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にゃんこのいけにえ

映画と音楽と本を中心にいろいろと。

窮鼠猫を噛みイズムを持つ男チョン・チョンを見よ!「新しき世界」

アクション映画 オールタイムベスト

「新しき世界」見てきた。
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『新しき世界』予告編 - YouTube

凄え良かった。とにかく凄え良かった。
見終わってまず出た言葉が「これ100点ですやん!」
ってその感情一切嘘じゃない。
100点。本当100点。
だってストーリー面白いやん、キャラクターめっちゃ立ってるやん、演技凄まじいやん、興奮するアクション描写あるやん、それで構成素晴らしいやん。
じゃあ100点やん。
100点以外何物でもないやん。
そうやん。


ということで一気にまくしたてたけども、これ本当。嘘じゃない。俺嘘付かない。インディアン嘘付かない。

大体「インファナル・アフェア」meets「ゴッドファーザー」って思いつきそうで思いつかない発想。というか、思いついても「じゃあどうやって話転がしていったら言いわけ!?」ってなりそうな発想をい2時間の作品にまとめてしまった監督のパク・フンジョン、この人めっちゃ凄い。
なんだよこの人、凄すぎるだろ。
俺がどっか小国の王子だったら韓国まで飛んで会いに行ってるわ。
ロイター通信に写真載ってるわ。
握手してもらうわ。笑顔で写真撮られるわ。

パク・フンジョンさん、過去作品は「悪魔を見た」や「生き残るための3つの取引」の脚本だそう。
両方とも未見。是非見てみたいところ。

悪魔を見た プレミアム・エディション (2枚組) [Blu-ray]

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生き残るための3つの取引(2枚組) [DVD]

生き残るための3つの取引(2枚組) [DVD]


ここからネタばれになるから、見てないって人はぜひとも見て。多分日本のどこかでまだやってるから見に行って、飛行機で飛んで見に行って、その価値はある。それかDVDを待って。でも俺は劇場で見て欲しい。それってわがままかな…どうなのかな…(と後ろから抱きつきながら話しかけるキムタクにしか許されない行為をしながら問いかける)




潜入捜査ものじゃん、ということはあれがあるわけですよ。
「ばれるのばれないのサスペンス」byライムスター宇多丸
潜入捜査官が最も恐れなければならないもの…それは身元バレですよ。
とにかくこの世は身元バレを避けなければいけないことが多すぎですよ。


Twitterで顔写真付きで過激な内容をツイートしたら社会的に死。


AVに出ることになって「すいません地元にだけはビデオ置かないでください」って口約束が破られて地元のTSUTAYAに置かれてしまった挙句同僚が見てしまって、「君が…こんなビデオに出てるの知ったら、みんなはどう思うかな…?」とヤニで黄色く染まった歯を見せながらニヤニヤ笑う同僚の前で跪き、することした挙句同僚がその光景をiPhoneで撮影、「ちょっと写真はやめてください!」と意義申すが時既に遅し、iCloud上に保存されてしまって「もう…私は逃れられないのね…」と絶望…。


と身元バレの恐怖は日常の至る所に潜んでいるわけです。
が、しかしもっともっと恐ろしいのがヤクザに潜入捜査している最中に身元バレしてしまうことであるわけですよ。


「えー、どうオソロシイの?教えて先生?」と俺の中の女学生が問いかけている。
問いかけ無くてもいいんだぜ…だってこの映画1カット目から教えてくれるからな…。

と見た人ならお分かりの通りのあの鮮烈な1カット目。
ヤクザの制裁がいかに恐ろしいものであるかを伝えるあの1カット目。
そしてコンクリート地獄!!

なんてこったい…。ここでは普通に死ぬことでさえ安らぎに思えるのか…と地獄をきっちり見せてくれるところ、これが後のばれるのばれないのサスペンスの恐怖に繋がっていると考えると出だしとしてのつかみも上手いし、ヤクザというシステムの恐怖もちゃんと伝える素晴らしい出だしになってますわ…。


見終わったあと、誰しもが好きになっている男こと「チョン・チョン」
彼は最初、隙だらけのチンピラな雰囲気で出てきて、観客の笑いを誘うようなアホやなーな言動を繰り返してるわけですが、中盤のあの倉庫では雰囲気が一転彼の「ヤクザ」としての一面をしっかり見せるわけですよ。
カタギじゃない。つまり暴力の世界にいる人間いう面も見せること。その上で、見た人ならわかると思うのですが「嫌いになれない、というか大好き、めっちゃ好き」という感情を生み出すの本当凄え。パク・フンジョン凄え。


また倉庫のシーンはあの囲碁の先生がえげつないことになってるから…というのもありますね。
強そうな人が、こんな目に…ってのは単純につらいものがありますし、そしてヤクザはこの人でも逃げられないほどの力を持った人たちなんだ…という冷徹な事実を突きつけてくる。

そしてそんな人が入っているイン・ザ・ドラム缶。勘弁してくれや!
チョン・チョンしかもファイル持ってるし、この中に裏切り者の名前書いてるぞうぉら!
えっ俺読まないと行けないんすか?まじっすか?まじっすか!
な恐怖、ここ是非味わって欲しい。そして味わった皆様、本当にお疲れ様でした、心拍数超上がったよね。本当怖かった―!!


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囲碁の先生役のソン・ジヒョさん。劇中では一切見せない笑顔&ピース。綺麗な人だ…。


そしてこのばれるのばれないのサスペンスなんですが、ここは友人が指摘していて心の底からなるほど!!!そしてパク・フンジョン凄え!ってなったところがありまして、それが「実はバレていた」ということですよ。
そして「バレていた」ということがこの映画のクライマックスに待ち受ける最大級の感動に繋がるわけですよ。



この感動の話をするならば、ラストのあの構成について話さねばと思います。


あの6年前と出た瞬間、えっと驚いたよ。
そりゃ心から驚いたよ。何が始まるのって。
でもそこで見せられた在りし日の思い出。犬のように駆け回っていたチンピラの頃の思い出。
それを見た瞬間、これはかけがえの無い友情の話だったんだと気がついて、もう涙がヴぁーと。
そこで聞いてくるのが「実はバレていた」ということ。
ヤクザと警察、立場の違うもの。なのに、最後まで通じ合えていたのは彼らが誰よりも友情を育んでいたからだったと。そしてそのために相手を信じていたと。
あまりにも凄惨かつ暴力的な話で最後に残ったのがこれ。もうね…泣くしかない。

そしてそんな日々はもうこないと…もう完璧すぎますわ。


その直前の会長になるために主人公イ・ジャソンが下した決断の重さ。そして失ったものの大きさですよ。



このイ・ジャソン役のイ・ジョンジェさん。出てきた当初は「加瀬亮から何かを足して引いた感じ…」な軟弱イメージ有りましたが、クライマックス直前顔が変わった瞬間、鳥肌がだだだだだだと出ましたよ。
この人の演技も凄かったな…。

イ・ジャソンとチョン・チョンの友情にとにかくぐっと来すぎて終わったあと喋れないっていうね。もうだってさー良いじゃん本当良いじゃん。



あと、もうそろそろ終わるのですがどうしても書きたいのが終盤のアクションシーン。

駐車場で敵対勢力に襲われたチョン・チョンが建物に逃げ込みそしてエレベーター内で死闘を繰り広げるシーン。
ここの凄まじさと言ったら!!


何が素晴らしいってこのアクションシーンを通してチョン・チョンのヤクザとしての生き様のかっこよさを見せつけれることですよ。あまりにも不利な状況下なのに。
まず突如突っ込んできた車!ここではねられる人の飛び方がまず見たことないような表現。あのバウンドの仕方どう撮ってるんだ?
そして一台だけではなく10台近く停車していた車全てが襲い掛かってくる。
そしてもみ合い!
乱れ舞うバットにナイフ、包丁!
ここでチョン・チョン、包丁を握って敵を倒したあとネクタイを外して止血するのがまず最高すぎ。
そして駐車場から狭いロビーへ追い詰められるチョン・チョン!
ロビーに人が溢れ、ガラスは割れ、もうあとがない!
エレベーターのボタンを連打、早くこい、早くこい。
ベルが鳴り、ドアが開くと、そこには…。
ここで僕は「ああ…」と絶望しましたよ。
でもここからのアクション。
狭いエレベーターの中で一人一人を倒していくチョン・チョン!
でもついには腹を刺されてしまい、身体が崩れ落ちた!
が、トドメを刺そうとした男のクビにナイフを突き立てるチョン・チョン!
まだ俺は死んじゃいねえ!
この窮鼠猫をかみイズム!!!!!
ここで俺は心の中で拍手でしたよ。もうなんていいもの見せてくれたんだって。

このように狭いところへ移っていくことでチョン・チョンが置かれている状況を視覚的に表現しつつも、その中でももがき続ける姿を見せることで「どんな逆境でも諦めない男、チョン・チョン」というのを表現しているわけですよ!好きですよ!!チョン・チョン!!!



と熱、入りすぎちゃいましたけども、このシーン本当最高でした。もう今年これ以上のエレベーターアクションを見ることが出来るのだろか…いやこれ以上に男気アクションを見ることが出来るのだろかと不安!いや、むしろこのアクションを見ることが出来たという幸福!ありがとう!嬉しいです!!



とまあ、色々語っている内にここまで来てしまったので今日はこのところで。
もし余力があれば、脇役の話や課長の話とかも書ければと思います。それでは。