にゃんこのいけにえ

両目洞窟人間さんが色々と書き殴ってるブログです。

歩みを止めないためにはどうすればいいのだろう?

 歩みを止めないためにはどうすればいいのだろうか。こんな風に文章を書くことも歩みを止めないということになるのだろうか?そんなことを自問自答している。自分の書いているものが少しばかり意味のあるものになればいいと思って毎回書いているけども、果たしてそれが叶っているかどうかわからない。チラシの裏に書いていればいいことをネットに放流しているだけかもしれない。そうなると私のやっていることは全くの無意味ということになる。

 しかしだ。私はこの文章を書くということがどうしても止めることができない。自意識を見せびらかしているだけかもしれないこの行為がどうしても止めることができない。とにかく文章が書きたくて仕方ない。意味のない文章だろうが、それでも文章というものを書いてみたいと思うのだ。

 何度も書いていることだけども、現実の自分の歩みは止まったままだ。休職からの退職。1年と3ヶ月経っても未だに社会復帰できる見込みもない。それでも歩みを止めたくない。歩みを止めたら本当に死んでしまいそうになる。本当に狂ってしまいそうになる。もう半ば狂っているのかもしれない。メンタルクリニック通いだ。半ば狂っているのも同然だ。

 現実世界では歩みは止まったままだけども、ことブログの記事は増えていく。今週の私と称して、あちらこちらに行った話や、最近の悩みを書いたり、短編小説を書いたりしている。これは歩んでいることになるのだろうか?ただ足踏みをしているだけなのだろうか。

 でも、ただの足踏みだとしても、しないよりはましだ。何でもそうだ、しないよりはましだ。もう現実世界の自分は生きているのか死んでいるのかわからないような生活をしている。たまに息継ぎのように幸せが訪れて、後は死んだような生活だ。その幸せをこぼさないように書き記している。そうすることで何かが変わったなんてことない。ブログを書いて人生が変わったなんてことはない。でも、書くしかない。書くしかないのだ。

 

 歩みを止めないためにはどうすればいいのだろう?これまで通り文章を書き散らしていたらいいのだろうか。あいにく情報性の高いものなんて自分には書けない。自分の書いている文章は極私的な世界のものしか書けない。そんな私でも文章を書いていていいのだろうか。

 


 ロロという劇団の『父母姉僕弟君』という舞台を見て、1年になる。もう1年が経ってしまったのかと驚くばかりだけども、凄くいい舞台だったことは頭に残り続けている。

 その中で、台詞があった。ちゃんとは覚えていない。「感じたことを10しかない語彙力で残し続ける。そうすれば世界に感じたことが漂い続けるはずだ」みたいなことだったと思う。自分の記憶力のなさが嫌だ。でも、このことは自分の矜持のようなものになっている。自分の感じたことを10しかない、いやもっと少ないかもしれない、語彙力で、残すのだ。体温を、音を、匂いを、見た物を、感じた物を全て残し続けるのだ。そうしたら、世界にそれは漂い続ける。それは生き続けるということだ。その感情が生き続けるということだ。

 


 歩みを止めないためにはどうすればいいのだろう?もう答えは出ているじゃないか。とにかく書き続けるのだ。感じたことを、体温を、音を、匂いを見た物を、5感で感じたことを書き続けるのだ。それが今の自分の歩みになるはずなのだ。

 


 現実世界での歩みはまだ止まったままだ。でも、書いているこの時間、この空間、そして私は現実の私だ。歩みの止まった状態の現実の私が、なんとか書こうとしている。なんとか書くという行為ではあるけども歩もうとしている。

 書いていたらいつか幸せになるなんて、そんなことはないと思う。でも、私は書くと思う。感じたことを。とにかく1つでも洩らさないように、書こうと思う。

 いつの日か、逗子海岸に行ったことがある。白っぽい景色だった。遠くの方で、波が立っていた。夕日が沈みかけていた。私はそんな風景を見たことがある。そしてそれを感じたことがある。

 昼行バスの休憩で降りたサービスエリアの近くにあった湖に反射するブロックノイズのような陽光の反射を見たことがある。私はそれを感じた。そしてこれをいつか書こうと思ったのだった。

 書くだけじゃなくてもいい。写真でもいい。言葉でもいい。とにかく残したい。自分の感情を残したい。世界に漂わせたい。

 歩みを止めないためには5感をフル回転させて日々を生き抜くことなのだ。そしてそこで感じた物を書き記すことなのだ。そうしたら、歩みは止まらないはず。

 世界に漂わせた私の感情はいつの日か、現実世界の自分の歩みに繋がることを信じて、今は書き続けるしかない。いつの日か、繋がることを信じて。

 とにかく書き続けるしかないのだ。

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