ほとんどいないんじゃないだろうか。みんな何かしらどこか吹き出してるか、切断されてる!

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 作られたのがインドネシアで、出演がザ・レイドにも出ていたイコ・ウワイス、ジョー・タスリム、ジュリー・エステルということなので、ザ・レイドを想起してしまうのですが、ティモ・ジャヤント監督はザ・レイドを超えるものを見せてやろうという気概がもの凄いことになってる。

 凝ったカメラワークに必要以上のゴア描写からその気概はめちゃくちゃ伝わってきます。 ただアクションシーンはカットを基本的に長く取っているのもあって、ザ・レイドのようなテンポの良さはそこまで感じず。そういう部分での力量の差みたいなものは感じました。しかし、そんなことは大したことありません。とにかくゴア!ゴア!!ゴア!!!

 ゴアの一点突破で突っ切るアクション映画が今Netflixで全世界に配信されているということがもの凄いわけですよ。

 印象的なのは、血をもの凄い量吹き出し続けていても戦い続ける人々の姿。インドネシア人、タフすぎるだろってくらいまあ血を吹き出しても吹き出しても戦い続ける。

 前半の白眉、主人公の友人達が襲われる下りではそれがもの凄いことになってる。

 「あっこれ死んだな」って思ってからもまだ戦い続ける!血がどばどば吹き出しても戦い続ける。すっごいすっごいすっごいよこれ!

 とにかくこのタフさだけでも、見る価値ありです。ジョン・ウーの『男たちの挽歌』のタフさを思い出しましたもの。登場人物が全員HP制なの?ってくらいタフ。クリティカルダメージを負わない限りは生き続けてるくらいタフ。

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 あとイコ・ウワイスが敵なのも良かったですね。イコ・ウワイスが敵って!個人的にはジャッキーチェンが敵で出てくるくらい絶望感ありますよ!今作もあまりに強すぎて良かった~。

 クライマックスバトルの嫌な痛み表現の数々も見所満載!鉄柱を蹴ってしまうや、画鋲であれしちゃったり、木片であれしちゃうとか正視に耐えられないシーンの連続!

 というわけでR-18は確実なゴア表現が見ることができる『シャドー・オブ・ナイト』。ゴアが苦手という人にはおすすめできませんが、ゴアが大好きな人にはたまんない一作になってます。良かった~。

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 久しぶりに野蛮な映画を見たらちょっと気持ちがすっきりした。ゴアってなぜか気持ちがすっきりする。嫌なゴアも勿論あるのだけども、祭り感があるゴアはやっぱ大好物だなと思った次第。これからも嫌なこと、大変なことあるけども、祭り感のあるゴアを適度に摂取して生きていきたいなと思いました。ゴアは人を救う!

歩みを止めないためにはどうすればいいのだろう?

 歩みを止めないためにはどうすればいいのだろうか。こんな風に文章を書くことも歩みを止めないということになるのだろうか?そんなことを自問自答している。自分の書いているものが少しばかり意味のあるものになればいいと思って毎回書いているけども、果たしてそれが叶っているかどうかわからない。チラシの裏に書いていればいいことをネットに放流しているだけかもしれない。そうなると私のやっていることは全くの無意味ということになる。

 しかしだ。私はこの文章を書くということがどうしても止めることができない。自意識を見せびらかしているだけかもしれないこの行為がどうしても止めることができない。とにかく文章が書きたくて仕方ない。意味のない文章だろうが、それでも文章というものを書いてみたいと思うのだ。

 何度も書いていることだけども、現実の自分の歩みは止まったままだ。休職からの退職。1年と3ヶ月経っても未だに社会復帰できる見込みもない。それでも歩みを止めたくない。歩みを止めたら本当に死んでしまいそうになる。本当に狂ってしまいそうになる。もう半ば狂っているのかもしれない。メンタルクリニック通いだ。半ば狂っているのも同然だ。

 現実世界では歩みは止まったままだけども、ことブログの記事は増えていく。今週の私と称して、あちらこちらに行った話や、最近の悩みを書いたり、短編小説を書いたりしている。これは歩んでいることになるのだろうか?ただ足踏みをしているだけなのだろうか。

 でも、ただの足踏みだとしても、しないよりはましだ。何でもそうだ、しないよりはましだ。もう現実世界の自分は生きているのか死んでいるのかわからないような生活をしている。たまに息継ぎのように幸せが訪れて、後は死んだような生活だ。その幸せをこぼさないように書き記している。そうすることで何かが変わったなんてことない。ブログを書いて人生が変わったなんてことはない。でも、書くしかない。書くしかないのだ。

 

 歩みを止めないためにはどうすればいいのだろう?これまで通り文章を書き散らしていたらいいのだろうか。あいにく情報性の高いものなんて自分には書けない。自分の書いている文章は極私的な世界のものしか書けない。そんな私でも文章を書いていていいのだろうか。

 


 ロロという劇団の『父母姉僕弟君』という舞台を見て、1年になる。もう1年が経ってしまったのかと驚くばかりだけども、凄くいい舞台だったことは頭に残り続けている。

 その中で、台詞があった。ちゃんとは覚えていない。「感じたことを10しかない語彙力で残し続ける。そうすれば世界に感じたことが漂い続けるはずだ」みたいなことだったと思う。自分の記憶力のなさが嫌だ。でも、このことは自分の矜持のようなものになっている。自分の感じたことを10しかない、いやもっと少ないかもしれない、語彙力で、残すのだ。体温を、音を、匂いを、見た物を、感じた物を全て残し続けるのだ。そうしたら、世界にそれは漂い続ける。それは生き続けるということだ。その感情が生き続けるということだ。

 


 歩みを止めないためにはどうすればいいのだろう?もう答えは出ているじゃないか。とにかく書き続けるのだ。感じたことを、体温を、音を、匂いを見た物を、5感で感じたことを書き続けるのだ。それが今の自分の歩みになるはずなのだ。

 


 現実世界での歩みはまだ止まったままだ。でも、書いているこの時間、この空間、そして私は現実の私だ。歩みの止まった状態の現実の私が、なんとか書こうとしている。なんとか書くという行為ではあるけども歩もうとしている。

 書いていたらいつか幸せになるなんて、そんなことはないと思う。でも、私は書くと思う。感じたことを。とにかく1つでも洩らさないように、書こうと思う。

 いつの日か、逗子海岸に行ったことがある。白っぽい景色だった。遠くの方で、波が立っていた。夕日が沈みかけていた。私はそんな風景を見たことがある。そしてそれを感じたことがある。

 昼行バスの休憩で降りたサービスエリアの近くにあった湖に反射するブロックノイズのような陽光の反射を見たことがある。私はそれを感じた。そしてこれをいつか書こうと思ったのだった。

 書くだけじゃなくてもいい。写真でもいい。言葉でもいい。とにかく残したい。自分の感情を残したい。世界に漂わせたい。

 歩みを止めないためには5感をフル回転させて日々を生き抜くことなのだ。そしてそこで感じた物を書き記すことなのだ。そうしたら、歩みは止まらないはず。

 世界に漂わせた私の感情はいつの日か、現実世界の自分の歩みに繋がることを信じて、今は書き続けるしかない。いつの日か、繋がることを信じて。

 とにかく書き続けるしかないのだ。

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バッティングセンターとジョン・レグイザモ

 バッティングセンターに行ってきた。生まれて初めてのバッティングセンターだ!とか言っていたのですが、よくよく思い出すと、高校時代に一度行ったことがあった。でもそのときは一切打てなかったことも思い出した。それ以来なので10年ぶりのバッティングセンターということになる。10年だ。あっという間と言うにはあっという間ではなかったけども、10年なんてものは風が吹くように過ぎていくものなのだと改めて思った。

 というわけでバッティングセンターに行った。場所は歌舞伎町のホテル街を抜けたところにあるやつで、以前から気になっていたところだった。龍が如くにも出てくるのが個人的には印象深い。中学生の頃、ゲームで訪れた場所に大人になってから生身で訪れるのは少々変な感じがした。

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 10年ぶりのバッティングセンター。球速は勿論、一番遅いやつ。金属バットを持って、球が来た瞬間に振ってみる。当たる。しかし球は近くに落ちてバウンドしてどこかへころころ。難しい。

 前日、友人にバッティングセンターに行くからとバットの振り方を教えてもらった。足の動かし方、手の位置、その他諸々。しかし習った通りの動きを今の自分が出来ているかどうかの確証が全く湧かない。

 一緒に来た友人達から「いい感じだよー!」と声がかかる。2球目、3球目と振ってみる。からぶったり、当たっても遠くへは飛ばなかったり。

 球が飛んでくる。バットを振る。かきーんといい音がした。一度だけ球が遠くへ飛んだ。気持ちいい。ボールを遠くへ飛ばすとこんな気持ちよかったんだと思った。

 僕の番は20球で終了。後は友人がバットを振るのを見ていた。

 髪を短くして染めた友人がバットを持つとまるでヤンキーみたいだなと思った。

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 みんな各20球ずつやり終えると、満足してしまったので、それから新大久保まで歩いて行って、サムギョプサルを食べた。その後、喫茶店でだらだらと会話をして解散。

 凄く普通なことしか起こっていないけどもめちゃくちゃいい日だった。

 

 

 

 引っ越しを今現在している。引っ越しと言っても、一階下の部屋に物を運ぶだけなのでひたすら気が向いた時に物を動かしている。初日は本棚を4つ運び、骨がすっかりおれてしまった。あとは服やら、書類やらをとにかく動かしまくっている。

 めんどくさい。しかし引っ越しを決めたのは自分なのでめんどくさいとも言ってられない。やることをやるだけと心に決めながら、物を少し運んでは煙草を吸ってと、休憩時間が相変わらず長い。やる気があるのかないのかわからない引っ越しをひたすらしている。しかし大物はほぼ運んだ。あと残る大物はテレビと机だ。月末までに運び終えればいいと言っていたけども、もう少しでなんとかなりそうだ。そのもう少しをやるのも自分なので、なんとかしなきゃいけないんだろうけども。

 


ジョン・レグイザモサルでもわかる中南米の歴史』を見た。

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Netflixで配信されているジョン・レグイザモの一人芝居だ。当初はオフ・ブロードウェイで上演され、次の年にはオン・ブロードウェイで上演されるようになったという作品であり、トニー賞にもノミネートされたようだ。とはいえ情報の少ない中で調べられたのはこれくらいである。

 内容はいじめっ子にいじめられた我が子のために、中南米の歴史を調べることになった父ジョン・レグイザモの姿を通して、中南米の歴史とそして不器用な父と息子の成長が描かれるというものである。

 ジョン・レグイザモといえば映画ファンなら一度は目にしたことがある役者であることは間違いないと思うのだけども、ジョン・レグイザモってこんなに芸達者な人だったのか!と驚かされる。一人芝居というのもあるけどもジョン・レグイザモ無双だ。とにかくジョン・レグイザモがあれをやってこれをやって歌って踊って父になって子供になる。凄まじい芸達者ぶりだ。

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 そうして語られる中南米の歴史も凄まじい。つまりのところは中南米には様々な物があった。文化があった。歴史があった。しかしそれらは根こそぎ取られてしまった。誰に?海外から来た来訪者によってだ。そして歴史はその来訪者の目線によって書き換えられている。それどころか今、現在も中南米にルーツを持つ人々はアメリカにとっては「他者」扱いされていることをあぶり出すのだ。ジョン・レグイザモはそれに怒る。憤る。

 そして数々の英雄達の名をあげていく。息子に伝えるために。息子に自分のルーツを誇ってもらうために。しかしそれはなかなかうまく行かない。父と息子の対話はなかなかうまくいかない。

 しかしだ。息子も悩むし、父も悩む。その一方で、息子も成長するし父も成長する。

 互いの対話によって、父と息子は成長をするのだ。その姿に僕は泣いてしまった。

 ラスト、真の英雄とは何か?を問いかける。その姿に胸をうたれた。あの壇上であのように宣言できたあの子の姿こそ真の英雄であろうと。

 とてもいい舞台だった。ジョン・レグイザモファンは必見であるし、ジョン・レグイザモを知らない人も一気にファンになってしまうほどだと思う。とにかくチャームが満載なのだ。ジョン・レグイザモ無双を是非とも味わって欲しい。

 にしてもNetflixはこんな作品をぽーんと落としていくから凄まじいと思う。改めて、衣食Netflix住と言っていいほど、素晴らしいコンテンツを持っている配信サービスだと思い知らされた。

 


 近々、やらなきゃいけないことをここに列挙すると、国保への切り替え、ハローワークへ相談、電気ガス水道の手続きや開栓、郵便局へ行って新居に書類が届くように手続き、月曜日は病院、おおっと意外とやらなきゃいけないこと沢山あるな。

 とりあえず日々を頑張っていこうとやっぱり思います。

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