にゃんこのいけにえ

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ロロの『父母姉僕弟君』の感想は書けなかった

 ロロの『父母姉僕弟君』を見たらものすごく良かった、ものすごく良かった、死ぬほど良かった、うわうわまじで、超まじで、あ、この感覚はこの世に残しておかなきゃと思い立って感想を書き始めるも、全くまとまらず、既に3000字ほどの塊が2つ転がっている。うぎゃあ。

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 そもそも舞台自体がまとまったものではないのに、なぜ私の感想はまとめなきゃいけないんだとぷんすかしてみるが、そうなると怒りの表現で"ぷんすか"ってなんすかって、ぷんぷん怒ってるってどういうことなんですかって思考が飛んでいく。

 多分、ぷんぷん怒るのぷんぷんって怒りで呼吸が絶え絶えになってるあれの時、あのヤクザが息を整えながら仇を撃ち殺す時のあの呼吸音がぷんぷんなんでしょ。ぷん、ぷんなんて書くからダメなんだ。本当は「ぴゅ、ぅぅ、ぴゅ、ぅうう」みたいな音なのに、デフォルメしちゃって、もう。

  ではぷんぷん怒るってことの謎が解決したので、ここらでロンググッドバイ決めるかと思って、場末のバーで濃いめのバヤリースオレンジでも貰おうかなったら、よくよく考えたらロロの感想が書けないって話でございましたね。

 ロロの作品を見た後はいつもこうで、感想を書いてなんとかこの気持ちを世の中には伝えたいと思うんだけども、その感想を生む事ができない。

 言葉に表す事ができなくなってしまって、面白くない冗談を言っては廃墟になったおもちゃ屋の潰れた棚に置かれたファービーみたいな笑い方しかできなくなる。

  この作品も、例によってボロボロになるまで泣いてしまったのですが、最前列に座っていたのに鼻水を垂らす勢いで泣いてしまって、こんな客がいるまえで世界観を作り込む役者ってすごいなと思って、鼻水を垂らして泣いている私なんぞは耳鼻科の吸引機に入ってるあのガスがサリンに代わってしまえばいいんだと凹んでしまう。サティアンに行くときはカナリアを忘れずに。帰るまでがオウム真理教です。

 

 ロロの感想ですよ。そんな冗談はええのですよ。

 思い返してもなんで泣いてしまったかわからないシーンがいくつかあって、ずっとなんで泣いていたかを考えてたのですが、大卒の私はわかってしまいましたよ。めちゃくちゃロジック立てて説明できますからね。

 多分ね、ロロの皆さん、魔法使ってますね。

 俺それで泣いたと思うんです。じゃないとウィーアーザワールドが流れる中、泣くってことがないでしょ。アフリカの子供でも笑って聞いてたウィーアーザワールドで泣くなんてありえないでしょ。

 なのでロロの皆さん、絶対に魔法使ってる。それだけは断言する。大卒だから。

 

 色や匂いや体温を忘れないように、10くらいしかない語彙力で描写する。ってセリフがあって俺はそれをボロボロ泣きながら聴いてたわけだけど、それを実行しようと思って全てを忘れないように忘れないように感想を書いていたら、冒頭5分に行くまでに3000字を超えて、しかも時系列もあちらこちらに飛んでロロの感想に俺の人生が差し込まれるはちゃめちゃエモーショナルな構成になってたんだけども、そこまで書いて俺の頭の中のヤナギブソンが「誰が興味あんねん!」って叫んだので没シュート。てれてれてーん!!と世界不思議発見が鳴り響いたところで俺の最近思ってることなんですがトットてれびの後にトットちゃん!を作ろうって言い出したやつ、絶対サイコパスでしょ。倉本聰の後枠でプレッシャー大きすぎて、巨大なやつしか扱えなかったとはいえ、サイコパスでしょ。

 

まあ見てないのに文句を言うという21世紀消費者のあるべき姿を体現して、このままでは死後ろくな扱いにならないと思いつつ、それでもロロの感想を残したい。

 

 あまりにも全てが全てが全てが好みだった場合、全ての愛を書き連ねて行くとそこには形骸化した言葉しか残ってないことが多く、そうしているうちに自分の中にあった感情も色褪せてしまった気がした悲しくなってしまう。

 なので今回はこんな風な感想にしている。これを感想って言いながら自己表現をしているくそやろうと思われたら申し訳ない。でも、今回はこれしかできない。

 今日はずっと一日疲れて横になりながら「さー、ロロの感想をなんとか書くぞー書くぞー」と意気込み、今、深夜四時というか朝だ。

 吐瀉物以下かよと自分にダメージを負わせながらも、こんな私の過去と現在と未来に思いをはさてみる。

 過去に比べて今は…とか、今の自分に比べて昔は…とかとかく言いがちだけども、そうじゃないんだってことを『父母姉僕弟君』が教えてくれた。

 過去も現在も未来もただあるがままに存在していて、そこにあった愛も楽しいことも幸せも残り続けるんだということ。

 

 

 先日7年ぶりに友人と遊んだのですが、そのブランクが無くてまるで3日前にも遊んでいたみたいな空気になったんですが、多分それはその7年前の楽しかった過去がそのままずっと残っていたんだと思う。

 そしてその日また凄く楽しくて、その瞬間もまたあっという間に過去になってしまったけども、それも残り続ける。

 この間、大学の時の友人と遊んだ時の楽しい時間もその場に残り続けているだろうし、社会人になって、他社の忘年会でがんばった結果女の子にハグしてもらって「うわ!幸せだ!」って思った瞬間の幸せな感情もそのまま残っているはず。

 でも怖いけど忘れてしまう。大事なことも忘れてしまう。だからこそ、くだらないことでもいいから覚えていたくて、描写をする。

 くだらない冗談でもいいから描写をする。残して行く。

 

 

この間地元に帰ったら雑貨屋が潰れていた。

その雑貨屋はポケットピカチュウがめちゃくちゃ流行った時にプレミア価格ってことで1万円近くの値段で売りつけようとしてきた。くそやばだった。

 そんな雑貨屋は潰れてデイサービスセンターになっていた。でもその近くにあった中学の友人のケーキ屋はまだ残っていた。

 その友人は元気でやっているだろうか。多分、休職27歳男性よりは大抵のthe peopleは元気なんだろうと思うけども、それでも気になってしまう。

 

 

 小学校の時の同級生が結婚したらしい。

 高校の友人はこの間結婚した。部活のバンドのメンバーで子供を見に行ったらしたそうだ。

 みんな、どこかで知らない誰かと出会ったりしている。

 私はこれまで出会ってきた人たちがみんな幸せになっていたらいいなと本気で思っている。って書くとサイコパス感あるな。嘘です。

 

でも、出来れば幸せな話とか聞きたい。

 どういう人に出会ったとか、どういう人生を歩んでるとか、そっちはどうだいうまくいってる?とかこっちはこうさどうにもならんよとか。

 たまに今まで出会った人が全員同じ場所にいって、その人たちに手を振って「ばいばーい!」と言えたらなと思うことがある。

 そういう風に一区切りをつけて別れて、また次の日からを生きていけたらと思う。

そんな風にちゃんと一度別れを言えてたらなと、なんか、さよならも言えないよじゃなくてさよなら言ってなかったよってことがあまりに多いぞ。

 

 

 だから、とにかく僕はこれからの人生でなにかを感じたらそれを書かなきゃいけなくて、それを言葉にしなきゃいけなくて、それを伝えなきゃいけなくて。そうすれば残るかもしれなくて、いくら10しか語彙力がなくても、色を音を体温を感覚を感情を残さなきゃいけない。

 

 

 主人公キッドを演じた亀島一徳さんの佇まいの良さ。表情から発声までめちゃくちゃにかっこいいんだ。前見たいつ高ではただの高校生にしか見えなかったのに、役者ってすごいね。

 島田桃子さん演じる天球!すぐ死んでしまって、あとは天使になってふらふらしていて、意外とすぐに怒りっぽくて、透明感があって唯一無二な雰囲気。もう島田桃子さんがはまり役で役者さんってすごいね。 

 基本ロロメンバーは最高というか、役者さんは全員最高で、望月綾乃さんの一人二役のシーンのうまさとかめちゃくちゃ笑ったし、篠崎大吾さんのえせ大阪弁ツッコミを繰り返しているうちに気がついたら俺が泣いていたシーンとか最高だったし、森本華さんの芸達者ぶりとか、多賀麻美さんの朝ドラに出て欲しい陽性っぷりとか北村恵さんのいい感じの癖の強さとか、その他猫になった人とか、弟とか、ボールを待ちすぎたとか最高最高最高。

 みんなで集まって曽我部恵一書き下ろしの音楽を奏でるシーンでは涙が溢れて仕方なかった。

 あんな風にバラバラの生き方、バラバラの性格、バラバラの人間たちが一緒に一つの音楽を奏でる瞬間がこの世界にはあるのだ!わー!!

 そんな瞬間は数多くないけども、でもその瞬間はたしかにあって、そしてその瞬間に起こったことは確実に捉えないといけなくて、捉えることが出来たら、それはハイパーロマンチックタイムなんじゃないだろうか。

 

 

 そんなハイパーロマンチックタイムを捉えれるように。

 その後にもう二度と再会できないかもしれないけども、そのハイパーロマンチックタイムな過去はずっとずっと残り続ける。それはまた現在にも未来にも波状のように影響を与え続けるから。だから幸せになることを諦めてはいけない。人と触れ合うことを諦めてはいけない。忘れてしまうことを諦めてはいけない。好きになることを諦めてはいけない。歩み続けることを諦めてはいけない。旅を続けることを諦めてはいけない。

 

 

 「いまここにはあらゆる挨拶があるからさ、だから、全部言わなくちゃいけないね。 おはよう こんにちは おやすみ あいらーびゅー はうあーゆー はじめまして ひさしぶり またね ばいばい」

 

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