にゃんこのいけにえ

映画と音楽と本を中心にいろいろと。

父は今、手術中。

 1月9日の13時20分。ただいま病院の家族待合室でぼんやりしている。少し先の手術室では父が手術の真っ最中で、私と母はとにかく待合室で待つしか無い。待合室の壁にはテレビがかけられていて、TBSのひるおび!が延々と流れている。母は待っている間にレースのハンカチを作り終えて、私は海外ドラマを見始めて、途中で飽きて見るのを止めてしまった。

 

 朝5時50分に起きて、色々身支度をして、8時には病院について父親を見舞った。父親は腰に鈍痛があるとかどうとか延々と話していた。めんどくさかったので私はずっと変な顔をし続けていた。28歳男性なのだが、親の前で落ち着くということができやしない。病院の窓から川と街が一望できた。結露で曇ったその窓に指で大きく「HELP」と書いた。やっぱり落ち着くことができやしない。

 

 9時には父を「がんばえ~」と送り出して、それからずっと待ってる。多分4時間も何にも言ってこないということは腹を開いて、切除の段階に移っているのだと思う。母は「何も言ってこないということは、切除できるということだと思う」と言って安心していた。昼にはそぼろご飯とチキン南蛮を食べた。食べたら眠くなって寝てしまった。いびきをかきすぎて母に起こされてしまった。

 

 落ち着かないので1時間に1回煙草を吸いに行く。病院の敷地の外、近くの河川敷のベンチに置かれた鍋が灰皿代わりのようなので、そこに吸い殻を捨てていく。なんとなく銘柄を前吸っていたメビウスのメンソールのアップルカプセルが入っているやつに戻した。吸い始めに吸っていたやつだからか、なんとなく懐かしい味がした。匂いが記憶に訴えかけるというのは本当なんだろうなと思った。煙草を1時間に1回吸いに行き過ぎるせいで、結構歩いている。昼の段階で7000歩近く歩いていることがわかった。

 

 時間通りに手術が進めば16時には終わるそうだ。あと3時間くらい。父は今どんな状態なんだろうかと思う。見てられない姿になっているだろうから早く終わってあげて欲しいと思う。

 

 待合室にノンタンが置いてあったので読んでみる。表紙だけ見て、ノンタンが風船ガムを食べ過ぎる話だと思い出せた。ノンタンに思い入れなかったはずだけども、幼少期に読んでいたものの記憶力は馬鹿にならないなと思った。ノンタンは風船ガムを間違って飲み込んでしまって、空高く飛んでしまうのだった。ほわほわほわわと。

 

 現実感が無い。私は近くにいるけども全く現実感がないなと思う。手術室の近くの部屋を通りがかったら、遠くの方に大量の輸血パックがあって「おおっ」と思ってしまった。それすらもなんか小道具みたいで、全てが全てリアリティがないなと思ってしまう。よくない傾向だなと思う。

 


 昨日の夜中3時くらいに目が覚めて、寝ぼけながらコロッケを食べてしまったことを今思い出した。多分こんなことをしているから太ってしまうのだろう。父にも「ぱんぱんやんけ」と言われてしまった。でぶーんと太っている。二階堂くんみたいだ。羽海野チカの、3月のライオンの。

 


 TLを眺めていたら、山手線を徒歩で一周したという人がいて素直にうらやましいなと思ってしまった。そういうことをやらなきゃだめだなと思った。身体をはる企画を自分で立ち上げてやらなきゃいけないなと思う。何がいけないかはわからないけども、身体を動かすことをしなきゃ煮詰まってばかりだと思ってしまう。

 


 というわけでこの手術が終わったら、もちろんうまくいったら、身体をうごかそうと思う。どこどこ行くかなんて決めてないけども、思う存分というか、嫌になるほど歩いてみたい気持ちでいっぱい。多分後悔しそうだけども。

 

 なので、とりあえずは手術の成功を祈るしかない。現実感があんまりもてないけども、現実ではそれほど離れていない場所で父は手術中なのだ。祈るしかない。祈るしかできない。

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