にゃんこのいけにえ

両目洞窟人間さんが色々と書き殴ってるブログです。

log:5「幽霊・妖怪画大全集」を見てきました。

大阪歴史博物館で行われていました「幽霊・妖怪画大全集展」に行ってまいりました。

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妖怪。それはかつているとされていた存在。
人々が妖怪を信じなくなってどれほどの時間が経つだろうか。多くの人々にとって妖怪というものに馴染みを失ってしまった現在、妖怪画を人々に見せるとしたらどの様な手法をとるのが正解なのだろうか?


今回の展覧会のテーマは「美と恐怖とユーモア」。そしてその特色は妖怪をかつての「恐ろしいもの」というホラーな視点ではなく、「可愛らしい」というファニーでゆるキャラな視点から見直したところにあるだろう。
自らを水木さんと呼び、ご高齢にも関わらず好奇心からビックマックに挑戦する現代妖怪漫画家の第一人者「水木しげる」の作品のように今回の展示会は徹底して幽霊と妖怪を親しみやすいものとして触れられる工夫が至る所になされていた。

例えば絵のキャッチコピーが一枚一枚ついているのだが、「幽霊なのに元気」といった絵へのツッコミを入れるものから「江戸時代のモンスターハンター」と私たちの馴染みのあるもので例えるといったものまで。「この男、鬼より凶暴につき」とパロディもある。これが全てについているのだからまずたまらない。
また絵についている紹介文は一転して絵の背景や説明がきっちり書かれていて、絵を意味がすんなり入る様になっている。
しかしそこにもツッコミや、軽いボケが入ってくるので気が抜けない。流石ボケたがりの国、大阪。


この様に、今じゃリテラシーが無くなってしまった時代や文化のことを理解するための創意工夫があちこちになされているので全くこの時代の知識が無いという人でも楽しめるようになってる。そのため私のような歴史弱者でもすんなり入り込め楽しむことができた。


そして、展覧内容もまさに盛りだくさんで全く飽きることがない。
幽霊画から始まり、当時の歌舞伎のフライヤー、そして妖怪、動物別の妖怪、百鬼夜行に続き天狗、人、そして地獄と盛りだくさん。密度の高い絵ばかりがボリュームたっぷりに飾られている。幽霊妖怪フェスのようである。妖怪のサマーソニック。幽霊のフジロックフェスティバルがここにあった。


そうして見ていく中で気がついたのは、幽霊・妖怪は今尚楽しめる文化だということ。
いちいち一匹ずつ全く違う能力と見た目を持つ妖怪はポケモン世代の私たちならすんなり入り込めるものであろう。
過去のポケモン「妖怪」は妙にポップでそして可愛げがある。
ウルトラマンといった円谷系のデザインの走りといった妖怪もあり、ここから始まったのかなと思わされたり。
今に続くゆるきゃらはここから?と考えたり。
つまり全く古さを感じない。
その一方、自分でも驚いたことなのだが「幽霊画」が怖かったのだ。
足がないとか恨めがましくこちらを見ている女性といった幽霊テンプレートを見たしている作品はわかっているはずなのに、やはり怖かった。あと髪が綺麗。ヴィダルサスーンかツバキか。


長々となってしまったが「幽霊・妖怪画展」は本当楽しかった。昔の絵だと思うと肩肘張ってしまうが、そんなことは一切ない。
楽しいお祭りに参加したようなそんな後味でございました。
今週の日曜日までとなっているのでもう時間はありませんが、興味がある方は是非行った方がいい展覧会になっています。
本当オススメ!