みなさんご存知のように、人間の中心部には夢を作るための原子炉のようなものがあるわけですが、それがメルトダウンしてしまった。
一瞬にして漏れ出る夢に包まれてしまった私は、夢の過剰摂取(ドリーム・オーヴァードーズ)で倒れてしまった。
夢の中で現実は次々と歪んでいった。
全ての直線は曲線に。
全ての鉄は粘土に。
夜は朝になり、朝は夕方になり、夕方は南極になった。
ペンギンたちが列を作って歩いている。
商店街に向かっているのだ。
商店街の肉屋はウィンドウに車のエンジンを並べている。
「全て揚げたてだよ!」と肉屋の店主の美輪明宏が叫んでいる。
ペンギンたちは肉屋のウィンドウに並べられた揚げたてのエンジンを買い込んで、その場で組み立て始めた。
そうして出来上がったのがF1(フォーミュラー1)。
そこに乗り込むミハエル・シューマッハ。
ペンギンたちが無い親指を立てる。
そしてミハエル・シューマッハは走り出した。
栄光を、その手に勝ち取るために。