私の私の彼は左利き~と歌ったのは麻丘めぐみであったか。そんなことはどうでもよくて、私の彼も彼女もいないの27歳男性は右利きである。前回の記事で希望を強く抱いた27歳男性はそんな希望はどこへやら、この二日間ほどは強く眠ってしまっていた。
それはもう延々に次ぐ延々である。何もする気がおきず、何のフィクションも摂取する元気もしくは集中力がないので、とにかくやっていたことといえば有吉弘行のサンデーナイトドリーマーのネタコーナーをYouTubeで流しながら寝続けると言う行為のみであった。
不毛ではないか。
しかしながら身体が動かないことには仕方ない。不毛なことしかできないのだ。何の集中力も起きず、わき上がる元気もないとなれば眠り続けるほかないのだ。
途中、かの先人はどのように不毛な時間を過ごしていたかを気になり部屋に転がっていた『中原昌也作業日誌2004→2007』を少しばかり読んだ。
すると中原昌也氏は不毛な時間を過ごしているように思えて、あちこち買い物に行き、そしてライブやトークショーをこなしていたのであった。
私はそんな元気もなかった。傷病手当金が入ってくるまで、植物のように過ごそうと思い立ったが、ここまで植物のようになるとは思っていなかった。
今日はウェス・アンダーソン監督の『犬ヶ島』を見に行こうと思っていた。しかし、身体がしんどくて断念してしまった。その代わりにやっていたことは何かといえば、やっぱり睡眠で、睡眠しかしていなかった。
途中、目覚めた私はTwitterを開いて、何か起きてるかなーと見ると、私の大好きなラジオ番組である『アルコ&ピース D.C.GARAGE』が炎上していた。
次のスペシャルウィークの企画でアベンジャーズのファルコンを脱退させようというが映画ファン、アメコミファンの怒りを買ったようで大炎上していた。
誠に悲しい気持ちになった。
アルピーのラジオが心の支えであるので、まるで自分のことのように辛くなってしまった。
頼む、番組を聞いてくれ・・・と言う気持ちも湧いたが、そんな思いはかき消されるように大炎上していた。昔オールナイトニッポン時代のスペシャルウィークで大炎上スペシャルなんてやっていたけども、それとは比較にならないくらい炎上していた。
そもそも、一番組でファルコンを脱退させることが本当に可能なわけないじゃないか。それにここ数週間の放送のファルコン推しなんて、他の番組では聞いたこと、見たことないレベルだったぞと思うも、言葉にすることができない。
そのうち、Twitterでも好きな人々が怒り始め、そして、私はまたもや辛くなり、睡眠に向かったのだった。
ここで、いかにアルピーのラジオが素晴らしく、今回のスペシャルウィークの意図があなた方が思っているものとは違うと説明すればよかったのかもしれないけども、そんな元気もなく、そんな能力もない。ただただずーんと沈むだけであった。
こんな時、明確に「俺はこういう立場だから!」と言えれば心も強くなるのだろうか。しかし、そういう風にいうこともできない自分が嫌で嫌で仕方なかった。
自己主張するにも能力が必要で、立ち位置をはっきりさせる能力が必要で、自分にはそれが欠如していると思った。
私は何かをはっきりさせることが本当に苦手で、だから会社でも怒られ続けていたことを思い出した。はっきりとするのが求められる中で「はっきり」とさせるのがわからなくて、難しい。
私は曖昧な中で生きている。曖昧な海をたゆたうとしている。
なんでもはっきりさせることができたら変わったのかな。今の自分の人生じゃない人生を送ることができたのかなと思う。
そこまで思い悩むことでもないけども、今の私はすぐに思い悩んでしまうのだ。
ギターを弾いた。ナンバーガールのURBAN GUITAR SAYONARAの冒頭のリフが耳コピで弾けるようになった。昔は本当にギターが下手で、どうしようもなく、ソロも嫌で嫌で仕方なかったけども、10年もなんとなく触っていると弾ける物が広がっていくんだなと思った。にしても下手だけども、それでも、まあ下手なりには上手になってきている。
自分はこれまで、何にもできない人間だとずっと思っていたけども、10年もギターを弾いていたら好きな曲の一部分が耳コピできたように、何かは少しずつできるようになっているのかもしれない。
だから、虚無と体力のない日は忘れがちな何かができるようになっているかもしれない27歳男性という私は忘れないようにしようと思う。
こんな風に書いて残しておかないとすぐに忘れてしまう。
すぐに嫌な思い出に書き換えられてしまう。そんなことから逃げる唯一の方法は書き記すことだとなんとなく思っている。
少しばかり元気になった6月7日の夜の今は、近隣のバーミヤンに逃げ込んで水をがぶ飲みしながらこの文章を打っている。
明日も元気だろうか。元気だったら、映画を見に行きたい。そろそろ自分ばっかり見ているのもまた飽きてきたので、少しの時間は自分を見ないようにしたい。
そう思っていたら『七人の侍』がリバイバル上映されることを知った。見に行きたいなと思う。名作をちゃんと見ずに27歳になってしまった。もう少しで28歳になってしまうし、27歳のうちに『七人の侍』を見ることができたらそれは素敵なことだと思うのです。