起きているのか、寝ているのかさっぱりわからない。
霧が立ち込めている中を歩いているようだ、と思っていたら本当に霧が立ち込めていた。
前も後ろも右も左も白い闇。
身体の動きで、体がどちらを向いているのかはわかる。でも、私がどこを向いているのかはわからない。
霧の中を歩いてみる。こけて、怪我をするのは嫌なので、恐る恐る歩く。
それでもどこにもたどり着かないし、どこにもいけない。
とりあえずその辺で座って霧が晴れるのを待ってみたが、それでもなかなか霧は晴れてこない。
せめてどこに座っているか確かめようと、そこを触って、なにかをわかろうとした。
いつも寝ている布団だった。