「ジャンゴ繋がれざる者」見ました。
ウンニャカニャカニャカ、ウンニャカニャカニャカ(イッツペイバック!)
Unchained (full version) - James Brown/2Pac ...
公開される度にフワッフワッ!ってアガる映画監督、僕にとってその監督がクエンティン・タランティーノです。
中学生の時に見たパルプ・フィクション、レザボア・ドッグスにやられて以来ずっと追っかけている監督。
キル・ビルはR-15という壁に阻まれて公開時に見れなかったけども「イングロリアス・バスターズ」そして「グラインドハウス」はタマフル映画祭で見て、今作はなんとかギリギリに見に行くことができました。セーフ。
ジャンゴ最高でしたよ。
最高な映画ってもうずっと見ている間、にやにやが止まらない笑
何が最高か。ちょっと考えて見たいと思います。
1,会話こそタランティーノのアクションシーン。
もう、これにつきますよね。 イングロリアス・バスターズぐらいからタランティーノの会話がより重層化したなあと感じていたのですがジャンゴではそれがより強化されているような気がしました。
三時間近くある作品の9.5割は誰かが何かを話しているんじゃないかってくらい会話でみっちり詰まっています。
これまでの作品のようなムダ話は少なめ、どちらかといえばずっと緊張感のある会話が続きます。
緊張感をより強める要因になっているのが主人公ジャンゴが行う「演じる」という行為。
その演技がバレるかバレないかのサスペンス、まるで「イングロリアス・バスターズ」を凝縮したかのような展開にハラハラドキドキ。
また「会話」というのは技術であり、伝承されるもの・・・という側面も今回ありそこがまたアガるんですよね。
2、アクションシーンのかっこ良さに惚れろ!
ジャンゴはアクション映画ですが、アクションシーン自体はそれほどありません。しかし、数少ないアクションシーンのかっこ良さがやばすぎなんですね。
特にクライマックス直前の屋敷での銃撃戦。
銃弾と血しぶきが飛びかう地獄絵図の中、ジャンゴが銃をつかんだその瞬間にここであの一番最初に貼ったジェームス・ブラウンと2パックの音楽がかかるわけですよ!
テーテレレレーテレレレーテレレレレー!ウンニャカニャカニャカホンニャカ!ウンニャカニャカニャカホンニャカ!
もうタランティーノ監督それ大興奮やわ!!!!!
このシーンで言えば銃で撃たれまくって体がボロ雑巾のようになる人々の姿も最高でしたし、何より銃弾が体に刺さりボコっと吹き出す血糊も最高でした。
血糊のあの吹き出し方、新しかったなあ。ちょっとフェティッシュですらあった。
3、癖のあるキャラクターにやられろ!
タランティーノ映画といえば癖のあるキャラクターですが、今回も健在であります。
前作のラング大佐を演じていたクリストフ・ヴァルツが今回シュルツ医師というキャラクターを演じています。
この男がとんでもなくええやつなんですよ。
純真無垢という意味でのええやつではなく、限りなく現代の価値観から見たら異常な世界である南部アメリカにおいての唯一の良心として自ら機能し続けるその姿がかっこよすぎなんです。
あくまでも良心、そして一歩離れたクールな目線を保っていたこのシュルツ医師が、ある光景に心を痛め、そしてある決断を下すシーンには鳥肌ガン立ち。
人にはどうしても我慢がならねえ!ってなる時あるよね!
長渕 剛 / 絆 -KIZUNA- PV - YouTube
↑我慢がなってない人の歌。(エクスペンダブルズ日本版主題歌)
そしてなんと言ってもジャンゴのかっこ良さですよ。
ジャンゴはずっと奴隷として扱われていたため、まともな教育を受けたことないわけです。
そんなジャンゴに教育(学術的な意味でも賞金稼ぎという生き方という意味でも)するのがシュルツ医師。
中盤のトレーニングシーンがまさかあれに繋がるとは!
銃という武器、そして言葉という武器を持った男は女房を救うために這いずりまわる。目に怒りを宿し!銃を放てジャンゴ!
そしてラストシーン!
文字通り、奴隷制度を木っ端微塵にしたジャンゴそしてタランティーノ監督に俺は劇場で周りに誰もいないことをいいことにガッツポーズしてしまいしたよ。
人種差別をする奴は自分を糞だと思ってねえ糞野郎だ!
まあ折しもこの国でもいろいろレイシズムが声を大きくしていますし、日本人に足りない人種差別問題意識に火をつける意味でもいい映画なんじゃないでしょうか。
全然関係ないですがイルリメさんとECDさんのこの曲にぐっときましたよ。
The Bridge 反レイシズムRemix ECDILLREME - YouTube
役者陣はサミュエルL・ジャクソンは最高だったなー。パルプ・フィクションでのあの役柄的な説教演技ばかりあの映画以降求められていたように思えますがサミュエルL・ジャクソンってこんな引き出しがあったんだ!って驚くような素晴らしいキャラクターを演じきっています。
ディカプリオも良かったですね。エセ科学をにやにやしながら言う所とか!こいつヤな奴!って思いましたもの。
後名も知らぬ俳優陣の方々のいかにも南部顔なところも最高でした。あの面構え!
ゲーム「レッド・デッド・リデンプション」が大好きな私としましては、あのゲームの世界観に入り込んだようでそれだけでわくわくしましたし、もっと言えばそのゲームが元にしていたマカロニウエスタンの名作「続・夕陽のガンマン」を見終わった直後に連想しました。
あの映画の持っている長尺故の長旅の終わりのような感覚をこのジャンゴからも味わったのでした。
まあそんなことはいいですよ!
とにかく超かっこええ映像!超かっこええ音楽!そして超かっこええキャラクター!
餃子の王将で有り金全部使い果たしてしまうような粗悪な贅沢がこの映画に詰まっています。
最高にかっこええ映画でした!もうそろそろ公開も終わっていくかと思いますが、是非とも必見な映画です!オススメ!