にゃんこのいけにえ

両目洞窟人間さんが色々と書き殴ってるブログです。

『劇場版ほんとにあった!呪いのビデオ109』を見た。

『ほんとにあった!呪いのビデオ109』を見た。

 

f:id:gachahori:20241128191808j:image

 

菊池宣秀さんが復活しての109巻、そして劇場版ということで、この辺りはアフター6ジャンクション2でのBASE BALL BEAR小出祐介さんの解説を聞いてください。

 

私自身は『ほんとにあった!呪いのビデオ』(以下、ほん呪)は弱者も弱者であるので、ほぼシリーズ門外漢からの一感想として捉えてもらえれば幸い。

そんでネタバレありですし、厳しい感想になってるので読みたくない人は避けてください。

 

 

 

正直今回の109だけども、個人的には微妙であった。

全体を通した禍々しい雰囲気は好きだった。開始早々の事故の映像から、お面をつけた人々の映像、口寄せの儀式とわくわくする要素が沢山あった。

しかし、どうしても、あの家に入ってからの展開は「無理」があるとしか思えなかった。

「ほん呪」はかなりリアリティラインが高い心霊ドキュメンタリーだからってのが悪い意味で制約となっていた気がする。

上手く言えないんだけども取材班側にしても対象者側にしても「そんな行動を取る?」というのが結構気になってしまった。

一度離れた家に何度も入る展開も無理があった。

もちろんあの女の子に呼び出されて…というのはあるけども、いわば敵の総本山に一度入って、出ていって、また入るは、ちょっと難しいんじゃないかって思ってしまった。

 

これは自分の理解力の問題でもあるけども、一ノ瀬マキさんは冒頭の事故の結局生き残ったお母さんってことだったんだよね?

それっぽい人が出てきたし、事故の話もしてるし、けどもそうじゃないんだろうな…と思っていたらやっぱりそうだったって展開、そんでその情報の開示もスムーズじゃなくて、余計に混乱してしまった。

で、これは『ほん呪』の作風の弊害でもあるのだけども、録音がよくなくて、何を言ってるかわからない部分が多い上に「ピー音」が多いから、結局今なんの話をしてるんだ?って瞬間が終盤になればなるほど増えたのも困った。

 

そんで、あの宗教団体(正確には宗教団体じゃないんだけども宗教団体ってさせてください)って結局何をしたかったのかがよくわからなかった。

特にあの教祖(正確には教祖じゃないんだけども、仮に教祖とさせてください)の襲ってきそうでなかなか襲ってこない感じもよくわかんなかったし、ラバーマスクの男とか一体なんだったの?という気持ち。

もちろん意味がわからない気持ち悪さって絶対あると思うんだけども、意味がわからないが怖さを上回ってる瞬間が何度かあった。

今、この時こそ、中村義洋ナレーションの使い所だろうと、ほん呪だからできることってそうだろう、とか思ってしまった。

教祖がやりたかったことは新たな「よろしろ」を欲していたってのが多分最後の展開を見る限りそういうことなんだろうと思うけども、ならばラストはもっと突き落として欲しかった。

振り返って「あれ、最悪じゃない?」ってなって、その後味の悪さ良かったのですが、もっと絶望したかった。

それこそ菊池さんだと67〜69巻の『禁忌』の後味の悪さが印象的だったので、最後あんなさらっと中身の変わった一ノ瀬マキさんを見送るんじゃなくて、もっと突き落としてほしい。

それこそ、今の見送ったオチでも、映像流したあとでも、一瞬スタッフルームが「えっ?じゃあ…」みたいなところ入れてほしい。

個人的、個人的っすよ、もちろん個人的なんだけども、ある程度の導線を敷かれた上で絶望したかったなーと思いました。

 

好きだったところはあまりreplay演出がなかったのが、怖かったですね。さらっと気持ち悪い映像が流れていくのが良かった。

ただこのほん呪的じゃない説明のなさがいい方に転がってる時と悪い方に転がってる時があったなーとは思います。

 

でも、映画館でほん呪を見れたっていうスペシャル感はめっちゃあったなと思う。

で、そのスペシャル感を出そうとしてるんだなとも思った。

ただ、上手く噛み合ってないのかも…と思ったりもした。

あの家に入っての展開も、もっと怖くなりそうというか、それこそ『禁忌』みたいなスリリングと禍々しさがありそうなのだけども、今何起きてるの?って瞬間がいちいちかき消してくるというか……

一ノ瀬マキさんが苦しんでる時間は記憶を刺激されてたから?それとも、呪術的なこと?それもわからなくてしんどかった。

あと、紹介制の口寄せ回なんだから、紹介してくれた人を置いて行ったらだめだろう。

あんな山奥で、どうやって帰るんだあの人。

 

一ノ瀬マキさんのキャラクターとか良かったんですけどもね。

あの思わずイジメを止めに入るところとか。

それこそGoproをずっとつけてるからこそのカメラアングルの違いや編集は面白いものがありました。

だからこそ、惜しいなーって気持ちに何度もなったのよー。

 

劇場版としても「55」と「100」には並ばなかったなーとは思う。

けども、全体的な重たさとか本当好きなんだけども…でもなーという印象。

 

『ほんとにあった!呪いのビデオ』続くか続かないかわからないそうですけども、結構この後こういう道もあるかもって指し示してる作品ではあったと思うので、どんどん作ってほしいなとは思った。

またほん呪が観ていきたいと思ったし、また映画館でかかるなら絶対に観にいきたいです。

 

 

f:id:gachahori:20241128195224j:image

とりあえず菊池さん、相変わらずビジュは爆発してました。