にゃんこのいけにえ

両目洞窟人間さんが色々と書き殴ってるブログです。

『ウィンター・オン・ファイヤー ウクライナ、自由への闘い』を見た

『ウィンター・オン・ファイヤー ウクライナ、自由への闘い』をNetflixで見た。


相変わらず休んでおります。体力も一時期に比べればだいぶ戻ってきたのですが、それでもまだまだ本調子じゃないので、映画館にも行けない。
僕のあまりの惨状に母が実家から来てくれまして、助けられっぱなしな今日このごろです。
とりあえず当面の目標はぼろぼろな生活を立て直すこと。
そして自分本位な生き方になること。
これまで誰かに自分の本位を託すような生き方しかできてなかった。
「これからは誰かのためなんて思わなくていいから。自分勝手に生きていい」
そう母に言われて、肩の荷がぼろんと降りた気がします。
やっと楽になりました。
まあ、ここからはぼちぼちできることからやっていきたいと思います。
ゆっくり頑張ります。


と映画から全然関係ないことですが、リハビリブログです。いつでもリハビリしている気がしますが、生き方が下手なのよ。仕方ないのよ。

というわけで家でぼちぼちしているので今日もNetflix
今回見たのはエフゲニー・アフィネフスキー監督による2013年~2014年にウクライナで起こった革命を描いたドキュメンタリー『ウィンター・オン・ファイヤー ウクライナ、自由への闘い』です。

僕はちょっとニュースに弱いので、このドキュメンタリーのあらすじを上手く説明できる気がしないので、あらすじは映画ドットコムから引っ張ってきましょう。
こちらになります


2013年にウクライナで発生した学生デモが大規模な公民権運動へと発展した93日間の様子をとらえ、第88回アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門にノミネートされたNetflix製ドキュメンタリー。13年11月、欧州連合協定の調印を見送ったヤヌコービチ大統領に抗議するため、キエフの独立広場でデモが発生した。当初は学生たちを中心とした平和的なデモだったが、治安部隊が武力をもって押さえつけようとしたことから衝突が激化。参加者の数は瞬く間に膨れ上がり、暴力が暴力を呼ぶ過激な革命へと変貌していく。多くの人々の命が失われたこの革命の過程を克明に描き、自由を求めて闘う人々の姿を映し出していく。


こういう映画です。さすが映画ドットコム、しっかりした解説文だなあ…。


とはいえ、この解説文を読んだら堅苦しい映画に思われそうですね。違いますよ!全然違いますよ!
『孤高の遠吠』のキャッチコピーを引用させてもらうならばこれこそ『観客強制参加型』映画です。
それも90日以上にも及ぶ革命の現場に。

ではここで予告編をどうぞ。


ウィンター・オン・ファイヤー ウクライナ 自由への闘い - A Netflix Documentary [HD]

この予告の作り!!!
この予告を見た時クローバーフィールドの予告を思い出してしまいました。多分作り手も意識してると思うのです。
僕は映画に刺激的で見たことな瞬間を求めています。
そういう意味では不謹慎ですがこの映画にはそれが詰まっていそうだと思いました。
そしてその期待は外れていませんでした。自分が思っていた以上に。


「デモのドキュメンタリーなんだろうなー」って思って見始めたら、序盤から内戦状態になってるウクライナ
おいおいどうしたんだよ…って思ったら話は90日前に戻る…って面白い映画の語り口やないかい。
とまあ、構成がまじでこの映画秀逸。
恐らくそのフッテージを見続けるだけで残りの人生が終わっちゃほどの膨大な映像素材を、整理し、関係者にインタビューを行い、極東に住む私のような「ウクライナ?デモ?そんなことよりもお茶碗にくっついたごはん粒、固くなっちゃって取れないんだけど」ってな奴にも、「おいおい、こんなfacebookで呼びかけるぐらいの小さな規模から始まったのかよ…おいおいどんどん規模でかくなってるじゃねえかよ…おいまじかよ…そりゃ革命願うだろ…」ってな具合にどんどん理解し入れ込むような作りにしたこの作り手達、めちゃ凄い。
めちゃ凄いで言えば、見たこと無い映像のオンパレードだった。というよりこんなことが2014年に起こっていたのかと驚愕するような出来事ばかり。
デモ参加者を鉄製の警棒でしばきあげる警官。火炎瓶の作り方をインタビューで応えるストリートチルドレン。いとも簡単に実弾でデモ参加者を狙い始める警官隊。街中で燃やされるタイヤ。1200年から鳴らされていなかった鐘を政府への抗議のために一斉にならす教会。カメラの前で撃たれ、息絶える人。救護所になっている労働組合の建物に火が点けられ大勢の人が亡くなったこと。政府がデモ鎮圧のために、刑務所から出てきたチンピラたちを金で雇ったこと。そして彼らが組織化され、実際にデモ参加者をしばきあげている映像。人がわんさか集まってるバリケードに装甲車が突っ込んでいく瞬間。そしてその突っ込んだ装甲車に投げ込まれる火炎瓶。
と劇中で起こったことをなんとなく上げていくだけでえげつないことが起こるドキュメンタリーだってことはなんとなく伝わると思います。
デモ、デモと言っているのですが、徐々に「これ内戦やん…もう内戦やん…」となっちゃう。
なぜそこまでして普通の市民は政府に抵抗してんだ…って思うけども、それもちゃんと応える。
後の世代に自由な世界を見せてあげたいからだと応える。
もうね自由を求めるわ、そりゃ自由を求めるわ。そりゃ命投げ出すわ。
後の世代に必要なものって自由だよな。そうだよな。
ってわけわかんないなりに俺も気持ち高ぶってしまった。


ニュースに疎いので、この人々の行動が一体どうなんのか、全くわかんないままに見ていた。
これ全滅エンドあるんじゃねえのか…って思ってたら、なんと現政権を打ち倒すことについに成功。おーまじかよ!
喜ぶ人々の姿にぐっ…とこみ上げるものがありました。
しかしその一方でエンド・クレジット前の字幕で、この革命で亡くなった人の数、そして”行方不明”になった人の数。
そして全てが全て「めでたしめでたし」で終わらなかった現実も知らされてどよーんとした気持ちに。
この現実ってやつは、にしても問題がぁ多いんでござんすねえ…と落語家口調で一言言いたくなりましたよ!


とまあ、相変わらずとりとめもない感想でしたが、小さな学生デモが革命に変わっていく瞬間。そして内戦へ様変わりする様。そんな体験ができる唯一無二のドキュメンタリーでした。
個人的にはポール・グリーングラス監督の1972年の血の日曜日を映画化した大傑作『ブラディ・サンデー』を思い出しました。
日常が非日常に様変わりする恐怖が味わえる恐ろしい映画でしたが、このドキュメンタリーももう非日常に様変わりする恐怖で一杯一杯でした。

あと感想を探してたらドキュメンタリーなのにマイケル・ベイ映画やスピルバーグ映画と比べる感想も出てきたのですが、それも納得のバトルシーンで満載の映画。
本当とりとめのない感想で申し訳ない。
でもNetflix加入者は必見な作品。
凄かったよ!!