にゃんこのいけにえ

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「バトルフロント」シリーズゆるい感想 その1

24歳になり、この先のことを考えると不安と世知辛さでどうにかなっちまいそうで「ああ…力でものを言わすタイプの人間ならばこんなに苦しまずにすむのかな…」と悩んだりしちゃう日々を過ごしてるのですが、どうもそれじゃいけないみたいなんですよ。
なんですよ、と伝聞スタイルなのはそんな映画を見たからなんですよ。

というわけで最近見た映画をレビューでもなく、なんとなく語ってみようということで今回ほにゃららと話す映画は「バトルフロント」です。


バトルフロント!
スクエアのシミュレーションゲームかしら!と興奮するあなた。あのゲームは今どうなってるんですか。新作は出てたりするんですか?知ってるあなた教えてください。その前にググろうと思いますけども。

ええと映画の話ですよ。
「バトルフロント」
監督はゲイリー・フレダー。過去作だと「クローン」を昔に木曜洋画劇場で見ていました。ゲイリー・シニーズが「俺もしかしてクローン…!?」と右往左往する様が面白かった記憶があります。あと中2の時にクローンを自作小説に引用したという黒歴史があるので、こんなところで繋がりがあったなんて…。

ええとすぐに脱線してしまう。
そうです、「バトルフロント」の話ですわ。
「バトルフロント」の製作陣で注目ポイントはプロデューサーと脚本がスタローン!
スタローン!といえば現在は最も打ち上げが似合うアクション映画シリーズ「エクスペンダブルズ」が話題ですね。
「エクスペンダブルズ3」も楽しみですよ。
個人的に好きなスタローン映画は「ランボー 最後の戦場」です。
でかい口径の銃で人を撃つとこうなっちゃうよ!という徹底的なリアリズム表現…というかエクストリームな暴力描写のせいで見た人が全員「戦争超怖え…絶対行きたくねえ…」と思っちゃう超一級品の反戦映画になってるあれがめちゃ好きです。

そんなスタローンが「エクスペンダブルズ」の合間に突如作っていた映画がこのバトルフロントです。
そして主演は現代世界で一番ハゲを着こなしているアクションスター。ジェイソン・ステイサムでございます。

この二人がエクスペンダブルズに続いてタッグを組んだ!
そしてタイトルが「バトルフロント」
これは一体どんな映画になるんやろか。
もしかしてランボー以来のtoo muchバイオレンスな作品になるのかな…とスケール大きな映画を思い浮かべ見に行きましたが、そんな予想は大きく裏切られてしまったのです。
舞台は田舎町!

世知辛い…世知辛いよ…。スタローン世知辛いよ…。

今作のステイサムは麻薬捜査官!
だったのですがハードすぎる仕事に疲れ果て、仕事を辞め、亡き妻の地元に一人娘と第二の人生を送るために引っ越してくるんですね。
でも、転入先の小学校で娘が悪ガキと揉め、悪ガキの親がそれにブチ切れ。
そんな親の兄貴が地元で大きい顔をする麻薬ディーラーだったから余計にたちが悪くなって、ステイサム兄貴の第二の人生は早くも暗唱に乗り上げてしまうのでした…。


とまあこんな感じのあらすじ。
因果な男よステイサム…。


本当に発端は娘と悪ガキの揉め事なんですが、それが雪だるまのようにトラブルがどんどん膨れ上がっていくんですね。
でも、そもそもを考えたらですよ「娘と悪ガキ」の揉め事。
膨れ上がってしまう理由というのが、モンスターペアレントが言う「あいつになめられた!」というもの。
最初にモンスターペアレントはステイサムをボコボコにしようとするんですが、ステイサムなんでそこを返り討ちにするんですわ。
それからというものモンスターペアレントは「なめられた!」と言い、どんどんトラブルが膨れ上がっていくわけです。
これが冒頭の気持ちになるんですけども「力でものを言わせようとすると必ず破綻が来る(ステイサムによって)」
ということを学んだ気がします。


基本的には日常生活でめちゃくちゃ「なめられがち」な私ですが、バトルフロントで学んだのは負けるが勝ち…という事実…。
なめる、なめないという価値観で生きていては必ず破綻が来ることを私はバトルフロントで知ったのです。


ここからは軽いネタバレになるのですが「なめられた!」とブチ切れたステイサムはその後何をしたか!
というと
「十人以上の麻薬ディーラーの手下の手足を折り日常生活に支障をきたすようにした」「家を強襲してきた麻薬組織の手下を皆殺し」「麻薬ディーラーの麻薬工場を完全破壊」「麻薬ディーラーを完全逮捕」
yeah……。

暴力的な価値観で生きてるとより強い物に潰される。
だからこそ、その価値観から逃れることis大事!とバトルフロントを見ながら思った次第。


そして、スタローンはこのような話を書きながらも(原作はあるらしいけども)全員を完全な悪人にはしてないんですよ。
悪ガキも、モンスターペアレントもなんなら麻薬ディーラーでさえ悪人とは描いていない。
特にモンスターペアレント周りの描写ですよね。
母親が麻薬中毒で、兄である麻薬ディーラーに麻薬をせびるシーン。
ここで涙を流す悪ガキの姿をちゃんと描くところに製作陣の熱さを感じたというか…
こんな風に育つ環境で心が荒んでしまった子供はたくさんいるんだろな…と現実にいきるその子供たちのことを思ってしまったのです。
じゃあどうすればいいのか?
それも劇中で一つある可能性を描いています。
それは娘が揉めた相手である悪ガキを自身の誕生会に誘うシーン。
その時に悪ガキは「えっ」と驚き、そのあと嬉しそうな顔をするんですね。
こんな風に人に歩み寄られたこと、こいつにあったのかな…と思ったんですよ。
小学校なんて自然に友人ができる頃で、次第にこいつは力でなんでもやってきたんだと思うんですよ。
コミュニケーションをそれでしか知らなかったんじゃないかな。
だから多分このシーンで始めて「人が許す」ということを知って、自分に歩み寄ってくれる奴もいるのか!と。
暴力以外のコミュニケーションに触れた瞬間をこの映画でちゃんと描いてる。
その一方で暴力でしかコミュニケーションを取れない人たちの姿もちゃんと見せて、彼らが如何に愚かであるか、そしてそれが「完璧な悪人」からは程遠い姿であるかもちゃんと描いてるんですよね。

こういう風にいわゆる敵を描くのってなかなかないバランスの映画だなと思いましたよ。


数年したら忘れ去られてしまうような映画かもしれません。
でも、人を描くことを避けないスタローンの姿勢は忘れずにこれからもファンで居続けたいなと思うような映画であったことは事実です。
ビールや唐揚げでも齧りながら見るのがオススメです。

あと個人的なオススメはステイサムの復讐ピタゴラスイッチ製作シーンと、それが発動するタイミング。そして発動してしまった瞬間のある人間の顔です。人間は大きなものを一瞬で失うとどんな顔になるのか…それを見せてくれます。

バトルフロント好きでしたよ!