公共広告CMが好きでよくYOUTUBEで検索しては見ている。
公共広告CMが好きな理由として、明確なメッセージ性とそれを打ち出すために練りに練られた映像表現を堪能できるところ。その映像表現が並のホラー映画よりもえげつない表現をしていることが多く、それ故「トラウマCM」と呼ばれることも多い。
私にも多くのトラウマCMがある。恐怖のあまり、こたつに隠れたり、目をつむり耳を塞いだことも何度もある。
そんなCMを今や簡単にyoutubeで見ることができるのだから、時代の進歩ってまじですげえな。
なんとなくDOMMUNE開設時の宇川直宏さんが書いた口上のようなことを思い出したけども、それはさておきそんな自分のトラウマCMをここで振り返って行きたい。
新鮮な情報など無い、ただそこにあるのは自らのトラウマを見つめる己の姿のみ。
その1「チャイルドマザー」
CM AC公共広告機構 チャイルドマザー 30秒版 - YouTube
2001年度キャンペーン。児童虐待問題やその前年に児童虐待防止法が制定されるなど「育児」に関する問題が深刻化する中作成されたCM。
のどかなオルゴールの音と反する赤ん坊の泣き声。ホラー映画かのような重く落とされた色調の部屋で虚ろな目をしておしゃぶりを加える母親と強烈なビジュアル。そしてそこに被さるコピーが「産むだけで母親になれるわけではない」
言わんとすることはわかるものの、今見直すと当時育児に悩んでいた人たちからするとこれほど無駄に説教されているかのようなCMもないなと思う。
後の虐待防止CMに比べても「じゃあ?どうしろと?」という部分もあるし。
というわけでCMが伝えているメッセージに関しては今見なおしたら「嫌い!」と断言。ただ自分のトラウマ部分でもあったこの退廃的な雰囲気は好き。
特に観直しても怖いと感じたのが「赤ちゃんからの主観ショット」
無力なものの目線は怖いですよ…はい…
↑とりあえず育児に関してはRHYMESTERのHANDS的な立場というか育児している人は本当に尊敬しています・・・
その2 DRUGS KILL TEENS
[AC CM]公共広告機構 DRUGS KILL TEENS 小峯麗奈 - YouTube
1998年キャンペーン。当時まだ10代でもなかった子どもの私に一発でトラウマ植え込んだCM。人生の暗黒面なんて一切知らない子どもにこんな簡易版闇金ウシジマ君な内容のCM見せてみろよ!薬物なんて絶対やらないだろうが!(キャンペーンとしては正解)
にしてもリアルな手順にラスト。見終わった後ラストのね叫びが頭から離れなかったですよ。
「なんでもしますから!助けてください!」
あーいや!
このCMの付近だと「GTO」や「伝説の教師」といった「10代の若者って何考えてるかわかんねえから怖えな!薬物とかやってるんだろ?薬物!」
みたいなドラマが多かったり、渋谷!新宿!荒れまくり!みたいな報道が多かった印象。庵野秀明監督のラブ&ポップも1998年。10代荒れてるみたいな雰囲気あったなー。神戸の酒鬼薔薇が1997年だしそういう報道発信でイメージが広がっていったのだろうか。この辺の90年代後半の若者イメージ論を語っている文献があれば読んでみたいところ。
あとこのCMの前年のには草なぎ剛が出てる。
こちらはよりストレートに怖い。
その3 地球温暖化防止
[AC CM]公共広告機構 ストップ、温暖化 30秒 - YouTube
言わずもがなの名作CM。
音楽、タイミング、全てが完璧。
深夜たまたまこれを見てしまった後、リモコン持ったまま10分くらいその場に立ち尽くしましたからね。ショッキングすぎるぜ。ACさんよ。
改めてこうCMを見てみると、問題提起をするとはどういうことなのかがわかってくる。それはまず注意をこちらに向けること。
これらのCMは30秒という時間のため、じゃあどうすれば?という回答は用意していない。
しかしどれも恐怖や問題を提起することには成功していると思う(賛否はあれども)
CMはその時代の写し鏡だと思うけども、これを期に様々なCMを見て行きたいところ。
でこういう風にまた取り留めもなくまとめて行きたい。
にしてもやっぱりストップ、温暖化は極悪だよ・・・