11時ごろに目を覚ますも、疲れ果てていて、全く身体が動かず、横になり続けるだけの動物になっていた。
今週はほぼ5日間外に出ていたのだけども、水木金と気落ちしていたのもあったり、疲れていたのもあってその清算のような時間を過ごす。
当然のようにテレビも映画も見る気になれなかったので、有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMERの過去回を延々と流したりしながら眠り続けた。
夕方になり、そろそろ出なきゃいけないって時間になっても身体が動かず。
しんどくて結局、完全に遅刻という時間になってやっと身体が動く始末。およよ。
遅刻しているものの、期日前投票には行く。
移動中、アンソニー・ボーデインの『キッチン・コンフィデンシャル』を読み終える。
物凄く面白かった!シェフによるレストラン内幕ノンフィクションだけども、勢いのある文体や信じられないようなエピソードはまるで死体の出てこない犯罪小説のよう!
出版当時かなり話題になったという「月曜日に魚料理を食べない方がいい理由」や癖が強すぎるドラッグ漬けの仲間たちといったショッキングな告白も勿論面白いけども、この本の最大の白眉は『シェフの1日』という一章だと思う。
シェフのめまぐるしい1日がアクセルをベタ踏みしたようなとてつもないスピード感がある文体で描かれていく!
次々と作られていく料理に、飛び交う怒号、そして続発するトラブルはまるで戦場かのようであり、僕は心底「こえ〜」となったけども、その一方でなんて魅力的な世界なんだろうと思ったのも事実。
アンソニー・ボーデインさん自身「この世界を愛している」と言っているように、ショッキングな内幕話が数多く出てくるけども、レストラン業界への恨み言はほぼ一切ないと言っていい。読み終わった後にこみ上げるのはアンソニーさんは本当にシェフという仕事が、レストランという業界が、そして食というものが好きなんだなということだ。
アンソニー・ボーデインさん自身はこの本の出版後、大きく環境が変わった。この本がベストセラーになり、自身のテレビ番組を持つようになった。キッチン・コンフィデンシャル後も本をいくつか出版した。それも全米ではベストセラーになったそうだ。変わり種としてはアメコミ『Get JIRO』というのがあって、これは日本でも話題になった。
作家としてそしてタレントとしても大成功を収めたアンソニー・ボーデインさんだったが、2018年、突如として自殺してしまう。
その理由は依然として謎に包まれている。
この本を読む限り、アンソニー・ボーデインさんが自殺を選ぶなんてとてもじゃないが思えなかった。しかし、やはり人にはその人にしかわからない地獄があるのだろう。
本のいいところは、その人が亡くなったとしても、本としては生き続けることだ。
アンソニー・ボーデインさんの思想や信条、そして食への愛はこの本の中で生き続ける。
この本を通して、その業界へ進んだ人もいるそうだ。たしかにそれもそうだろうなと思わせる力がこの本にはある。
食に興味がなくても、レストランの内幕に興味がなくて、一度手にとってほしい本だ。
なぜならばとにかく面白い本だからだ。
その理由だけで人に勧める理由としては充分だと思うのです。
友達と南阿佐ヶ谷でお酒を飲む。
がぶがぶ飲んだ結果、泥酔。
久しぶりに泥酔。
生きていたらこんな日もあるよねと、思いながら気がついたら人のベッドを占領して寝ていた。およよ。
泥酔状態で撮った、悟りを開いたキャラメンルコーンです。