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にゃんこのいけにえ

映画と音楽と本を中心にいろいろと。

―まじで『激突』級の大傑作―『サイレンス』を見た!!!!

『サイレンス』を見た!


「衣食Netflix住」なほど生活にNetflixが侵食されている25歳男性ですが、この度新着に入った瞬間に一部ホラー映画好事家の中で「めちゃくちゃに面白いので必見」と評判になっていた映画『サイレンス』を生活の一部として鑑賞。


これは面白えわ…。確実に本年度ベスト級の映画だわ…。

もうね、面白すぎて身を乗り出して見てしまうことってなかなかないじゃないですか。身を乗り出しましたよ。
「テレビを見るときは離れて見てね!」って散々言われてるのに、どんどんテレビに近づいていく我が身。
もう齧り付き。面白すぎて齧り付き。


とりあえず僕の説明よりまず予告を見よう。それから!まずはそれから!!!


耳が聞こえない!そして喋れない!!
人里離れた森の中でそんな病気を抱えて孤独に暮らす女性作家ミディー。
そんなミディーがある日突然不条理にも殺人鬼に命を狙われることに…。

ミディーが何かをしたというわけでもなく、ただただスポーツ感覚で人殺しを楽しむ殺人鬼に面白で命を突然狙われることになるっておいどんな不条理だよ。
辛すぎるだろ。
しかもこっちは耳が聞こえないんだぞ。
不利だろ。
喋れないんだぞ
不利だろ。


初っ端から圧倒的不利な状況でじわじわと命を狙われるはめに。
しかも相手はミディーの抵抗がすさまじいから命を奪えないんじゃなくて「本気」を出してないだけ。
しかも「死んだほうがましだって思うくらいいたぶってやる」って宣告まで!
おいそんな宣告なんでするんだよ…なんでそんな胸糞わるい宣告するんだよ…。
ってかなんでそんなに本気なんだよ…なんで殺しに来るんだよ…わけわかんねえよ…
もしかして…こいつ…病気のこどもために「女いたぶって殺してきたら明日の手術受けてくれるかい?」なんて約束したのかな?
だから宣言したのかな…
なんて優しいバックグラウンドなんて全然ありませんでした。こいつはただの快楽殺人者でした。ありがとうございますー!
あとこいつがこれまで何人殺してきたかってわかるシーンのスマートさとそれに伴う背筋がぞっとする感覚な。
まじかって思わず声が出た。
というか全編ほぼ声出っぱなし。
何かにつけては「あっ!」とか「痛っ!」とか「うわー!」「やばいやばい!」とか
もうそんなふうに声を思わず出しちゃうってのは物凄くこの監督さんの演出が巧みなんだろうな…
監督はマイク・フラナガンさん。
過去には『オキュラス/怨霊鏡』って作品を撮ってこれまた物凄く面白かったそう。
全編一軒家だけ、しかも主人公は喋ることができない。
そんな縛りの中、巧みに練り上げた脚本と、上質な映像での語り口にもうやられっぱなし。
マイク・フラナガン監督すっごく出世するんじゃない。
こんなの撮れる監督だったらどんな娯楽映画でも任せられそうな気がする。
全編びっくりするくらいキレキレで、語り口もシャープで…
ちょっと前だったらみんな大騒ぎするくらいの傑作だと思うのですがどうなんでしょうか。
僕は見ながらスピルバーグの『激突』を思い出していました。
80分(この上映時間のタイトさも最高!)のうち状況説明はたった10分であとはひたすらに行き詰まる攻防戦ってのも激突っぽい。
しかもこちらはたった一軒家だけですよ。
登場人物だって声だけの人を入れても5人以下。もうね、そんだけでこんな面白え作品作れんのかと。
もう俺はひたすらに驚嘆。
凄すぎるでしょ。
すごすぎでしょ・・・・


とネタバレ無しでもここまで書いちゃうくらい面白かったの、まだ見てないって人はNetflixへGO。2016年を代表する傑作の一本だぞこれは。



とあとはネタバレあれでつらつら書きたいから、ネタバレ読みたくないって人は帰るか、目を潰すか、「あれこれ模様かな…でもじっと見ると…あ!文字が浮かび上がってきた!!!これが…3D…」って昔タイプの3Dを楽しんでくれ…


というわけでつらつらと
・無音の会社ロゴからのタイトル『HUSH』ドーン!!しかも意味とは正反対の大音量始まり。もうこの時点で心わしづかみ。
・一面見渡すかぎりの森。それをすぅーっと降りた先の舞台になる一軒家。陸の孤島っぷりをたった開始10秒で説明しきる語り口の良さ!!
・その後のご飯の準備→隣人との会話で嫌味なく状況説明、そして伏線を次々と貼っていく手際の良さ!!もう!!凄え凄えよ!!!
・そしてそこから最初の殺人シーン。これが主人公の耳が聞こえないというのを上手く使ったシーン。
・彼女の方はミディーが耳が聞こえないために殺されてしまい、後の彼氏の方はミディーが出した音を聞いてしまったために殺されるという嫌な展開も素晴らしい
・そこからのiPhoneの使い方。携帯電話が出てきたせいでミステリーは作りづらくなったみたいな話があるけども、もしかしたらホラーってより怖く作れるようになったんじゃない?ってこのへんのシーンを見ながら思った。リアルタイムを上手くホラーに落とし込められたダメだって!
・そしてついに殺人犯と遭遇。もうここからの緊張感の上がり方な。
iPhoneは取られて、ブレーカーが落とされてしまったせいでWi-Fiがつながらなくなってしまって外と連絡手段が無くなってしまったっていうのも上手いなー
・「顔は見てないから見逃して」というミディーに対して、進んで顔を見せる殺人犯!!!これフレッシュな描写だったよね。あーこいつ積極的に殺しに来てるやんって思ったもんね。積極的に殺しに来られたらそりゃあかんてー負けるってー。
・それからの攻防戦の数々。両者共々一進一退な活躍を見せるのがもうハラハラ。
・思いの外どんどん傷を負っていく主人公にビビる。ここまで主人公を傷つけていくか…。
・隣人の彼氏が殺される前に発した「走れ」って言葉にしたがって走る姿、しかしすぐに捕まり頭を潰される描写に思わず「えっ!?どういうこと…!」と思っていたら、序盤の伏線回収きたー!!!!!
複数のエンディングを考えるという主人公の設定、そして喋ることができないという主人公が唯一発する声!!それが!!!ここって!!!
・そして大事な部分は手話で言うわけですよ。それこそ「自分の声」つまり自分の意志。僕はここで座っていたソファーから立ち上がりました。
・それからのさらなる攻防戦。まさか手を潰されるなんて!まだ追い込むか!!
・バスルームでは「これバッドエンドか…」って思ったけども、ここで聴覚以外の”感覚”で気がつく演出最高…
・そして最後の最後!走馬灯。耳が聞こえないミディーが強く聞こえる音が鼓動って!!ああ!!と思っていたら最後の最後に!!!!!
・ワイン開けるやつで首刺してからの血の吹き出し方、素晴らしかったですね。あの鼓動に合わせた吹き出し方、エモかったですね…
・そして全てが終わったと悟る顔。
・もう僕も生き抜いた…とミディーさんと同じ顔をしてましたよ…


というわけで物凄い映画だったなと、めちゃくちゃおもしろかったなと!!
こんな映画が普通にNetflixでぽーんと公開ってどうかしてる世の中…いや素晴らしい世界ですよ!!
いやー地球にうまれてよかったー!そして森の中で殺人鬼に追われる生活じゃなくてよかったー!