にゃんこのいけにえ

両目洞窟人間さんが色々と書き殴ってるブログです。

どてらねこのまち子さん『Also sprach Zarathustra』

どてらねこのまち子さん

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"Also sprach Zarathustra"

 

 どてらを着た二本足で歩いてさらに人の言葉を喋る猫のまち子さんは喫茶店に来ておりました。喫茶店と言っても街の小さな喫茶店ではありません。ドトールにです。ドトールに初めてまち子さんがやってきたときは店員さんも驚きましたが、数回まち子さんが通うと店員さんも慣れて今ではまち子さんがやってくるだけで「アイスコーヒーですね」と言ってくれるようになりました。その常連さんのような感じがまち子さんには少し気恥ずかしくもありました。

 まち子さんは「ありがとうございます」と言ってアイスコーヒーを受け取ると(まち子さんは二本足で立っているとは言え、小さな子供くらいのサイズなので、カウンターで受け取るということができないので、店員さんがカウンターを回ってわざわざ持ってきてくれたりします。)とてとてと歩いていつもの席に座ります。それは2階の一番窓際の席です。

 まち子さんは窓から街の風景を見るのが好きでした。ぼんやりと陽の光につつまれながら街の風景を見るのが。窓の外には駅前の広場が見えます。大勢の人々があちらこちらに歩き回り、バスロータリーには定期的にバスがやってきて、タクシーの乗り場には人の列ができたりしていました。

 まち子さんはドトールに本を持ってきていました。哲学書です。猫がこの現代社会に生きるにはどうすべきかというのをまち子さんは真剣に最近は悩んでいました。なので哲学書を持ち歩いて読んでいるのでした。「なるほど・・・なるほど・・・」とときたま感嘆を声に出しながら読んでいますが、本当のところは全く内容は理解できていませんでした。それでも読むのが大事だとまち子さんは思っていました。読んでいたらいつか何かにたどり着ける気がする。その気配はまち子さんは感じ取っていたのです。なので読書は熱心にしていました。

 今日もまち子さんが「なるほど・・・なるほど・・・」と時たま、声を出しながら全く理解は出来ていませんでしたがちゃんと読んでいると、窓の外が騒がしくなっていました。

 なんだろうと思っていると、窓の外から見える駅前の広場に人だかりが出来ていました。

 なんとその日は有名な政治家さんがやってきて演説をする日だったのでした。

 しかしそんなことまち子さんは知りませんでした。なので、人だかりができているなーと思いながら、本を引き続き読んでいました。ときおりずびずびとアイスコーヒーも飲みました。少し氷が溶けたくらいがまち子さんは好きなのです。

 本を読んでいると色々なことをまち子さんはふと考えてしまいます。

 例えば、昔やってしまったふがいないこと(サバ缶を仲間の猫と争ったこと)、嘘をついたとこ(サバ缶なんてないよと仲間の猫に嘘をついたこと)、過去の失敗(サバ缶を沢山ため込んでいたことが仲間の猫にばれたこと)を思い出してはうわーとなったりしました。

 なんであんなことやってしまったんだろうとまち子さんは考え込んでしまいました。

 多分ですが、あの頃は未熟だったのです。まち子さんも今では部屋を借りて1人で住んでいる立派な猫になりましたが、あの頃はまだ実家猫だったのでした。まだ世間知らずで、それ故、横暴なところがあったなと今では思うことができましたが、あの頃は本当そんなところまで考えが至らなかったのです。

 哲学書を読んでいるとほとんどはわからないことだらけです。しかし時々、はっとある頭の中で考えがまとまる瞬間があったりしました。生きる上でこうすればいいのかもしれないということが少しばかりわかったりすることもありました。同時にまた新しい問題が生まれることもありました。

「うみゃみゃみゃみゃみゃ・・・」とまち子さんは頭を悩まします。そうです。生きていくことは沢山の問題と謎にまみれるということなのです。それを認識すればするほど生きづらくなっていきます。だから多くの人は見ないようにします。いろんな方法で見ないようにします。沢山の娯楽があるのには意味があります。それは人生の不条理さから目をそらすためです。

 でもまち子さんのように本を片手にそれに向き合うことは決して無駄ではないはずなのです。そうやって向き合った時間はいつか何かに繋がるはずだと、信じてただ読むべきなのです。

 おっと、地の文である私がついつい語りすぎてしまいました。そろそろ引っ込もうと思います。

 まち子さんはアイスコーヒーSサイズで2~3時間粘ります。ときどき無料の水をくんできて、それを飲みます。それだけで粘ります。お店側からは怒られそうな行為ですが、かわいい猫なので許されています。まち子さんもそのことに気がついています。まち子さんは周りの空気には意外と敏感なのでした。まち子さんはお店が許していることに甘んじていました。なぜならまち子さんはお金がないからです。いつか大金持ちになったら、1時間に1杯はお代わりを頼もうと思っています。そしてその時にはLサイズで頼もうとここに決めていました。まち子さんはそれくらいの優しさは持ち合わせているのでした。

 


 その頃、駅前で政治家武田大山による演説が始まっていました。武田大山の演説はヒートアップしていきます。国民の不満を上手くすくい上げるような熱の入った演説でした。群衆もそれに合わせて「いいぞー!」とやじを飛ばしたり、うなずいたりしました。武田大山の熱が群衆にゆっくりと広まっていきました。

 沢山集まった群衆の中にある1人の男がいました。彼は大きく長いフランスパンを持っていました。フランスパンを抱えたままじっと政治家を見つめていました。

 彼の名前は工藤。普段はタクシー運転手をやっている男でした。彼は現実に絶望していました。工藤はある大企業に勤めていたのですが、そこを3年前にリストラされ、家族にも逃げられ、そして、流れ流れてタクシー運転手をやっていました。彼は報われない現実の腹いせに政治を憎むようになりました。それは最初は軽いネットでの書き込みで終わっていたのですが、日々を積み重ねる内に彼の中で大きな憎悪へと変わっていきました。そのうちに、彼は死んでもいい政治家がいると思うようになりました。国益を妨げる売国奴は死んでしまえと思うようになりました。ある日、ネットをいつものように漁っているとき、密造銃の作り方のページにたどり着きました。それは冗談で作られたページだったのですが、工藤は本気にしました。本当に作ってしまおうと思い立ったのです。工場へ駆け回ったり、自分で加工したりしました。貯金は全て使ってしまいました。それでよかったのです。あの政治家を殺すことができるなら。

 


 まち子さんはお腹が空いてきました。よくよく考えるとお昼ご飯を食べていなかったのです。「うみゃみゃみゃみゃみゃ・・・」。外に出ようかしら、それともまだ残っていようかしら、悩んでいます。ケーキを頼むのもいいかな。いや、ケーキなんて食べたら太ってしまう!と悩んでいます。まち子さんは悩んでいました。しかしお腹はめちゃめちゃ空いています。外はまだ明るいです。本来ならまだ粘る時間です。でも背に腹は代えられませんでした。

 


 政治家武田大山の演説はさらにヒートアップしていきます。しかし工藤の耳には入ってきません。いつ殺すか、それだけを考えていました。密造銃はフランスパンの中に隠してありました。いざとなればフランスパンを割って、中から銃を取り出して、ずどん。

 頭の中で何度もイメージトレーニングを重ねました。工藤は場所取りに少しミスってしまったので、武田大山が演説している場所からは少し離れたところにいました。その上、工藤の前には多くの群衆がいます。その中で、確実に殺すためにはどうすればいいか。それを繰り返し繰り返し考えました。タイミングはいつか。いつ殺ればいいか。いつ。いつ。いつ。

 演説が終盤に入りました。武田大山が大きな声で訴えかけます。「政治には皆さんが参加するのが大事なのです!」もう時間は残されていません。殺すなら今しかない。

 その時でした。

 工藤の足を誰かがつついてきます。

 工藤が足下を見ると、そこにはどてらを着た猫がいました。

 なぜこんなところに猫が。と思っていると猫は喋りました。

 「あの・・・お話を聞いているところすいません・・・その大きなフランスパンってどこで売ってるんですか・・・」

 「はあ?」

 「あ、ごめんなさい・・・わたし、どうしてもお腹が空いてしまって・・・いいフランスパンだと思って・・・うみゃみゃみゃみゃみゃ・・・」

 「いいからどっかいけよ」

 「ごめんなさい・・・」

 猫は去って行きました。

 なんだあいつは。と思っていると、群衆が一斉に拍手をし出しました。畜生。タイミングを逃してしまった。あの猫のせいだ。くそっ。でもやるなら今しかない。工藤が焦ってパンを割ろうとすると、その瞬間また身体を誰かがつつきました。

 またあの猫か。くそっ。なんだってんだよ。

 振り向くと、そこにはスーツを着た男が立っていました。

 スーツの男は微笑みながら「工藤さんですよね」と言いました。

 「・・・はい」

 「公安のものです。そのフランスパンの中身、あっちで見せてもらいましょうか」

 


 武田大山は演説を終えて、黒い車に乗り込みました。武田は汗だくになっていました。

 「先生、お疲れ様です」と秘書がハンカチを渡しながら言います。

 「ああ」武田はハンカチを受け取り、顔を拭きながら、窓の外を見ます。

 手をふる多くの民衆。スモークがかかった窓なので、自分の姿は見えないとわかりつつ、武田は手を振り替えしました。職業病なのです。

 その手をふる民衆の向こうにひょこひょこと歩く小さなどてらを着た猫の姿を武田は見ました。猫はとても悲しそうな顔で歩いていました。ふとその姿が、幼き日の自分を思い出させました。大人に無下にされた日、所在なさげに街をふらついたあの日のことを。 「先生」

 秘書の声に意識が戻りました。

 「うん」

 「次は19時から会食です」

 「わかった」

 車が動き出します。政治家はその間も歩く猫をじっと見ていました。その瞬間でした。 パンと大きな破裂音がしました。

 


 大きな破裂音がした瞬間、人々は一瞬戸惑い、銃声だと把握した瞬間に叫び声をあげながら右往左往と逃げ回りました。

 武田を乗せた車が急発進します。しかし車の列に突っ込んでしまいなかなか動くことが出来ずクラクションを鳴らします。

 血がぼたぼたぼたと地面に流れ落ちます。その血に気がついた人が叫びを上げました。

 割れたフランスパンが地面に落とされています。

 火薬の匂いが漂っています。

「痛いよ、痛いよお」

 工藤が泣き叫んでいます。

 工藤の右手がなくなっていました。地面には密造銃の部品と工藤の指が散乱していました。なくなった手首の先からは止めどなく赤い血があふれ出していました。

 スーツを着た男が銃を工藤に向けています。

 でもその銃口からは煙は出ていません。

 工藤は逮捕されまいと抵抗しフランスパンから密造銃を抜き取り銃をスーツの男に向けたのでした。しかし引き金を弾いた瞬間、暴発したのです。なぜならネットで拾ったような設計図だったからです。さっきも書いたではありませんか。冗談で作ったサイトだったって。

 しかし冗談とはいえ、作り上げたその本物は、結果として工藤の手首を奪いました。工藤は泣き叫びながらへたり込みます。顔色もどんどん悪くなっていきます。赤い血が止めどなく溢れ続けます。

 


 人々が突然逃げ惑い始めたのでまち子さんはそれに揉まれてしまいました。

 「うみゃみゃみゃみゃみゃ・・・!!」なんとか流れに逆らおうとしますが人の流れ川の流れのよう。まち子さんは流れに揉まれ揉まれて気がついた時にはまたあのドトールの前にいました。駅前は人でごった返していて帰れそうにありません。そしてあの銃声のようなもの。あれが解決するまではどうもあちらには戻りたくありません。まち子さんにはそれよりもさっきの言葉が頭の中をぐるぐると回っていたのでした。

「どっかいけよ」

それを思い出すと泣きそうになりました。フランスパンがどこで売っているか知りたかっただけなのに。でもあの人が演説を聞いているのを邪魔したからそれも仕方ないのかな・・・と思いましたが、やっぱり悲しくなりました。

もう一度ドトールに入ろう。そう思って店に入ると「あっ、猫ちゃん!」と店員さんに言われました。

「またアイスコーヒー?」と言われました。まち子さんは頷こうとしましたが少し考え直して「あっそれと・・・このケーキを」とチョコレートミルフィーユを指さしました。空腹が限界だったのと、やっぱりむしゃくしゃしていたのでケーキも食べたくなったのです。もう太ることなんて関係なしでした。

 


 パトカーが一台、二台・・・何台と駅前に集まってきました。工藤の周りにも警察が集まります。その時、とてとてとコーヒーとケーキを運んでいるまち子さんは気がついていませんでしたが、まち子さんがいなかったら工藤の銃は群衆の中で銃が破裂していたかもしれないのです。そうなると吹き飛んだのは工藤の手だけじゃ足りなかったかもしれないのです。まち子さんのやったことには意味はなかったんだよと地の文の私は思います。でも、そんなことはまち子さんは知りません。一生知らないまま生きていくでしょう。多分人生とは、生活とは、そして運命とはそういうものなのです。

 


 まち子さんはまた2階の窓際の席に行きました。ぼんやりと窓から外を見ます。駅前にはパトカーが集まっていました。何台も集まっていて、駅前は騒然としていました。

 まち子さんはチョコレートミルフィーユを突っつきながら、哲学書の続きを読みました。

 するとこんなことが書いてありました。

 「忘却はよりよき前進を生む」

 なんのことかやっぱりわかりませんでしたが、さっきあった嫌なことは忘れようと思いました。そして哲学書の続きを読みました。そのうち、嫌なことはちょっとずつ消えていきました。

 「うみゃみゃみゃみゃみゃ・・・なるほど・・・なるほど・・・」

 

進捗日記 2019年4月3日

昨日買ったコンタクトレンズをつけてみたら、やっぱりもっさり感が半減。いや、もっさりはしているのですが、やっぱり前髪もしゃもしゃに眼鏡の相性の悪さを実感。これから人と会うときはコンタクトレンズをつけていこうと決心する。

 

図書館に行って、シュテファン・ツヴァイクの『昨日の世界』の上下を借りた。

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この本はウェス・アンダーソンが『グランド・ブダペスト・ホテル』を作った時に影響を受けた本だそうだ。映画のラストにもツヴァイクに捧げると出てくる。というわけで公開時から読みたかったのですが、一冊2500円と手が出せなかったのでした。しかし、近隣の図書館にあると知って今回借りたのでした。

お腹が空いていたのでバーミヤンで餃子定食を食べながら読み始める。

仰々しい文体が読みづらいけども、それが書こうとしている時代とマッチしているというか、もう無くなってしまった世界を振り返る文章なのでこの文体じゃないとだめなんだなと思う。

とりあえず背表紙のあらすじ紹介からして凄くかっこいい。

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「それでは語れ、選べ、お前たち回想よ、私にかわって、そして少なくとも私の人生が暗黒のうちに沈む前に、私の人生の映像を見せてくれ!」

こう言ったらなんだけども、凄くアガる文章だ。

ナチズムが支配する前のウィーンで、学生時代を送るツヴァイクさんたちが、そんな大きな時代のうねりも知らずに芸術にどハマりするくだりにめちゃくちゃ共感した。ツヴァイクさんのように教養的なものはなかったけども、高校時代毎日のようにTSUTAYAに行っては立ち読みをしたり、試聴をしたりしていたなってことを思い出してしまった。そしてそれが今の血肉になってることも。しかし当時の学生たちの熱気たるや。今ほど娯楽が少なく情報がないってのもあるけども、詩や文学や哲学や演劇にクラス単位でハマっていくのは憧れの目で見てしまった。

一人の才能あるものが周りの人間を焚きつけること。どハマりしているという熱気が周りを巻き込むことは今も通じることだなあと思った。

今日は100ページほど読んだ。毎日100ページずつ読めば一週間で読み通せるけども、そんな上手くはいかないだろうなあ。とりあえず頑張って読み通そうと思います。

 

ドトールに移動して引き続き読んだりする。

ドトールの近くの駅前広場に石破茂が来ていたらしいけども全くそれは私とは関係ない。

遠くの世界の出来事として、読書に打ち込む。

 

20時半まで読んで今日は帰ることにする。

帰宅中、集団行動のSUPER MUSICを聴く。ポップなアルバムで一聴しただけで耳に残るメロディやフレーズが多くて、真部脩一!!となる。

いいアルバムだと思った。繰り返し聞こうー。

 

SUPER MUSIC (通常盤)

SUPER MUSIC (通常盤)

 

 

 

帰宅後、スクワットを100回(50回+50回)。スクワットを頑張れている自分が好きだし、結構スクワットも楽にできるようになってきた。次の目標は150回。日々ゆっくりでいいから頑張っていこうと思う。(なんか、急に毒にも薬にもならないことを書いているのが恥ずかしくなったことをここに記しておく)

 

母親と電話をする。母に髪の毛が伸びて鬼太郎みたいになってる今の僕の自撮りを送ったら「家から出てない人」「働いていない感が凄い」「アイドルのライブの最前列にいそう」と言われる。およよ。

 

アマゾンのドラマ『ホームカミング』を見ようかと思うけども今日は疲れちゃったのでやめておく。

 

今日は少し憂鬱がひどかった。寒かったからだろうか。日に日に無職なことが辛くなっていく。しかし焦ってはだめだ。ちゃんと日々動けるようになって、そして心の不調を治すのだ。ワンダーホイールゆっくりでいいから回ってくれって感じで日々を生きていきましょう、両目さん。

 

進捗日記 2019年4月2日

アメリカのテレビ局にsyfyってのがあるけども、そこが製作したような微妙にチープな超常現象捜査もののドラマみたいな夢を見た。夢の中で「syfy製作やなあ」となったの、なんか業を感じる。そこそこ面白いストーリーだったけども、目が覚めた瞬間に忘れてしまった。およよ。

 

9時に目がさめる。ぼんやりしつつ、外に出て陽の光を浴びる。

部屋に戻って音楽を聴く。Coaltar of the deepersの『amethyst』という曲に突如ハマってしまい繰り返し聴く。いい曲。

 

Netflixのデス、ラブ&ロボットの『ゴミ捨て場』を見た。生理的に嫌って描写が3DCGで表現されてるので技術の進歩〜となる。ゴミ捨て場のくさそうな匂いや雰囲気が画面越しに漂ってくるのだもの。いい時代になったなあ。

あとぐちゃぐちゃどろどろな暴力描写もあったので、朝見るにはちょうど良かったです。

 

昼頃、コンビニに行って、ペヤングを買った。昨日のTBSラジオの新番組ACTIONで宮藤官九郎ペヤングについて語っていたのを聞いて無性に食べたくなったのだった。で、食べると相変わらず60点くらいの味なんだけども、やっぱなんだろう癖になるな。大学時代からもそもそと食べてるけども、ずっと味に満足した覚えはないんだけども、やっぱり好きだなと思う。

コンビニに行く最中、田村ゆかりのラジオを聴く。ずっとサッカーの応援の遠征に行っていた話をしていた。

 

少しだけ寝てしまう。食べた後に寝るの本当良くないと思いつつやってしまう。

16時ごろ、外に出る。

船橋コンタクトレンズを作る。作るのは2年ぶりだ。2年前にトム・フォードの眼鏡を買ってからは作ってなかったのでした。今髪の毛伸ばしているのもあって、眼鏡だとむさくるしさが倍増するので人と会うときようにコンタクトを作った。まあその前に髪切れよって話だけども、いかんせん無職なので髪の毛は自由だし、まだ伸ばしたいという気持ちがめきょめきょと湧いているのです。

 

待ち時間も含めて2時間ほどかかってやっともらう。そのあとご飯を食べて、本屋に行き『私に天使が舞い降りた!』の1巻と2巻、『波よ聞いてくれ』の6巻を買う。

ドトールに行きそれらの漫画を読む。

『私に天使が舞い降りた!』はアニメ化にあたってこう変えたのかーとか思いながら読む。流れが変わっていたり、整理されていたり、アニメにあたって演出で強くなっていたりと色々なことがわかって面白かった。

波よ聞いてくれ』は相変わらずの面白さ。どんな展開だよ!と思いつつ。そしてセリフのキレの良さに震えつつ。こんなセリフが書けるようになりてえもんですなあ。6巻ラストにうおっ!となる。どうなるんでしょう。

 

ポメラを出すも、先日少し書いた小説を仕上げる元気が湧かず。サリンジャーの『ナインストーリーズ』を読む。今日は『バナナフィッシュ日和』『コネチカットのアンクルウィギリー』『エスキモーとの戦争前夜』を読む。

『バナナフィッシュ日和』は先日も書いたけどももう一度通して読んでやっぱり打ち震える。凄まじい大傑作だと思うけども、どこがどう素晴らしいのかはうまく言えない。あの唐突なラストが好きだけども、少女シビルとの会話が今回はとてもいいと思った。子供特有の要領の得ない会話。それでもバナナフィッシュを見てしまったと嘘をつくところ。でもうーん。少女の目には本当に見えたのかもしれない。でもシーモアは最後のなにかがそれで壊れてしまったのかもしれないんだよなあ…。

コネチカットのアンクルウィギリー』もめちゃくちゃ素晴らしいと思った。主婦と友人の会話から徐々に主婦の精神の弱い部分が明らかになっていくというか…これもまたうまく言えないんだけども、サリンジャーさんは弱っている人を書くのがどうしてこんなに上手いんだろう。これも終盤の行動に思わず「えっ!」となったし、でもわかるような気もした。最後の締めの言葉が素晴らしいと思った。

エスキモーとの戦争前夜』は正直わからなかった……。なんか不快感はすごくある話だなとは思ったけども……。これも面白かったんだけども……。正直意図するところが今のところ掴めてはいない。

 

ナインストーリーズを三つ読んでドトールを後にする。

家に帰る前にスーパーで食材を買う。

家に帰ってから、スクワットを95回(45回+50回)。明日やれたらついに100回到達。

 

お風呂に入って、出てからタバコをふかしたりしながら録画していたロボットパルタの『ピプコのドリームプリンセス』を見てあまりの可愛さに身悶える。ロボットパルタを見ている時間は確実に僕を幸せにしてくれている。

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配信系サービスでなにかを見ようか考えて、アニメでも見ようかと思うが、指が伸びず。

なんとなくアマゾンプライムオリジナルの『ホームカミング』の1話を見たら、これがとんでもない作品だった。

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正直、1話だと話も全く読めてないけども、ファーストショットからめちゃくちゃ切れ味ありまくり。そしてアスペクト比の変化で時系列を変える演出にうおお!と興奮していたのもつかの間、どうやって撮ったの……と心底震えるような長回しがあり大興奮。そして1話ラストの音響演出に持っていかれる。凄まじい演出の数々。

監督はサム・エスメイル。『ミスターロボット』の監督で一躍有名になった人らしい。そちらは未見だけども、これは凄い才能だわ……。

映画が映像で凝った映像で多弁に語るというのが少なくなった気がするのですが、そういうある意味昔的な凝った映像で多弁に語る作家はドラマの方に来ているのかもしれないと思った。といって映画をたくさん見ているわけではないので、凝った映像で多弁に語る映画めっちゃあるぞ!と言われたら何にも言えないのですが……。

 

5月に地元でピクニックをすることになった。楽しみ。

 

 

進捗日記 2019年4月1日

昨晩、当然のように眠れず。

眠れないなら…と思ってラジオを聴き漁ろうとするけども、テンションの高いラジオはしんどくて聴けず。結局いつものように有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMERを聞く。

4時にいつものように朝ごはんを食べて、ぼんやりしているうちにやっと眠りにつく。

 

目がさめると11時半。病院の予約時間が11時半だったので、完全に寝坊。

とりあえず元号が変わるとのことなので、ラジオをつける。

次の元号は『令和』だそうだ。

将来、元号が発表された時何をしていた?って話になった時に私は布団の中にいたと言うしかない。

 

Twitterをだらだら見ると元号大喜利か始まっていてなんか辟易してしまう。

身体も怠くて動かず、結局寝続ける。

ラジオをつけたままにしていたのだけども、寝続けていたせいで全ての放送が途切れ途切れしか聴けず。

 

気がついたら22時40分。ご飯も食べきってしまったのでまた炊く。ご飯を炊く作業は5分くらいなのに億劫で少し時間を開けてからじゃないと作業に取りかかれないのをなんとかしたい。

 

病院に明日は電話をかけて謝らないといけないと思う。やっぱり億劫だ。

あとコンタクトレンズを作りたいと思った。前髪が伸びてきて、メガネだと邪魔になってきたからだ。じゃあ髪を切れよって話だけども、なんとなくまだ伸ばしてみたい気持ちがあるので、じゃあコンタクトを作るか…と認知の歪みが発生している。

 

今日は筋トレもせず。ただただ怠くて寝続ける日だった。土日動き過ぎた。やっぱり動きすぎると翌日しんどいというのは続く。どうしたものか。

 

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進捗日記 2019年3月31日『私に天使が舞い降りた!』

先輩宅で起床。二日酔いでぼろぼろ。

デッド・バイ・デイライトを殺人鬼側でプレイさせてもらう。プレイするのは初めて。でも被害者を見つけて、ハンマーで殴るたびに「うひゃひゃ!」と声が出て逃げ惑うのを追いかけながら「うぉら!!逃げんな!!」と叫んでしまう。暴力性がめっちゃ誘発されてしまった。これはそりゃ売れるわ……。

13時ごろ先輩宅を後にして、中野の喫茶店へ。

その道中、桜が満開で気分が良くなる。

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この季節になるとどうしてもフジファブリックの『桜の季節』を思い出してしまう。桜の季節すぎたら、遠くの街に行くのかい。

 

茶店にこもって、執筆作業。

といいつつ、全く何も進まずTwitterばかりやる。何度か脚本を書こうとするけども、対話がめっちゃ苦手なのだ。面白いセリフの応酬が書けない。というかセリフが書けない。セリフというのが苦手だ。いつも書いていて気持ち悪いのだ。上滑りしている感じ。

というわけで3時間かけて30行くらい書いてボツにする。

 

夕方に遅めの昼ご飯を食べに行って、そのあと中野ブロードウェイに行く。

けど散策する元気はないので古本屋をちらほら見るくらいに抑える。欲しかった本が見つからず。

散策中は中野ブロードウェイということで『上坂すみれのハートをつければ可愛かろう』を聞く。ハートの懺悔室のコーナーの小学一年生シスターを演じたすみぺが可愛かったです。

 

ブックオフにも行く。目当ての本はなかったけどもずっと探していたスティーヴン・キングの『IT』の二巻と四巻を108円のコーナーで見つけたので買った。あとは三巻。そして買ったからには読まないと……。

 

さらにもう一度執筆作業にこもろうとモスバーガーへ。ドリンクだけ注文して、喫煙室でぽちぽちし始めたら、これまでとは違う話が思いついて、書き始めれる。2000字くらいの短編にしようと思ったけども、書いてる最中で全体的に膨らませた方がいい気がしたので、とりあえずラストまでのプロットを作る。あとは全体的に膨らませるだけ。その段階まで持っていって今日は終了。

 

帰りの電車の中で『私に天使が舞い降りた!』の10話を見る。

これまでみゃー姉が可愛い!でもそれ以外はしっくりこないよ!とか言っていた自分を恥じたくなるほどいい回だった。結局、この回をいいと思えたのはここまでの積み重ねがあったからであって、私はその積み重ねによって感動したのだった。なんていうか、自分の小さな自尊心を守るためだけに少しこの作品をけなしていたような言動をとっていた自分が恥ずかしくなった。これからはいいと思ったらちゃんといいと言える、そんな大人になっていきたい。

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名作回だったなあ。

 

家に帰ってから、米を炊き、お風呂に入り、洗濯をする。人間って感じだ。

 

家族と電話。母親の今回のまんぷく評を聞いて笑う。

 

22時、意を決して『私に天使が舞い降りた!』の残り2話を見る。

 

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終わってしまった……。

(画像は喪失感に打ちひしがれる両目洞窟人間のイメージです)

 

そもそもこの『私に天使が舞い降りた!』を見始めた理由はTwitterで流れてきたみゃーねえの妹のひなたが「みゃー姉!」と呼び続ける動画を見たからで、それを見てなかったら見ることはなかったと思う。なんとなくその時に見た「みゃー姉」のビジュアルに少し引っかかるものがあって見ることにしたのだった。

そしたらクリティカルヒット!私はダメな女子というのが凄く好きなのだ!!

どれくらいわたしがダメな女子が好きかといえば日頃から愛を語りすぎて弟からも「ダメな女子とか好きだよね」と言われるほどだし、マイフェイバリット映画は『もらとりあむたま子』だし、初めて書いた脚本の主人公は目の下にクマがあるパーカーを着たダメな女子という、ある意味では筋金入りのダメな女子好きなのだ。えっへん。

 

みゃー姉こと星野みやこはそういう意味では「パーフェクト……」って心のブラックスワンの時のナタリーポートマンが呟くくらい完璧。家にいる時は常に高校ジャージ(大学生なのに)。人見知りで挙動不審。人の目が見れないから片目を髪で隠している。服買うの嫌すぎて私服は地味。ああー!ありがとうございます!!えっす!!えっす!!!

(しかし服を作るのが得意で、お菓子作りも得意といういい面があるのだ!みゃー姉は凄いんだぞ!)

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話の本筋は大学生のみゃー姉が、妹の友達の小学生女児の花ちゃんに一目惚れをしてしまうって話なんですが、ただそこには正直最初は乗れなかったのも事実。

個人的なモラル的にやっぱそれはどうなんだって思ってしまったところもありまして…。ロリとかわかんないし……。

でも、基本話のベースとして、みゃー姉が花ちゃんをどうこうするってことはなく、みゃー姉も自分の気持ちが何なのか気がつかない"もにょっとしたもの"のまま進むのが良かったなあと思った。お菓子で釣って、コスプレをさせたりするというダメな面はあるけども…それ以上のことは求めないというか…なんかその辺のさじ加減の良さは良かったような気がする。

あと過度なセクシー描写があんまりなかったのも嬉しい。なんかセクシー描写みたいなのを見ると男性客に媚びてるみたいで気持ち悪くなってしまう感じがあるんですよね。そういうのが挟み込まれるともう我に返って見れなくなってしまうんだけども、そういうのはないのは良かったです。

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ダメな女子のみやこが毎話毎話ダメなところを披露するのもたまらなかった。なんていうか本当ダメダメなんですよね。外に出て警察に捕まりかけて「お外怖い〜」って泣き出すところや、文化祭で人に酔い吐きそうになってしまって、酔い止めにサングラス姿でガムを噛んだ結果ガラの悪い客みたくなるところとか良かったです。特にコスプレしているところを見られて絶叫するシーン(1話)はめちゃくちゃ笑ってしまった。上田麗奈さんの演技はグリッドマンから認識するようになったけども凄く良いですね…。ラジオもあったのでついつい聞いてしまいました。声優さんはすぐラジオやるから素敵。そして沼。

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ストーリーの頂点は10話で迎えるけども、そのあと2話もある。あとどうするんだと思っていたら最終回は凄かった。なんとAパートは丸々ミュージカル!

正直、ここもね、最初は小学生にこのクオリティの芝居は出来ひんだろとか、この脚本を書いた小学校の先生は百合百合しすぎてどうかしてるぜ…とか、思ってしまったんですよ。はい。すぐリアリティおじさんが顔を出してくるの本当嫌になりますね。でもね、原作はまだ続いてる中、最終回という落としをつけるとなった時に劇中劇という形である種のゴールを見せてくれる展開は泣きそうになってしまったよ!

その上、それまでとは一味違う気合の入った作画や演出の数々に胸が高鳴ってしまった。力を全部注いでいやがる…!

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まさかこんなのが最終回に見れるとは思ってなかったので嬉しい驚きでした。良かったなー!

毎話毎話、なんだかんだ凄く居心地が良かったんですよね。監督は平牧大輔さん。この方の名前は覚えておきたいと思いました。テンポの良さや空気感の良さが疲れた心に本当ちょうどよく沁みました。これが日常系の良さなのか。そうなのか。

ええと色々書きましたが、こういうのって書いても書いても足りないですし、書いても書いても芯を食った感じがしませんね。

でも、読み返したらそんなにこのアニメの魅力を伝えられている気がしないし、なんていうか、なんていうか、もにょっとするな!

めちゃくちゃ書くよりも、ダメな女子好きに『私に天使が舞い降りた!』見てほしい。その一点だけをオススメしてこの感想を終えた方がいい気もする。もうなんか長々と書いて申し訳ない気持ちでいっぱいなんだよー。

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こんな風に長々とした感想を書いてしまうのは喪失感の表れでもあるのでしょう。見ていたこの一週間はとても楽しい一週間でした。二期があったらいいなと心から思います。とりあえず喪失感を埋めるために原作を買おうと思います。

面白いアニメだったなー。

 

今日も日記を書いて寝ようと思ったら『私に天使が舞い降りた!』の感想を長く書き過ぎて3000字を超える。およよ。