朝まで寝たぞー!な感覚とともに起きたら2時間しか寝てなかった。そんなことってありませんか。そんなことがありました。
2時に目が覚めて、それもぎんぎんに目が覚めて、寝られないなーとなったので『村上春樹 雑文集』を読み始める。
すると面白いのでするすると読んでしまい気がついたら朝の8時。読み切ってしまった…。
文章や文体を声とするならば、村上春樹のそれはめちゃくちゃ声の良いラジオパーソナリティって感じで、『雑文集』は言うなればその声の良いラジオパーソナリティによるめちゃくちゃ面白いフリートーク集って趣のものであった。
ゲストとのトーク回もあれば、論評をする回もありゃ、変な小話をする回もあれば、小説について真摯に語る回もある。それが饒舌に、そしていやらしくのない語り口で、すらすらと語られる。まるでラジオを聴いてるような心地よさが満ちた本で、だからどんどん読めたし、気がついたら朝になっていたのだと思う。
とても好きな本だった。また眠れない夜に読み返したい、というか聞き返したい本だった。
8時を過ぎても眠れないので、もう少しで読み終わりそうだったシュテファン・ツヴァイクの『昨日の世界』を読み始めたらこちらは仰々しい語り口なのでカロリーにやられてやっと眠気が。
寝る。すると昨日の世界がちょうど国を追われるユダヤ人のあたりを読んでいたのもあって、国を追われるユダヤ人の夢を見てしまった、1時間で飛び起きてしまった。
結局、眠らないので読み進めることに。そうしてるうちに読み終わってしまった。
というわけでシュテファン・ツヴァイクの『昨日の世界』ですが、めちゃくちゃ凄い本だった。
19世紀末から始まるある作家の回顧録なんだけども、それはそのままヨーロッパの回顧録でもある。つまりは第一次世界大戦と第二次世界大戦によってこの世から消え去ってしまった『昨日の世界』についての回顧録だ。
華やかで教養主義で文化に満ちたヨーロッパの世界が上巻の9割を使って語られる。読んでいる方もうきうきするような描写に満ちてる。
しかし、突如と始まった第一次世界大戦によってその世界は消え去る。
そしてヒトラーの台頭。
少しだけでも生き延びようとしていた文化の芽すらも、刈り取られていく…。
この本に影響を受けて作られた映画がウェス・アンダーソンの『グランド・ブダペスト・ホテル』だ。
華やかな世界が一転する感覚はたしかにこの小説に影響を受けていると思った。急転直下に全てが消え去るその感覚に読み終わった後、しばらく呆然としてしまったほどだ。
街で読んでいたら、ふらふらと彷徨っていたに違いない。グランド・ブダペスト・ホテルを見終わった直後がそうであったように。
現状、手に入りづらい本であるけども、とてつもない凄い本であった。本当におすすめ。
気がついたら昼。
外に出て、ブックオフへ。空前の村上春樹ブームが来ているので『ねじまき鳥クロニクル』の全3巻を買う。108円コーナーで全て手に入ってほくほく。
読みながら移動。100ページほど読んだけども、まだ謎謎謎。でもめちゃくちゃ面白い。
中目黒に着いて、ドトールへ。
別に上演する予定があるわけでもない脚本を書く。最初は悩むけどもビーチボーイズを聴いていたらふとはじめのセリフが思いつき、それから結構すらすらと、そして楽しく書けた。
会話がすらすらと出てきて気持ち良い。しかし、まだこれがどういうことを語りたいのかが漠然としている。5000字書いたけどもまだ見えてきそうで見えてこない。あー!これが書きたかったのかー!となりたいし、なってほしい。
とりあえず5000字で止める。明日も書く。
18時前に友人と合流。ご飯を食べて、スタバに行き、それから目黒川の花見をした。
しかしだいぶ、葉桜。桜の季節は過ぎてしまったみたいだった。しかし、要所要所ですごく綺麗な瞬間があったりして、来てよかったと思う。
その後、目黒から品川まで歩く。延々とくだらないことを喋ったりする。くだらないことを喋ってる間が本当幸せだなー。
髪型を褒められて嬉しかった。結構気に入ってる髪型なのです。
- 作者: シュテファンツヴァイク,原田義人
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 1999/03/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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