にゃんこのいけにえ

両目洞窟人間さんが色々と書き殴ってるブログです。

『スパイダーマン ホームカミング』を見た!

f:id:gachahori:20220202151420j:plain

わー!めっちゃ面白い!
子供と大人の対立が軸の物語というか、子供だから間違うこと、大人だから出来てしまう嫌なこと、大人だからできる責任のこと、そして子供だからできる立ち向かうことと、子供と大人の違いが物語のあらゆる場所で出てくる話でした。
だからそれ故というか子供だからしてしまう、ある意味でのウェットな選択や行為が、敵ヴァルチャーにもたらした影響がエンドクレジット中の映像なんだと思うし、スパイダーマンが親愛なる隣人という「気のいいヤツ」って部分なのかなあと思ったりしました。


私はヒーロー映画における「何故ヒーローはヒーローなのか?」と立ち返る部分が好きだったりしますが、今作では蜘蛛の糸を出せるから、もしくは、あのスーツを着ているからピーター・パーカーはスパイダーマンではないと突きつけた後、びっくりするほど傷めつけられ心身ともにへし折られ、そして映像としても絶望のどん底で、ふと水たまりに写る自分の顔とそれに重なるマスク(それも自作の方!)に自分は自分なのだから、それこそ大いなる力を持つことも含めて、ピーター・パーカーだからスパイダーマンなんだ!と思い、そしてそこで放たれる劇中二度目の「いけースパイダーマン」のセリフにぼろぼろと泣きました。


しかし今作の敵ヴァルチャーの辛みと言ったら。結構な数の大人はヴァルチャーに感情移入でしょ。
というかヴァルチャー視点で、そして描き方を変えたら池井戸潤原作ドラマというか「下町ロケット」というか「下町武器職人」って感じになるやんかと思った。
またヴァルチャーも敵なんだけども「世界をどうこうする」って話になるわけでもなく、復讐であったり人を殺しまくる…みたいな恐ろしい計画があるってわけでもなく、あくまでも生活や仲間を養うために悪いことをしているというのが切なくもありました。
また富める1%なスタークさんへの批評的な視線もあるというか、結局上手くいってるお前ばっかり稼いでるやんか!って下請け業者的な怒りがヴァルチャーにはあってとても好きでした。

同時にあらゆるハラハラドキドキが詰まった今作で、一番恐ろしいシーンが彼女のお父さんに挨拶をし、そして彼女のお父さんと車内で会話をするっていう、ある意味小さなシーンってのがすごいなあ。信号の光がマイケル・キートンの顔を恐ろしく照らす!かっこいいー!本当に怖いことを考えてる時の大人、怖い~!。



にしても友人ネッド最高ですね。3800ピースのデス・スターを作ろう~って言ってきたり、ちゃっかり椅子に座る人ってポジションを掴んだり、友人の秘密を守るために「エロ動画を見ていました」といえる勇気。
そうネッドもまた黄金の魂を持つ人間なんだよ…。蜘蛛の糸を出せなくともヒーローなんだよ。
ネッドといるのも楽しいけども『スーパーバッド 童貞ウォーズ』のようにいつかネッドとも離れる日が描かれるのかな…と後の二作品のことをふと思ったりしました。


PS4の『スパイダーマン』をやってた時に感じてた「思ったよりも攻撃力がないね…まあ蜘蛛の糸やもんね…」が『スパイダーマン ホームカミング』でも沢山あったので大満足です。
むかしみずしな孝之先生が漫画で書いていた「ニューヨークの高層ビルが多いところだからスパイダーマンって活躍できるけども、日本の住宅街だったらしんどそうだよなあ~」って視点が、今作でもあって笑ってしまった。
住宅街や郊外に弱いスパイダーマン。ニューヨークの子で良かったと本当に思うよ。
PS4のゲームでも、徒歩移動の妙な情けなさってあったものねえ。


チャイルディッシュ・ガンビーノっていうかドナルド・クローバーが出てくるとぼけた尋問シーン、完全にドナルド・クローバー劇場で楽しかった。とぼけた会話ととぼけた表情が凄く似合うなあ。ドラマ『アトランタ』もちゃんと見たいな。


あと最後に、これは今更なことをいうんだけども、MJ、お前やったんかい!


www.youtube.com