にゃんこのいけにえ

両目洞窟人間さんが色々と書き殴ってるブログです。

なんだよこれ!!凄え面白えよー!!!!『ちはやふる 上の句』を見た!!!

ちはやふる 上の句』を見た!

 
ではいつものように映画の話の前に近況報告です。
ここのところ、このブログには書いてるようにメンタル系の病気にかかりまして、ちょっと治ったと思って会社に戻って三日ほど働いたら、金曜日になって起き上がれないほどの身体のだるさと辛さと眩暈とで、休んでしまって、そのことでまたもやメンタルを弱らせてしまった。
 
1日休んでいる間は寝まくって、寝まくって、寝まくって。それでも身体のだるさはとれない。
次の日も昼過ぎまで寝て、これはメンタルを回復せねばならないのでは思って、一人カラオケに行くも歌うのも疲れ果ててしまって、大半の時間をゲロ臭いソファーで横たわってしまいもうだめだわ俺…となる始末。
 
 
そんな中せめて映画は見ようと思い立ち、twitterで評判だし、ということで、『ちはやふる 上の句』を見てきたんですよ。
そしたら、もう…!!!!!
今、見終わって20分後くらいですが、言葉に出来ないくらいの感情の高ぶりに襲われてるんですよ!!!!
うわわわ!!!!!
 
もうね、なんですか、これは!!!
凄えよー!!
凄え面白えよーー!!!!
 
ちはやふるってね、人気な漫画やってのは聞いてたけども、どんなんかってのは一切知ってなかったわけですよ。
そしたら競技カルタの話じゃないですか。
競技カルタ?NHKでよく夕方のニュースでやってるやつ?
それくらいの認識ですよ!
それで見てみたら、なんだこの世界は!!
競技カルタまじアスリート。
織田裕二ですよ、オーマイトレジャーですよ!!
そういうタイプの体育!体!スポーツ!!!
全然知らなかった…知らなかったよ俺!!
 
だからよー、それこそ、本編前に少女漫画原作の予告が沢山流れたけども、どれも甘々な雰囲気で口の中に詰め込んだらすぐにこれは虫歯が出来ちまいますわなーみたいな塩梅なやつが多くて、その一種かとちょっとでも思った俺の首筋に蹴りを一発打ち込みてえよな。
もうそんな映画じゃ全然なかった。
超絶激熱スポ根映画。
つまりよ、今年の映画でいうなれば『クリード』。
これ。
これと双璧。俺の中では双璧成してしまった。
申し訳ねえ。もう双璧成しちまった。
それくらいの作品だと思う。
今はこの作品の強度にやられてる。
とんでもない作品を見せてもらった。
だからね、メンタルもちょっとマシなんですよ。
なんか、映画っていいなあって。素直に思いました。
今の自分のことはさておいて、エンターテイメントは楽しさも教訓も感動も希望もくれるじゃないですか。僕はそれを摂取して生きてる生物なんだなって改めて思ったよ。
 
まあそれはさておいて、ちはやふるって作品まじ面白えな。
主人公の千早がこんなにアホな子だとは思ってなかった。
もう高校生にもなって頭の中にあるのはカルタのことばっかり、カルタ馬鹿なんだけども、その勢いな、周りを巻き込んでいくその勢いな。
演じる広瀬すずもやべえな。広瀬すずが多分人生で一番弾けてる瞬間が詰め込まれまくってる。
この映画という名のほぼほぼ永久保存されるジップロックにこの広瀬すずが詰め込まれてる。
ちはやふるってこんな凄えいい映画で詰め込まれてるの素晴らしすぎるでしょ。素敵すぎるでしょ。やべえ。本当やべえ。
 
で、一人一人よかったー!!!って言ってたらもうキリないんだけども、机くんのことが僕は他人事にように思えなくて。
才能もねえ、上手く立ち振る舞うこともできねえ、現実は残酷に突きつけてくるしよお!そりゃ腐っちまいそうになるよ!!
でも、あいつが改めてチームになる瞬間…!!!
僕はどっばどば目から涙を流してたよ!
そうなんだよ!一人じゃこんな思いをしなくてもすんだ、でも一人じゃこんな景色を見ることはなかったんだよな!!!!
その景色を見せてくれたのは、そうNAKAMAだろ!!!
それに気がつく瞬間、俺も、すいません恥ずかしながらですが、NAKAMA、感じてました。
みんなもそうだよな!
というか下の句は机くん、勝ってほしい。敗戦処理だけしかできねえと思われてるやつが、一矢報いるところ、俺は見てえ。
机くんみたいなやつの輝くところ、俺見てえ…
現実には持ってないやつのほうが大半で、持ってないからって腐ってしまうことのほうが多いけども、映画の中では持ってない奴がそれでも…それでも!と奮い起つ瞬間が見たい!
そしてその瞬間が確かに詰まっていた!!
この映画には詰まっていた!!!
そして泣いた!!!
ぼろぼろに泣いた!!!
もうそんな映画のあら探しなんてできるか?
否!断じて否!!!
もうとにかく大絶賛です。とにかく大絶賛したいです。
日本でこんなクオリティの青春映画が出てきたってことがまず幸せだし、そして何より続編がすぐ見ることができるって状態がまじで幸せすぎ。
映画の興行で前後篇は正直嫌いだけども、これに関しては前後篇というよりも超面白い1、そしてその2がすぐ見る事できるらしいぞ!って感覚!
つまりよ、ターミネーター1を見たその日に、再来週ターミネーター2公開されるで、って言われたらもう歓喜でしょ?おおおお!!!って沸き立つでしょ。それ。それです。
 
もうそういう状態。
心の底から見終わって、誰彼構わず、こんな面白い映画見せてくれてありがとうと言いたくなったのは久しぶり。
ほんまに面白かった。
今のところ今年ベストにしちゃおう。
それくらいよかったー!!!!!
 

―まじで『激突』級の大傑作―『サイレンス』を見た!!!!

『サイレンス』を見た!


「衣食Netflix住」なほど生活にNetflixが侵食されている25歳男性ですが、この度新着に入った瞬間に一部ホラー映画好事家の中で「めちゃくちゃに面白いので必見」と評判になっていた映画『サイレンス』を生活の一部として鑑賞。


これは面白えわ…。確実に本年度ベスト級の映画だわ…。

もうね、面白すぎて身を乗り出して見てしまうことってなかなかないじゃないですか。身を乗り出しましたよ。
「テレビを見るときは離れて見てね!」って散々言われてるのに、どんどんテレビに近づいていく我が身。
もう齧り付き。面白すぎて齧り付き。


とりあえず僕の説明よりまず予告を見よう。それから!まずはそれから!!!


耳が聞こえない!そして喋れない!!
人里離れた森の中でそんな病気を抱えて孤独に暮らす女性作家ミディー。
そんなミディーがある日突然不条理にも殺人鬼に命を狙われることに…。

ミディーが何かをしたというわけでもなく、ただただスポーツ感覚で人殺しを楽しむ殺人鬼に面白で命を突然狙われることになるっておいどんな不条理だよ。
辛すぎるだろ。
しかもこっちは耳が聞こえないんだぞ。
不利だろ。
喋れないんだぞ
不利だろ。


初っ端から圧倒的不利な状況でじわじわと命を狙われるはめに。
しかも相手はミディーの抵抗がすさまじいから命を奪えないんじゃなくて「本気」を出してないだけ。
しかも「死んだほうがましだって思うくらいいたぶってやる」って宣告まで!
おいそんな宣告なんでするんだよ…なんでそんな胸糞わるい宣告するんだよ…。
ってかなんでそんなに本気なんだよ…なんで殺しに来るんだよ…わけわかんねえよ…
もしかして…こいつ…病気のこどもために「女いたぶって殺してきたら明日の手術受けてくれるかい?」なんて約束したのかな?
だから宣言したのかな…
なんて優しいバックグラウンドなんて全然ありませんでした。こいつはただの快楽殺人者でした。ありがとうございますー!
あとこいつがこれまで何人殺してきたかってわかるシーンのスマートさとそれに伴う背筋がぞっとする感覚な。
まじかって思わず声が出た。
というか全編ほぼ声出っぱなし。
何かにつけては「あっ!」とか「痛っ!」とか「うわー!」「やばいやばい!」とか
もうそんなふうに声を思わず出しちゃうってのは物凄くこの監督さんの演出が巧みなんだろうな…
監督はマイク・フラナガンさん。
過去には『オキュラス/怨霊鏡』って作品を撮ってこれまた物凄く面白かったそう。
全編一軒家だけ、しかも主人公は喋ることができない。
そんな縛りの中、巧みに練り上げた脚本と、上質な映像での語り口にもうやられっぱなし。
マイク・フラナガン監督すっごく出世するんじゃない。
こんなの撮れる監督だったらどんな娯楽映画でも任せられそうな気がする。
全編びっくりするくらいキレキレで、語り口もシャープで…
ちょっと前だったらみんな大騒ぎするくらいの傑作だと思うのですがどうなんでしょうか。
僕は見ながらスピルバーグの『激突』を思い出していました。
80分(この上映時間のタイトさも最高!)のうち状況説明はたった10分であとはひたすらに行き詰まる攻防戦ってのも激突っぽい。
しかもこちらはたった一軒家だけですよ。
登場人物だって声だけの人を入れても5人以下。もうね、そんだけでこんな面白え作品作れんのかと。
もう俺はひたすらに驚嘆。
凄すぎるでしょ。
すごすぎでしょ・・・・


とネタバレ無しでもここまで書いちゃうくらい面白かったの、まだ見てないって人はNetflixへGO。2016年を代表する傑作の一本だぞこれは。



とあとはネタバレあれでつらつら書きたいから、ネタバレ読みたくないって人は帰るか、目を潰すか、「あれこれ模様かな…でもじっと見ると…あ!文字が浮かび上がってきた!!!これが…3D…」って昔タイプの3Dを楽しんでくれ…


というわけでつらつらと
・無音の会社ロゴからのタイトル『HUSH』ドーン!!しかも意味とは正反対の大音量始まり。もうこの時点で心わしづかみ。
・一面見渡すかぎりの森。それをすぅーっと降りた先の舞台になる一軒家。陸の孤島っぷりをたった開始10秒で説明しきる語り口の良さ!!
・その後のご飯の準備→隣人との会話で嫌味なく状況説明、そして伏線を次々と貼っていく手際の良さ!!もう!!凄え凄えよ!!!
・そしてそこから最初の殺人シーン。これが主人公の耳が聞こえないというのを上手く使ったシーン。
・彼女の方はミディーが耳が聞こえないために殺されてしまい、後の彼氏の方はミディーが出した音を聞いてしまったために殺されるという嫌な展開も素晴らしい
・そこからのiPhoneの使い方。携帯電話が出てきたせいでミステリーは作りづらくなったみたいな話があるけども、もしかしたらホラーってより怖く作れるようになったんじゃない?ってこのへんのシーンを見ながら思った。リアルタイムを上手くホラーに落とし込められたダメだって!
・そしてついに殺人犯と遭遇。もうここからの緊張感の上がり方な。
iPhoneは取られて、ブレーカーが落とされてしまったせいでWi-Fiがつながらなくなってしまって外と連絡手段が無くなってしまったっていうのも上手いなー
・「顔は見てないから見逃して」というミディーに対して、進んで顔を見せる殺人犯!!!これフレッシュな描写だったよね。あーこいつ積極的に殺しに来てるやんって思ったもんね。積極的に殺しに来られたらそりゃあかんてー負けるってー。
・それからの攻防戦の数々。両者共々一進一退な活躍を見せるのがもうハラハラ。
・思いの外どんどん傷を負っていく主人公にビビる。ここまで主人公を傷つけていくか…。
・隣人の彼氏が殺される前に発した「走れ」って言葉にしたがって走る姿、しかしすぐに捕まり頭を潰される描写に思わず「えっ!?どういうこと…!」と思っていたら、序盤の伏線回収きたー!!!!!
・複数のエンディングを考えるという主人公の設定、そして喋ることができないという主人公が唯一発する声!!それが!!!ここって!!!
・そして大事な部分は手話で言うわけですよ。それこそ「自分の声」つまり自分の意志。僕はここで座っていたソファーから立ち上がりました。
・それからのさらなる攻防戦。まさか手を潰されるなんて!まだ追い込むか!!
・バスルームでは「これバッドエンドか…」って思ったけども、ここで聴覚以外の”感覚”で気がつく演出最高…
・そして最後の最後!走馬灯。耳が聞こえないミディーが強く聞こえる音が鼓動って!!ああ!!と思っていたら最後の最後に!!!!!
・ワイン開けるやつで首刺してからの血の吹き出し方、素晴らしかったですね。あの鼓動に合わせた吹き出し方、エモかったですね…
・そして全てが終わったと悟る顔。
・もう僕も生き抜いた…とミディーさんと同じ顔をしてましたよ…


というわけで物凄い映画だったなと、めちゃくちゃおもしろかったなと!!
こんな映画が普通にNetflixでぽーんと公開ってどうかしてる世の中…いや素晴らしい世界ですよ!!
いやー地球にうまれてよかったー!そして森の中で殺人鬼に追われる生活じゃなくてよかったー!

『ウィンター・オン・ファイヤー ウクライナ、自由への闘い』を見た

『ウィンター・オン・ファイヤー ウクライナ、自由への闘い』をNetflixで見た。


相変わらず休んでおります。体力も一時期に比べればだいぶ戻ってきたのですが、それでもまだまだ本調子じゃないので、映画館にも行けない。
僕のあまりの惨状に母が実家から来てくれまして、助けられっぱなしな今日このごろです。
とりあえず当面の目標はぼろぼろな生活を立て直すこと。
そして自分本位な生き方になること。
これまで誰かに自分の本位を託すような生き方しかできてなかった。
「これからは誰かのためなんて思わなくていいから。自分勝手に生きていい」
そう母に言われて、肩の荷がぼろんと降りた気がします。
やっと楽になりました。
まあ、ここからはぼちぼちできることからやっていきたいと思います。
ゆっくり頑張ります。


と映画から全然関係ないことですが、リハビリブログです。いつでもリハビリしている気がしますが、生き方が下手なのよ。仕方ないのよ。

というわけで家でぼちぼちしているので今日もNetflix
今回見たのはエフゲニー・アフィネフスキー監督による2013年~2014年にウクライナで起こった革命を描いたドキュメンタリー『ウィンター・オン・ファイヤー ウクライナ、自由への闘い』です。

僕はちょっとニュースに弱いので、このドキュメンタリーのあらすじを上手く説明できる気がしないので、あらすじは映画ドットコムから引っ張ってきましょう。
こちらになります


2013年にウクライナで発生した学生デモが大規模な公民権運動へと発展した93日間の様子をとらえ、第88回アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門にノミネートされたNetflix製ドキュメンタリー。13年11月、欧州連合協定の調印を見送ったヤヌコービチ大統領に抗議するため、キエフの独立広場でデモが発生した。当初は学生たちを中心とした平和的なデモだったが、治安部隊が武力をもって押さえつけようとしたことから衝突が激化。参加者の数は瞬く間に膨れ上がり、暴力が暴力を呼ぶ過激な革命へと変貌していく。多くの人々の命が失われたこの革命の過程を克明に描き、自由を求めて闘う人々の姿を映し出していく。


こういう映画です。さすが映画ドットコム、しっかりした解説文だなあ…。


とはいえ、この解説文を読んだら堅苦しい映画に思われそうですね。違いますよ!全然違いますよ!
『孤高の遠吠』のキャッチコピーを引用させてもらうならばこれこそ『観客強制参加型』映画です。
それも90日以上にも及ぶ革命の現場に。

ではここで予告編をどうぞ。


ウィンター・オン・ファイヤー ウクライナ 自由への闘い - A Netflix Documentary [HD]

この予告の作り!!!
この予告を見た時クローバーフィールドの予告を思い出してしまいました。多分作り手も意識してると思うのです。
僕は映画に刺激的で見たことな瞬間を求めています。
そういう意味では不謹慎ですがこの映画にはそれが詰まっていそうだと思いました。
そしてその期待は外れていませんでした。自分が思っていた以上に。


「デモのドキュメンタリーなんだろうなー」って思って見始めたら、序盤から内戦状態になってるウクライナ
おいおいどうしたんだよ…って思ったら話は90日前に戻る…って面白い映画の語り口やないかい。
とまあ、構成がまじでこの映画秀逸。
恐らくそのフッテージを見続けるだけで残りの人生が終わっちゃほどの膨大な映像素材を、整理し、関係者にインタビューを行い、極東に住む私のような「ウクライナ?デモ?そんなことよりもお茶碗にくっついたごはん粒、固くなっちゃって取れないんだけど」ってな奴にも、「おいおい、こんなfacebookで呼びかけるぐらいの小さな規模から始まったのかよ…おいおいどんどん規模でかくなってるじゃねえかよ…おいまじかよ…そりゃ革命願うだろ…」ってな具合にどんどん理解し入れ込むような作りにしたこの作り手達、めちゃ凄い。
めちゃ凄いで言えば、見たこと無い映像のオンパレードだった。というよりこんなことが2014年に起こっていたのかと驚愕するような出来事ばかり。
デモ参加者を鉄製の警棒でしばきあげる警官。火炎瓶の作り方をインタビューで応えるストリートチルドレン。いとも簡単に実弾でデモ参加者を狙い始める警官隊。街中で燃やされるタイヤ。1200年から鳴らされていなかった鐘を政府への抗議のために一斉にならす教会。カメラの前で撃たれ、息絶える人。救護所になっている労働組合の建物に火が点けられ大勢の人が亡くなったこと。政府がデモ鎮圧のために、刑務所から出てきたチンピラたちを金で雇ったこと。そして彼らが組織化され、実際にデモ参加者をしばきあげている映像。人がわんさか集まってるバリケードに装甲車が突っ込んでいく瞬間。そしてその突っ込んだ装甲車に投げ込まれる火炎瓶。
と劇中で起こったことをなんとなく上げていくだけでえげつないことが起こるドキュメンタリーだってことはなんとなく伝わると思います。
デモ、デモと言っているのですが、徐々に「これ内戦やん…もう内戦やん…」となっちゃう。
なぜそこまでして普通の市民は政府に抵抗してんだ…って思うけども、それもちゃんと応える。
後の世代に自由な世界を見せてあげたいからだと応える。
もうね自由を求めるわ、そりゃ自由を求めるわ。そりゃ命投げ出すわ。
後の世代に必要なものって自由だよな。そうだよな。
ってわけわかんないなりに俺も気持ち高ぶってしまった。


ニュースに疎いので、この人々の行動が一体どうなんのか、全くわかんないままに見ていた。
これ全滅エンドあるんじゃねえのか…って思ってたら、なんと現政権を打ち倒すことについに成功。おーまじかよ!
喜ぶ人々の姿にぐっ…とこみ上げるものがありました。
しかしその一方でエンド・クレジット前の字幕で、この革命で亡くなった人の数、そして”行方不明”になった人の数。
そして全てが全て「めでたしめでたし」で終わらなかった現実も知らされてどよーんとした気持ちに。
この現実ってやつは、にしても問題がぁ多いんでござんすねえ…と落語家口調で一言言いたくなりましたよ!


とまあ、相変わらずとりとめもない感想でしたが、小さな学生デモが革命に変わっていく瞬間。そして内戦へ様変わりする様。そんな体験ができる唯一無二のドキュメンタリーでした。
個人的にはポール・グリーングラス監督の1972年の血の日曜日を映画化した大傑作『ブラディ・サンデー』を思い出しました。
日常が非日常に様変わりする恐怖が味わえる恐ろしい映画でしたが、このドキュメンタリーももう非日常に様変わりする恐怖で一杯一杯でした。

あと感想を探してたらドキュメンタリーなのにマイケル・ベイ映画やスピルバーグ映画と比べる感想も出てきたのですが、それも納得のバトルシーンで満載の映画。
本当とりとめのない感想で申し訳ない。
でもNetflix加入者は必見な作品。
凄かったよ!!

虎影を見た。

『虎影』を見ました。

去年公開された時に観に行きたかったのですが、社会人一年目で体力が無く結局見に行けなかった映画だったのですが、このたびNetflixに入ったということでついつい見始めたらあっという間の90分。たのしかったー!
何度も言ってるけどもNetflixなんでもあるな。画質もBlu-rayで見ているようだし、操作もスムーズ。本当ストレスフル。サービス開始になった去年の9月から比べてみても作品数も格段に増えたし、始めるならば今じゃないでしょうかNetflix
Netflixの回し者みたいになってしまいました。虎影の話をしましょう。
虎影が見たいなーと思ったのはこの予告を見たからです。


映画「虎影」予告編

うおーめっちゃ面白そうやん!ってなっちゃいますよね。これ本当よく出来てる予告編。
もうね、本編は全然違うテイストなんですよ。びっくりしちゃった。
予告編だと硬派なアクション映画っぽいけども、本編は全く違います。
どういう作品かといえば、どっちかといえばコメディよりなエンタメごった煮映画というか…
要するに思っている異常にゆるいです。

「虎影」ってタイトルで想像が付く人もいるかと思いますが、これって結局「赤影」的な忍者ものの流れなのかもしれない。
というわけで今流行りのリアルで泥臭いアクションとは正反対のケレン味たっぷりアクション映画。
その上制作陣が思いついた「エンタメ要素」をとにかくぶち込みまくり、その上低予算ゆえのチープさも加わって、なんといいますかまあ素敵な塩梅の映画になってるのですよ。
つまり「流行りの映画もわかる!俺たちが使える予算の規模だってわかってる!でも関係ねえ!とにかく楽しませてえ!観客をとにかく楽しませてえんだ!!」って気持ちがあふれた映画なんですよ!
本当は表現した壮大な世界観があるんだと思いますが、それをやるには予算が足りない。
ならば変なポルトガル人を出してそいつに説明させよう!
そして世界観の説明は影絵でやろう!
とあらゆる部分で一見突飛に思える演出をやってるんですけども、その一方でアクション部分は一切手を抜かなかったり、凝りに凝った特殊造形を出したりと芯になる部分には恐れずにお金を使ったり凝ったりしているため「低予算なんで許してくだせえねえ…」みたいな甘えはなかったりするんですよ。それどころか見終わる頃には「まあ、ちゃんとしたエンタメを見たわ-」と気分になる映画でした。
まあ、変な映画なんですけども。
例えば、竹で作られたパワードスーツで戦う斎藤工とか、二人組のくのいちが突然背中を合わせたと思ったら人間手裏剣だ!って回転しながら戦いを挑んできたりとか…
イノシシのギリースーツに見を包んで「ブヒブヒ」と泣き声を出しながら側転を交えつつこっそり潜入する斎藤工とか…
そういうシーンってこれまでの人生で一度も見たこと無いじゃないですか、
そういうのが見ること出来ただけでいいなあって思えるんですよね。


あとね、今回まじで最高だったのが芳賀優里亜さん。映画での役柄もかっこよくて素晴らしいんですけどもそれ以上の部分の話。
芳賀優里亜さん、僕この作品を見るまで存じあげなかったんですけども、すいませんどストライクでした・・・
もうこんなにどストライクな人がこの世界にいたんだってその事実だけで生きていけるな。夢ある…

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赤影オマージュなラスト、そして虎影が今後戦ったであろう敵の姿が絵巻物で出てくるわけだけども、どれもこれも超気になる。ぜひ映像化してほしい。
つづく!とラストで出たのはまあギャグな面もあるとおもうけども、ぜひ実現してほしい。
そう思うくらいには僕はこの映画に惚れ込んでしまいました。
楽しいって思える映画に出会えたらそれだけ幸せですよ。楽しかったー。

イップ・マン序章を見た。

『イップマン序章』を見ました。Netflixで。なんでもあるねNetflix。やっとみたよ。Netflixで配信されたからやっと見たよ。
というのも私は今現在ちょっとメンタルの方をプリズン・ブレイクしてしまって、メンタルの方がファイナルシーズン間近だってことで会社から数日でございますが「すこしおやすみなさない」とちょっとばかし休みを頂いたのですよ。
まあなんでメンタルプリズンブレイクしてしまったかは、まあさておき、意外と疲れって蓄積しちゃうんだよってことだけは伝えたい。
そんだけです。強く生きていくのなんて難しいから、ちょっとだけでもぼちぼちにでも生きていきたいですね。

というわけでそんな時間を使ってイップマン序章を見ました。
前から見たかったのですよ。
やっと見たんですよ。
主演がドニー・イェンで。宇宙最強の男ですよ。
そんなドニーさんが登場するなり、まあ極度の紳士。おう、素敵なダンディズムあふれる気品Theマンじゃねえか。と
しかもそんな男が最強なわけですわ。
最強ですよ。
最強って言ってもよくわかんねえじゃないですか。
指先1つでダウンさ~っていうくらい強くてやっとわかるっていうか。
映像で最強を見せるには「最強」ってのを実際に映像にしなきゃいけないわけですよ。
それをね見事に映像化してみせたのが監督ウィルソン・ウィップと主演のドニー・イェン、そしてアクション監督のサモ・ハン・キンポー
わあなんと豪華な布陣なんでしょうか。このまま、小さな国ならば占拠できるんじゃないでしょうか。
ウィルソン・ウィップといえば大傑作「SPL」とその精神的続編の「導火線」でドニー・イェンとは組んでるし、サモハンは言わずもがなのカンフースターでありながらウィルソン・ウィップとは「SPL」でも組んでいたので、この『イップマン序章』はある種アベンジャーズって言っちゃっていいよね。
アベンジャーズなんですよ。すげえ奴らが集まったらアベンジャーズなんですよ。
というわけでそんなアベンジャーズで映画化した今作はイップマンの生涯の一部分なわけだけども、イップマンでなんじゃらほいと、何をした人なんだろうねと思ってたら、映画の最後の最後に「彼の弟子にはブルース・リーがいた…」と言っちゃって、あらそんな凄え偉人の映画だったのかよとエンドクレジット前に驚嘆するという作りになっちゃったりなんかして。
まあ、後世の武術、そして今僕が見ているこのアクション映画に多大な影響を与えた人物の半生を描いた映画こそがこの「イップマン序章」なわけです。
じゃあブルース・リーに影響を与えたってどんだけ強いんだよって思いのあなた。全て見せてくれます。
とにかく印象に残るのは目にも止まらなぬ速さのパンチパンチパンチ。
ではここでVTRを見てもらいましょうね。こんな感じです


Ip man VS 10 (while playing A day to Remember 2nd sucks)


やだ…超強いじゃん…

でもこんなに強いイップマンさんですが、本人の精神性は全く武闘派ではなく、なんなら穏便に済ませたいなあ…と思っているのですが、あまりに強すぎるために災厄の方から「イップマンってやつはどこだー!」ってやってくるのです。
イップ・マン氏いちいちそれに対応するんだよ…強すぎるのも大変だよね…。
イップマン序章ではそんなイップマン最大の敵になるのが日本軍。
イップマンが住んでいた町をめちゃくちゃにし、友人達を殺し、誇りを踏みにじられた時、あの温厚だったイップマンもついに怒っちゃう。
この映画にイップマンと日本軍の橋渡しになる通訳のおじさんがいるんだけども、この人が本当可哀想でね…
この人は生きるために同胞からは裏切りと思われても仕方ない行為をするわけです。
それを恥ずかしくないのかと言われた時に
「食わせるために必死なんだ!ワタシハチュウゴクジンダ!(片言の日本語)」で言うわけです。
なんか歴史のうねりに翻弄された時、僕は多分この通訳の人のような生き方をするんだろうなって。
食うため、大切な人を食わせるためにはこのひとのような生き方を選んでしまうんだろうなって。
でもその時に片言で言った「ワタシハチュウゴクジンダ」が苦々しく聞こえました。

まあ話がずれました。
イップマンは結局日本軍人と戦うはめになるわけですけどもここすんごい面白かった。
なぜ今勝っているかがロジカルに説明されている作品が好きなんですけども、それ以上にイップマン氏のそれまで積み重なってきたものが今披露されている…これは…集大成…となる戦いっぷりに目から涙が。そして握る拳。

イップマンは劇中己から感情を爆発させることがない分、エモーショナルが直結した熱い作品というよりは、静かにでも内側では感情がマグマのように煮えたぎっていてそれがある点、ある点で爆発している。それを共に味わえるような一作でした。