にゃんこのいけにえ

映画と音楽と本を中心にいろいろと。

雨の休日の話と舞城王太郎『ピコーン!』を読んだ話

日曜。

 
嵐が来る。天候の方の。雨風がやばい方の。こりゃやべえや。外でたらまずいやつだ。
しかもプラスでここのところの体調不良だしってことで外に出ないことを決定!やったー!
だって嵐だもの、休日だけども無理して外に出なくてもいい!素晴らしい!
 
にしても休日ってだけで何故か外に出なければいけない気がする。外に出なければ人生を無駄にしている気がする。
確かに25歳男性は彼女もいないし、夢に向かって日々邁進しているわけでもないので、なにもしない休日は即ち人生の無駄遣いなのかもしれないけども、それでもここのところのメンタルブレイクや、体調不良を考えれば外に出ないという選択肢の方が本当は正しいのだろう。
でも、なんとなく出なければいけないような、切迫感や強迫観念が晴れの日の休日は僕を襲う。
そして体調不良で外に出ない休日を選んでいる自分はなんと人生を無駄にしているんだという親や祖先に申し訳ない気持ちを抱きながら1日を過ごすことになる。すまね、すんまね!そんな気持ちで過ごす。
そりゃ、そんなんじゃ心は休まらないわ。思い出はいつも綺麗だけどそれだけじゃお腹が空くわ。
 
というわけで雨が降ると決まっている休日はなんと心の落ち着くことか。
だって外に出られないのだもの。
雨の日の休日は家の中で過ごすもの。
というわけで体調不良25歳男性は雨の日の休日をめいいっぱい楽しむことにした。
やっほー!!
 
とりあえず、昼からハヤシライスを作った。
玉ねぎを沢山切ってれ牛肉の代わりに豚肉を炒めてれ!ぐつぐつ煮込んで!
外からは雨風の音。スマホからはアルコ&ピースのオールナイトニッポン。その中でつくるハヤシライス。なんと素晴らしい休日なのだろうか!
ああいつまでも続け。この時間よ続け。
といってもハヤシライスは1時間そこそこで出来上がってしまった。意外とあっという間に出来上がっちゃうのね。
 
あーこの後どうしようかーと窓を開ける。
雨風の音がよりラウドに聞こえる。ざざざざ。ぶおんぶおん。
そんな中、床に寝転がってその音を暫し聞いていた。落ち着く。
引っ越して数ヶ月経つこの家のことを始めて我が家であるという気持ちが湧いた。社宅だけども。
 
そんな無印良品の広告的な時間を暫くすごす。それを終えた後に、舞城王太郎の『ピコーン!』を読むことにした。『熊の場所』という短編集に収録された本。読むのは久しぶり。でも買ったのは昨日。
 
というのも前日、私はメンタルプリズンブレイクを治すには気分転換が必要じゃないかと思い、外に出たのだった。ぶらぶら歩いているとブックオフに出会い、またぶらぶら歩いていると突如舞城王太郎が高校生以来ぶりに読みたくなり数冊買ってきたのだった。
何よりも何故かピコーン!が読みたかった。なんでかわかんないけども、身体が欲していた。舞城王太郎のピコーン!を。
というわけでピコーン!を読む。
 
 
この話を始めて読んだのは高校生の頃、まだ下ネタにすら恥ずかしさを感じてたから、この話を読んでもうまく処理出来なかった。なんか恥ずかしかった。というかわかってなかった。
改めて読むまでこの話が美しい話ってことに。
 
読んでない人にはなんのこっちゃな感想をつらつら述べていくけども、この話は星野源の『くだらないの中に』だったんですね。星野源の方がずっと後だけども。
髪の毛を嗅ぎ合うようなくだらないの中に愛を感じるように、フェラチオを通して愛を感じる女の子の話だったのだ。
フェラチオってね、単語はやっぱ強烈なんですよ。フェラを通して愛を感じるって、下ネタ以外なににも聞こえないかもだけども、これはその通りなんだよ。
ヤンキーの彼女で、将来考えて、ねー彼氏よ将来考えて仕事してやー、そんなヤンキーの彼氏がわかった更生して仕事するよ!って、でもまあその約束が彼女が毎日フェラで抜いてくれること。そしたら仕事も頑張る。ってくだらない。うらやましい。
最初疲れ果てていたフェラにも徐々に慣れていきめちゃくちゃテクニックを身につけていく彼女。そして高まっていく彼氏への愛!!!
 
でもそんなヤンキーの彼氏はある日死んで、あまりの死に様に一同騒然。そしてそこから彼女は自頭いいから一気に名探偵化して一気に解決。
ここまでの過程をこの女の子の怒涛の思考をそのまま頭に流されるような感覚で読み進めることになる。
脳細胞を直列で繋いでぶわぶわぶわぶわ!と僕の頭に流れ込んでくるような文体。
彼氏への愛、彼氏への不安、彼氏へのフェラ、彼氏の死、そして彼氏の死の捜査、それが一気に一気に頭に流れ込んでくる。
そして最後に残るのは彼氏への愛、愛、愛。
主人公は何故彼氏がそこまでフェラが好きなのかは結局わかってない。でも、その彼氏の死に姿と、ダウンタウン松本の1人ごっつの出世させようのコーナーでなんとなくわかっていく。
それが本当くだらなくて、でも愛を感じる。
寂しい終わりをするけども、確かにフェラチオの中に愛はあったのだ。ああなんてくだらないの中に愛が。
 
そんな風にピコーン!は主人公の思考にわらいつつ、圧倒されつつ、最後は少し寂しくなりながら、愛というものがあるならとてもくだらなくてゲスい中にあってそれは尊いんだなーとまだまだ人生をわかってない25歳男性は何かを悟った気になってしまったのだった
 
 
とここまで読んだところで何故だか異常にメンタルが落ち着いたので舞城王太郎が今のメンタル治療にめっちゃええのかもしれない!!
というわけで今後舞城王太郎を読もう。ブームだブーム!!